院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは
政策・メディア研究科で評価される研究テーマ設計の考え方です。

前回は、
政策・メディア研究科の研究計画書が
なぜ評価されるのか/なぜ落ちるのかを整理しました。

今回はその中核となる、
研究テーマそのものをどう設計すべきか
に焦点を当てて解説します。


1. 政策・メディア研究科で最も多い誤解

政策・メディア研究科の受験生に最も多い誤解は、

  • 社会的に重要なテーマなら評価される
  • 現場で実践してきたテーマなら通る
  • 問題意識が強ければ研究になる

という考え方です。

しかし実際には、
社会的に正しいテーマほど、研究としては弱くなりやすい
という逆転現象が起きがちです。


2. 「社会課題テーマ」がそのまま落ちる理由

たとえば、

  • 地方創生
  • 教育格差
  • デジタル・デバイド
  • 環境問題

といったテーマは、
政策・メディア研究科で非常によく見られます。

しかし、これらをそのまま研究テーマにすると、

  • 範囲が広すぎる
  • 何を明らかにするのか分からない
  • 解決策の提案で終わる

という状態になりやすく、
研究として評価されにくくなります。


3. 評価される研究テーマは「問い」から逆算されている

政策・メディア研究科で評価される研究テーマは、

  • 何を良くしたいか
    ではなく
  • 何が分かっていないのか

から設計されています。

具体的には、

  1. 既存研究・既存議論の整理
  2. そこで未解決の点を特定
  3. その一点を問いとして切り出す

という流れです。

テーマは、
問いを表現したラベルにすぎません。


4. 実践テーマを研究テーマに変える方法

政策・メディア研究科では、
実践や活動を背景にしたテーマ設定も多く見られます。

その場合、重要なのは、

  • 自分が何をしてきたか
    ではなく
  • その実践が、どんな前提に支えられているか

を問い直すことです。

たとえば、

  • なぜその方法が有効とされているのか
  • 他の文脈では同じ結果になるのか
  • どの条件で成立し、どこで崩れるのか

といった視点を入れることで、
実践は研究テーマへと変換されます。


5. スケール調整ができないテーマは評価されない

政策・メディア研究科の研究テーマで、
もう一つ非常に多い失敗が、スケール過大です。

  • 日本社会全体
  • 現代社会における〜
  • グローバルな視点で

といった表現は、
一見すると立派ですが、
修士研究としては現実的ではありません。

評価されるテーマは、

  • 対象
  • 時期
  • 文脈

が明確に限定されています。


6. 評価される研究テーマの共通点

政策・メディア研究科で評価される研究テーマには、
次の共通点があります。

  • 問いが一文で説明できる
  • 既存研究との関係が整理されている
  • 実践と研究が切り分けられている
  • 修士論文として完結するサイズになっている

これらはすべて、
研究テーマが「発想」ではなく「設計」で作られている証拠です。


まとめ 政策・メディア研究科の研究テーマは「正しさ」ではなく「構造」

政策・メディア研究科の研究テーマ設計では、

  • 社会的な正しさ
  • 意義の大きさ
  • 実践経験の豊富さ

が、そのまま評価につながるわけではありません。

評価されるかどうかは、
研究として問いが立ち、構造化されているか
で決まります。

テーマを「良い話」にするのではなく、
研究として成立する形に設計すること
それが、合否を分ける最大のポイントです。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。