院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
法務研究科(法科大学院)とは何を学ぶ場所なのかです。
法科大学院について調べ始めた方の多くが、最初に次のような疑問を持ちます。
- 法学部や研究大学院と何が違うのか
- 「研究」はするのか、それとも実務なのか
- そもそも、どんな人が向いているのか
この疑問を曖昧なまま受験してしまうと、
志望理由書・面接・入学後の学修すべてにズレが生じやすくなります。
1. 法科大学院は「研究機関」ではない
まず最も重要な前提として、
法務研究科(法科大学院)は、
- 研究者を養成する研究大学院
ではありません。
法科大学院は、
- 弁護士・裁判官・検察官といった
- 法曹を養成するための
- 専門職大学院
という位置づけです。
そのため、
- 独自理論の構築
- 学術研究の深化
を目的とする場ではなく、
法曹として必要な知識・思考・判断力を体系的に身につける場
だと理解する必要があります。
2. 法学部・研究大学院との決定的な違い
法科大学院を正しく理解するためには、
他の教育機関との違いを押さえておくことが不可欠です。
法学部
・法学の基礎を幅広く学ぶ
・学問的関心が中心
・卒業後の進路は多様
研究大学院(修士・博士)
・特定分野を研究する
・論文執筆が中心
・研究者養成が目的
法科大学院
・法曹になることを前提とした教育
・実務を意識した科目構成
・修了後の司法試験を強く意識
つまり法科大学院は、
学問と実務の中間にあるが、目的は一貫して「職業」
という点が最大の特徴です。
3. 「研究計画書」が不要な理由
多くの大学院受験では、
研究計画書が合否の中心になります。
一方、法科大学院では、
- 研究計画書
ではなく - 志望理由書・学修計画書
が重視されます。
これは、法科大学院が
- 何を研究したいか
ではなく - どう学び、法曹として成長するか
を評価する場だからです。
研究者的な視点で書かれた志望理由は、
かえって評価を下げてしまうこともあります。
4. 法科大学院で本当に求められている力
法科大学院で重視されるのは、
- 知識量の多さ
- 判例暗記力
だけではありません。
実際に求められているのは、
- 事実関係を整理する力
- 論点を構造的に把握する力
- 結論まで論理的に組み立てる力
- 継続的に学修できる耐久力
です。
これは、
「頭がいいかどうか」ではなく
「法曹教育に耐えられるかどうか」
を見る視点だと言えます。
5. 法科大学院は「覚悟」を問う教育機関
法科大学院は、
- 入学がゴール
ではありません。
むしろ、
- 修了
- 司法試験
- その先のキャリア
まで含めて、
長期戦が前提の教育機関です。
そのため、
- なんとなく法曹に憧れている
- とりあえず進学して考えたい
という姿勢では、
途中で行き詰まる可能性が高くなります。
まとめ|法科大学院は「法曹になる前提」で学ぶ場所
法務研究科(法科大学院)は、
- 法学を研究する場所
でも - 進路を模索する場所
でもありません。
それは、
法曹になることを前提に、
そのための知識・思考・覚悟を鍛える場所
です。
この前提を正しく理解しているかどうかが、
志望理由書・面接・入学後の学修すべてに影響します。
法科大学院受験は、
単なる進学選択ではなく、
職業選択の延長線上にある受験だということを、
まずはしっかり押さえておきましょう。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


