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今回のテーマは、商学研究科の入試制度と評価構造を完全整理です。


商学研究科は「ビジネス系」だが、就活ではない

商学研究科を志望する受験生の多くが、
最初にここで認識を誤ります。

  • ビジネス経験があれば有利
  • 実務的であれば評価される
  • 就職に直結する研究が好まれる

しかし、商学研究科の入試は
就職活動でも、実務選抜でもありません。

評価の中心にあるのは、あくまで

研究として成立するかどうか

です。


商学研究科の入試は「研究者・高度専門職候補」の選抜

商学研究科の入試は、

  • 研究者志向
  • 高度専門職志向

両方を前提とした選抜です。

ただし、共通して見られているのは、

  • 問いを立てられるか
  • 理論・方法で考えられるか
  • 修士論文まで到達できるか

という点です。

実務経験がある
= 研究ができる
ではありません。


商学研究科の入試構造(全体像)

商学研究科の入試は、
次の要素を総合的に評価します。

  • 出願書類
    • 研究計画書
    • 志望理由書
    • 成績証明書
  • 筆記試験
    • 専門科目
    • 英語
    • 小論文(年度・分野による)
  • 面接試験

この中で、最も重視されるのは

研究計画書

です。


商学研究科でも「書類が8割」の構造は変わらない

社会学研究科と同様、
商学研究科でも、

  • 書類が弱い
    → 筆記・面接で挽回不可

という構造は同じです。

特に商学研究科では、

  • 実務経験
  • 数値分析力
  • プレゼン力

に期待して受験する人ほど、
研究計画書が弱くなりやすい傾向があります。


商学研究科の評価構造を一言で言うと

商学研究科の評価構造を一言で表すと、

「実務的関心を、理論で研究に変換できているか」

です。

  • 実務の課題
  • ビジネス上の疑問

これを、

  • 学術的な問い
  • 研究可能な課題

に変換できているかが、
最大の評価ポイントになります。


商学研究科で評価される研究の方向性

商学研究科で評価されやすい研究には、
次の特徴があります。

  • 既存理論・モデルを踏まえている
  • 実証・分析の方法が明確
  • 実務との距離感が取れている

逆に、

  • 成功事例の紹介
  • 改善提案
  • ノウハウ整理

に留まると、

研究ではなくレポート

と判断されやすくなります。


筆記試験の位置づけ(商学研究科)

商学研究科の筆記試験は、

研究に必要な基礎体力の確認

という位置づけです。

  • 会計
  • マーケティング
  • 経営学
  • 統計・分析

分野は多岐にわたりますが、

専門家レベル
は求められていません。

研究計画と整合している基礎理解
があれば十分です。


英語試験の役割

商学研究科における英語は、

  • 研究文献読解力
  • 国際的研究への接続力

を確認するためのものです。

  • 英語が極端に弱い
    → 不利
  • 英語が突出している
    → 加点

この構造は他研究科と共通です。


面接は「実務の深掘り」ではない

商学研究科の面接で、
よくある誤解があります。

  • 実務経験を詳しく話せばいい
  • 成果をアピールすればいい

しかし面接官が見ているのは、

実務をどう研究に変換しているか

です。

  • その経験は、
    どんな理論と関係するのか
  • 何がまだ説明できていないのか

ここが語れないと、
評価は伸びません。


社会人受験生が特に注意すべき点

商学研究科は、
社会人受験生が非常に多い研究科です。

その分、

「社会人であること」は
まったく差別化になりません。

差がつくのは、

  • 研究として整理できているか
  • 実務と距離を取れているか

この一点です。


商学研究科で落ちる典型パターン

ここで、よくある失敗を整理します。

  • 実務の話が中心
  • 研究課題が曖昧
  • 理論や先行研究が薄い
  • 修士論文の見通しが立っていない

これらはすべて、

研究として未完成

と判断されます。


商学研究科の評価構造を理解する意味

商学研究科の入試は、

  • 実務が活かせる
    という期待を
  • 研究に変換できるか

を見極める入試です。

ここを理解せずに受験すると、

「ちゃんとしているのに落ちる」

という結果になりやすくなります。


まとめ

商学研究科の入試制度と評価構造のポイントは、

  • 研究計画書が最重要
  • 実務経験は素材に過ぎない
  • 理論・方法との接続が評価軸
  • 修士論文までの見通しが必須

この4点です。

商学研究科は、
ビジネス研究を“学問として成立させられる人”
を選抜しています。

次回は、
商学研究科の専攻・分野別試験内容一覧と対策の考え方
を解説します。

ここから、
商学研究科編を本格的に掘り下げていきます。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。