院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
慶應義塾大学大学院・文学研究科とは何を研究する場所なのか
です。
「文学研究科=文学部の延長」という誤解
- 文学が好きな人が行く場所
- 本をたくさん読むところ
- 文系を幅広く学ぶ研究科
これらは半分は正しく、半分は誤解です。
文学研究科は「文学が好きな人の場所」ではなく、
文学・人文系の研究を専門的に行う場です。
文学研究科は「人文学の研究拠点」
文学研究科では、次のような人文学全般を扱います。
- 文学
- 哲学
- 史学
- 社会学
- 心理学
- 言語学
ここでいう「文学」とは、 作品を味わうことではなく、 テキスト・思想・歴史・社会を学術的に分析することを指します。
「感想」ではなく「分析」が求められる
文学研究科で重視されるのは、
どう感じたかではなく、どう分析したか。
- どの概念を用いて
- どの文脈で
- 何を明らかにするのか
ここまで落とし込んで、初めて研究として評価されます。
他研究科との決定的な違い
- 研究テーマが抽象化しやすい
- 「関心」と「研究」の境界が曖昧になりやすい
- 設計力の差が合否に直結しやすい
そのため、 研究計画書の完成度が極端に重要になります。
文学研究科で評価される研究の特徴
- 対象が明確
- 問いが限定されている
- 先行研究との関係が整理されている
逆に、
- テーマが大きすぎる
- 問題意識が抽象的
- 「◯◯について考察する」で止まっている
この状態では評価されません。
なぜ文学研究科は難しいと言われるのか
難しさの理由は、筆記や語学ではありません。
評価基準が点数化されにくいことにあります。
- 研究の筋
- 論理の一貫性
- 思考の成熟度
これらがそのまま評価に反映されます。
社会人・専門外でも通用するか
十分に通用します。条件は次の3点です。
- 学術的な書き方を理解している
- 先行研究を軽視しない
- 現場の話で押し切らない
問題意識を、学術研究の形式に変換できるかが鍵です。
最初にやるべき準備
- 専攻分野を大まかに決める
- 基本文献・定番書を読む
- 「何が分かっていないか」を言語化する
「まだうまく言えない」状態は健全です。
「もう分かったつもり」になることが危険です。
文学研究科は「思考の精度」を鍛える場所
問いを立て、方法を選び、自分で検証する。
この思考の精度を徹底的に鍛えるのが文学研究科です。
まとめ
文学研究科は、 文学が好きな人の集まりではなく、 人文学を研究として成立させる場です。
この理解ができると、 研究計画・面接の精度が一気に変わります。
次回は、文学研究科の入試制度と評価構造を解説します。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


