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今回のテーマは「第141回:医学研究科の先行研究レビューで見られている視点」です。
医学研究科の先行研究レビューは「量」では評価されない
医学研究科の研究計画書で、
評価が静かに分かれるポイントがあります。
それが、
先行研究レビューの“書き方”
です。
多くの受験生は、
- できるだけ多く論文を読む
- 有名誌・高IF論文を並べる
- 最新論文を網羅する
ことに力を注ぎます。
しかし医学研究科で見られているのは、
どれだけ読んだか、ではありません。
医学研究科における先行研究レビューの役割
医学研究科で先行研究レビューが求められる理由は、
非常に明確です。
それは、
「この人は、
研究の文脈の中で思考できているか」
を確認するためです。
先行研究レビューは、
- 知識量アピール
- 勉強量アピール
の場ではありません。
医学研究科で先行研究に求められている3つの視点
評価者は、
先行研究レビューを見るとき、
主に次の3点を見ています。
- 研究分野の全体像を把握しているか
- 研究同士の関係を整理できているか
- 自分の研究の位置づけが明確か
① 分野全体を「俯瞰」できているか
評価されるレビューは、
- この分野では何が主要な論点なのか
- どのような研究の流れがあるのか
が、
簡潔に整理されています。
逆に、
- 個別論文の説明だけ
- 年代順の羅列
になっていると、
分野理解が浅い
と判断されやすくなります。
② 研究同士の「違い」を説明できているか
医学研究科で特に重視されるのが、
この視点です。
- なぜ研究Aと研究Bで結論が違うのか
- 対象・条件・方法の違いは何か
ここを説明できるレビューは、
研究的な読解ができている
と高く評価されます。
③ 自分の研究につながっているか
先行研究レビューで
最も重要なのはここです。
- 先行研究で何が分かっているか
- しかし、どこが十分に検証されていないか
- だから自分は〇〇を扱う
この流れが自然につながっているかが、
最大の評価ポイントです。
医学研究科で評価されるレビューの基本構造
評価される先行研究レビューは、
ほぼ例外なく、次の構造を持っています。
- 分野の背景と主要論点
- 代表的研究の整理
- 研究の限界・不足点
- 自分の研究の位置づけ
これは、
修士・博士論文の序章構造そのもの
です。
医学研究科で多いNGパターン①
「読んだ論文の要約集」になっている
- A論文は〇〇を示した
- B論文は△△を明らかにした
この書き方では、
研究の流れが見えません。
評価者は、
「で、何が重要なの?」
という状態になります。
NGパターン②
批判や限界に触れない
医学研究分野では、
- 批判は失礼
- 自分が評価する立場ではない
と感じてしまう人が多いですが、
これは誤解です。
研究における限界指摘は、
学術的に正当な行為
です。
- 対象の制約
- 条件設定の限界
を整理できないと、
研究は前に進みません。
NGパターン③
自分の研究が突然登場する
- 先行研究を並べた後
- いきなり自分の研究を書く
この構成も、
評価が伸びにくい典型例です。
評価されるのは、
先行研究から自然に導かれる問い
です。
医学研究科で適切な文献数の考え方
よくある質問です。
結論から言うと、
文献数に正解はありません。
重要なのは、
- 研究テーマにとって必要か
- 議論の流れを説明できているか
です。
- 多くても整理できていない
- 少なくても位置づけが明確
後者の方が、
圧倒的に評価されます。
英語文献の扱い方で差がつく
医学研究科では、
英語文献の“使い方”
が、非常に重視されます。
- 引用しているだけ
- 名前を出しているだけ
では、評価されません。
- どこが重要か
- 自分の研究とどう関係するか
ここを説明できて初めて、
英語文献は評価されます。
面接で先行研究はどう問われるか
面接では、
- なぜこの研究を重視したか
- この研究の限界は何か
といった質問がよく出ます。
このとき、
自分の言葉で説明できるか
が、
先行研究レビューの完成度を
そのまま反映します。
医学研究科が先行研究レビューから見ている本質
最後に、
最も重要な点を伝えます。
医学研究科が
先行研究レビューから見ているのは、
この人は、
研究の議論の中に入れているか
という一点です。
- 知っているか
ではなく - 考えているか
が問われています。
まとめ
医学研究科の先行研究レビューで見られている視点は、
- 分野全体の理解
- 研究同士の関係整理
- 自分の研究との接続
この3点です。
先行研究レビューは、
研究者としての入口に立てているか
を示す部分です。
次回は、
医学研究科における指導教員の選び方と注意点
を解説します。
ここで、
研究テーマと教員選びの関係を
整理していきます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


