院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは、医学研究科の研究計画書ビフォーアフター(改善事例)です。


研究計画書は「才能」ではなく「修正」で通る

医学研究科の研究計画書について、
多くの受験生がこう思っています。

  • 最初から完成度が高くないと通らない
  • センスがないと厳しい
  • 一発で仕上げる必要がある

しかし、実際の合格者の計画書を見ると、
この考えは完全に間違いです。

合格する研究計画書は、
ほぼ例外なく「修正を重ねた結果」です。


医学研究科の計画書は「最初は通らない前提」で作る

まず大前提として理解してください。

医学研究科の研究計画書は、

初稿のままでは、まず評価されません。

これは能力の問題ではなく、

  • 研究は考えながら深まる
  • 書くことで問いが洗練される

という性質によるものです。


改善事例① テーマが広すぎる計画書

Before(不合格になりやすい状態)

  • ○○疾患の病態解明
  • ○○治療の有効性評価

一見、医学的に重要ですが、

「どこを扱う研究なのか分からない」

という評価になります。

After(評価される状態)

  • ○○疾患患者における△△条件下での
    ××因子の変化とその臨床的意義

ポイントは、

対象・条件・視点を限定したこと

です。

テーマを小さくすることで、
研究として成立します。


改善事例② 背景説明が長すぎる計画書

Before

  • 教科書的説明が延々と続く
  • 先行研究の要約が中心

評価者は、

「で、何が問題なの?」

という状態になります。

After

  • 先行研究の整理は最小限
  • 未解明点を明確に提示

背景は、

研究の入口であって、主役ではありません。


改善事例③ 仮説が曖昧な計画書

Before

  • 明らかにしたい
  • 検討したい

という表現が並んでいます。

これは、

研究の方向が定まっていない

と判断されます。

After

  • ○○であれば△△が起こると仮定する
  • その検証として××を行う

仮説が明確になると、

研究全体が一気に引き締まります。


改善事例④ 方法が盛りすぎな計画書

Before

  • 多数の実験
  • 複数の解析
  • 最先端技術を網羅

意欲的に見えますが、

「本当に終わるのか?」

と疑われます。

After

  • 中核となる方法に絞る
  • 補助的手法は位置づけを明確に

医学研究科では、

完走できる設計

が何より重視されます。


改善事例⑤ 新規性が見えない計画書

Before

  • 新しいと思う
  • あまり研究されていない

これは、

主観的で根拠がない

と判断されます。

After

  • 先行研究A・Bでは△△まで明らか
  • しかし××条件下では未検証

新規性は、

比較の中で示す

ものです。


計画書が一気に良くなる「転換点」

多くの合格者が、
次の瞬間に大きく改善しています。

「これは研究として問いになっていない」
と自分で気づいた瞬間

この気づきが、

  • テーマ縮小
  • 仮説明確化
  • 方法整理

につながります。


修正でやってはいけないこと

修正段階で、
やりがちな失敗があります。

  • 文章を綺麗にするだけ
  • 表現だけ変える
  • 分量を増やす

重要なのは、

構造の修正

です。


良い修正ができているサイン

次の状態になっていれば、
計画書はかなり安定しています。

  • 研究目的を一文で言える
  • 仮説と方法が対応している
  • 面接で説明が楽になる

合格者は皆、

「説明しやすくなった」

と感じています。


医学研究科の計画書は「完成させすぎない」

重要な注意点があります。

医学研究科では、

完成しすぎた計画書は、
かえって評価を落とすことがあります。

  • 指導の余地がない
  • 修正が難しそう

と見なされるためです。


ビフォーアフターで分かる本質

改善事例を通して分かるのは、

通る計画書は、
最初から優れているのではない

という事実です。

正しい方向に、正しく直されている

それだけです。


まとめ

医学研究科の研究計画書
ビフォーアフターから学べるポイントは、

  • テーマは小さくする
  • 背景は削る
  • 仮説を明確にする
  • 方法は現実的に
  • 新規性は比較で示す

研究計画書は、

書き直すことで強くなる文章

です。

次回は、
医学研究科の面接失敗からの逆転合格事例
を解説します。

「一度つまずいた人が、
なぜ立て直せたのか」を
具体的に見ていきます。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。