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今回のテーマは、商学研究科の先行研究レビューで見られている視点です。


商学研究科で「先行研究」が評価を左右する理由

商学研究科の研究計画書で、
合否を静かに分けている要素があります。

それが、

先行研究レビューの質

です。

多くの受験生は先行研究について、

  • とりあえず有名な論文を挙げる
  • たくさん読んだことを示す
  • 引用数を増やせば評価される

と考えがちですが、
これらは評価の本質から外れています。


商学研究科における先行研究の役割

商学研究科で先行研究が求められる理由は、
非常にシンプルです。

それは、

「この人は、すでに分かっていることと、
まだ分かっていないことを区別できているか」

を確認するためです。

先行研究レビューは、
知識量のアピールではありません。


先行研究レビューは「要約」ではない

まず、
最も多い誤解を整理します。

先行研究レビューは、

  • 論文の要約
  • 内容紹介
  • 研究史の羅列

ではありません。

評価されるのは、

先行研究を使って、
自分の研究の立ち位置を示せているか

です。


商学研究科で見られている3つの視点

商学研究科の評価者は、
先行研究レビューを見るとき、
主に次の3点をチェックしています。

1. 研究分野の理解度
2. 議論の整理力
3. 自分の研究との接続


① 研究分野の理解度|「全体像をつかめているか」

評価されるレビューは、

  • この分野では
    どんな議論が中心か
  • どんな理論や枠組みが使われているか

が、簡潔に整理されています。

逆に、

  • 重要でない研究を並べる
  • 文脈が見えない

レビューは、

分野を理解していない

と判断されやすくなります。


② 議論の整理力|「違いを説明できているか」

商学研究科では、

研究同士の違いを説明できるか

が、非常に重要です。

  • 同じテーマでも
    何が違うのか
  • どこで結論が分かれているのか

これが整理できているレビューは、
高く評価されます。


③ 自分の研究との接続|「なぜこの研究をやるのか」

先行研究レビューで
最も重要なのはここです。

  • 先行研究ではここまで分かっている
  • しかし、ここは十分に検討されていない
  • そこで自分は〇〇を明らかにしたい

この流れがあるかどうかで、
評価は大きく変わります。


商学研究科で評価されるレビューの構造

評価される先行研究レビューには、
共通する構造があります。

1. 研究分野の全体像
2. 主要な研究の整理
3. 限界・不足点の指摘
4. 自分の研究の位置づけ

この構造は、

修士論文の序章そのもの

でもあります。


よくあるNGパターン①「読んだ順に並べる」

非常に多い失敗です。

  • A論文は〇〇
  • B論文は△△
  • C論文は□□

この書き方では、

何が重要なのか分からない

と判断されます。


NGパターン②「評価を避けすぎる」

受験生の中には、

  • 批判したら失礼
  • 自分が評価する立場ではない

と考えてしまう人がいます。

しかし研究では、

限界を指摘すること=批判

ではありません。

  • 研究の射程
  • 対象の制約

を整理することは、
正当な学術行為です。


NGパターン③「自分の研究が突然出てくる」

  • 先行研究を述べて
  • いきなり自分の研究を書く

この構成もよく見られます。

評価されるのは、

自然につながる構成

です。


商学研究科で適切な先行研究の量

よくある質問です。

結論から言うと、

量は評価されません。

  • 多すぎても
  • 少なすぎても

問題です。

重要なのは、

自分の研究にとって
必要な研究が選ばれているか

です。


英語文献はどう扱うべきか

商学研究科では、

  • 英語文献を使っているか

自体よりも、

どう使っているか

が見られます。

  • 引用しただけ
  • 名前を出しただけ

では評価されません。


面接で先行研究はどう問われるか

面接では、

  • なぜこの研究を重視したか
  • この研究の限界は何か

といった質問がよく出ます。

ここで、

自分の言葉で説明できるか

が、重要です。


商学研究科が先行研究から見ていること

最後に、
最も重要な点を伝えます。

商学研究科が
先行研究レビューから見ているのは、

この人は、
研究の文脈に入れているか

という一点です。


まとめ

商学研究科の先行研究レビューで見られている視点は、

  • 分野理解
  • 議論整理
  • 自分の研究との接続

この3点です。

先行研究レビューは、

研究者としての入口に
立てているかを示す部分

です。

次回は、
商学研究科における指導教員の選び方と注意点
を解説します。

ここで、
研究計画と教員選びの関係を整理します。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。