院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは
SDM研究科の先行研究・理論整理で見られている視点です。

SDM研究科の研究計画書で、
受験生が特に悩みやすいのが「先行研究・理論整理」のパートです。

  • どんな理論を書けばよいのか分からない
  • システム理論やデザイン思考を並べればいいのか
  • 文系・理系が混ざる研究科で、何が評価されるのか

ここを誤ると、
問題設定が良くても、研究として浅く見られてしまいます。


1. SDM研究科で先行研究整理が求められる理由

まず押さえておきたいのは、
SDM研究科で先行研究整理が求められる理由です。

それは、

  • 知識量を測るため
    ではなく
  • 問題をどう位置づけているかを見るため

です。

SDMは学際研究科であるため、

  • 正解の理論
  • 標準モデル

が一つに定まっていません。

だからこそ、

どの理論を使い、
どこまでを前提にし、
どこを問い直そうとしているのか

が重要になります。


2. 評価されない典型例①「理論のカタログ化」

SDM研究科でよく見られるNGが、

  • システム理論
  • デザイン思考
  • サービスデザイン
  • 組織論

といった理論を、
説明だけで並べてしまうケースです。

この書き方では、

  • 理論は知っている
  • しかし、どう使うのかが分からない

と判断されやすくなります。

先行研究整理は、
理論紹介の場ではありません。


3. 評価されない典型例②「自分のアイデアを補強するだけ」

もう一つ多いのが、

  • 自分の構想が正しいことを
  • 理論で裏付けようとする

書き方です。

この場合、

  • 理論は結論の補強材料
  • 批判的検討がない

状態になりやすく、
研究としての深みが出ません。

SDMでは、

  • 理論を使って
  • 自分の問題設定そのものを疑う

姿勢が重視されます。


4. SDMで評価される先行研究整理の考え方

評価される先行研究整理には、
次のような特徴があります。

  • 問題設定と理論が明確につながっている
  • 理論の限界や射程が意識されている
  • 複数の視点を並置している

つまり、

  • 理論を「使う」
    のではなく
  • 理論と「対話する」

形になっています。


5. 学際研究としての整理が求められる理由

SDM研究科では、

  • 工学
  • 経営
  • 社会学
  • デザイン

といった分野が交差します。

そのため、

  • 一つの理論で全てを説明しようとする
  • 自分の専門分野だけで完結させる

整理は、評価されにくくなります。

重要なのは、

  • この理論ではここまで説明できる
  • しかし、ここは説明しきれない

という、理論の境界を意識した整理です。


6. 先行研究整理で本当に見られていること

SDM研究科の先行研究整理で見られているのは、

  • どれだけ多くの理論を知っているか
    ではありません。

見られているのは、

  • 問題を理論的に扱おうとしているか
  • 既存の枠組みを前提にしすぎていないか
  • 新たな視点を導く余地を残しているか

という、研究者としての姿勢です。


まとめ|SDMの先行研究整理は「思考の置き場所」を示す

システムデザイン・マネジメント研究科における先行研究・理論整理は、

  • 知識披露
  • 理論暗記

のためのパートではありません。

それは、

自分の問題設定を、
どの学術的文脈に置き、
どこから先を問い直そうとしているのか

を示すためのものです。

理論を並べるよりも、
理論との距離感を示すこと。
ここができているかどうかが、
SDM研究科での評価を大きく左右します。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。