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今回のテーマは、商学研究科で評価される研究テーマの作り方です。


商学研究科で落ちる人の多くは「テーマ選び」でつまずいている

商学研究科の受験相談で、
最も多い悩みがこれです。

  • テーマが思いつかない
  • これで研究になるのか不安
  • 面白いと思うけど評価されるか分からない

そして実際に不合格になる人の多くが、

研究テーマの段階でズレています。

研究計画書の書き方以前に、
テーマ設計そのものが評価軸に合っていない
というケースが非常に多いのです。


商学研究科の研究テーマは「自由そうで不自由」

商学研究科は、

  • 経営
  • 会計
  • マーケティング
  • ファイナンス

など幅広い分野を扱うため、
一見するとテーマの自由度が高そうに見えます。

しかし実際は、

評価されるテーマの型がかなり明確

です。

自由に見えて、
研究として成立する枠は決まっている
と考えてください。


評価される研究テーマの大前提

商学研究科で評価される研究テーマには、
必ず共通する前提があります。

それは、

「現象」ではなく「問い」になっていること

です。

  • DXが進んでいる
  • サブスクが増えている
  • 働き方が変わっている

これらはすべて現象であって、
研究テーマではありません。


評価されるテーマは「なぜ・どのように」でできている

研究テーマとして評価される形は、
次のような構造を持っています。

  • なぜ〇〇は△△なのか
  • どのような条件で〇〇は成立するのか

つまり、

説明を要求する形

になっているかどうかが、
最初の分かれ目です。


商学研究科で強いテーマの出発点

評価されるテーマは、
必ずしも「立派な問題」から始まりません。

多くの場合、出発点は次のようなものです。

  • 既存理論では説明しきれない違和感
  • 実務経験の中で感じたズレ
  • 先行研究を読んで残った疑問

重要なのは、

違和感をそのまま出さないこと

です。


実務経験をテーマにする場合の正しい変換

社会人受験生に多いのが、

  • 実務経験=研究テーマ

と考えてしまうパターンです。

これは危険です。

評価されるのは、

  • 実務でこうだった
    ではなく
  • なぜその現象が起きたのか

という問いに変換できているかです。


評価されるテーマの条件①「先行研究と会話できる」

商学研究科では、

先行研究との関係が見えないテーマ

は、高確率で評価が下がります。

  • 先行研究で何が分かっているのか
  • 何がまだ十分に説明されていないのか

この「隙間」に、
自分のテーマが置かれているかが重要です。


条件②「修士論文のサイズに収まっている」

テーマが大きすぎると、
どれだけ意欲があっても評価されません。

  • 商学全体を扱う
  • 日本企業をすべて分析する

こうしたテーマは、

修士論文として現実的ではない

と判断されます。

評価されるテーマは、

  • 対象が限定されている
  • 分析範囲が見えている

という特徴を持っています。


条件③「方法が想像できる」

商学研究科では、

テーマを見た瞬間に、
どんな研究になるか想像できるか

が、無意識にチェックされています。

  • データは何を使うのか
  • 文献研究なのか
  • ケース分析なのか

これが全く見えないテーマは、
「研究が進まない」と判断されやすくなります。


落ちやすい研究テーマの典型例

ここで、
評価が伸びにくいテーマの例を整理します。

  • 成功事例を分析するだけ
  • 改善策を提案する
  • トレンドをまとめる

これらはすべて、

研究ではなくレポート

と見なされやすいテーマです。


「面白いテーマ」と「評価されるテーマ」は違う

受験生がよく混同する点があります。

それは、

  • 自分が面白い
  • 研究として評価される

は、別物だということです。

評価されるテーマは、

自分の興味 × 研究としての必然性

が、重なっているものです。


商学研究科でテーマを固める正しい順序

テーマ設計は、
次の順で考えると安定します。

  1. 違和感・関心を言語化する
  2. 先行研究を読む
  3. 説明できていない点を探す
  4. 修士論文サイズに絞る

この順序を飛ばすと、
テーマはブレやすくなります。


面接でテーマはどう見られるか

面接では、

  • そのテーマはなぜ重要か
  • なぜあなたがやるのか

が必ず聞かれます。

ここで、

  • 流行だから
  • 実務で必要だから

と答えてしまうと、
評価は一気に下がります。


商学研究科がテーマから見ていること

最後に、
最も重要な視点を伝えます。

商学研究科が
研究テーマから見ているのは、

この人は、
研究として考え続けられるか

です。

テーマは、
その適性を判断するための
最初の材料にすぎません。


まとめ

商学研究科で評価される研究テーマの条件は、

  • 問いの形になっている
  • 先行研究との関係がある
  • 修士論文サイズに収まっている
  • 方法が想像できる

この4点です。

研究テーマは、

完成品ではなく、
研究が始まりそうだと感じさせる設計

これができた人が、
商学研究科では高く評価されます。

次回は、
商学研究科の先行研究レビューで見られている視点
を解説します。

ここで、
テーマを「研究」に変える核心部分に入ります。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。