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今回のテーマは
既修者・未修者別に見た合格ラインの考え方です。

法科大学院受験において、
最も多い判断ミスの一つが、

  • 何となく既修を選ぶ
  • 年数が短いから既修が有利だと思う
  • 未修はレベルが低いのではないかと誤解する

といった、既修・未修の理解不足です。
この選択を誤ると、合否だけでなく、入学後の学修そのものが破綻します。


1. 既修・未修は「難易度の差」ではない

まず明確にしておきたいのは、
既修者コースと未修者コースは、

  • 易しい/難しい
  • 上/下

といった関係ではありません。

この二つは、

「入学時点で何を前提にしているか」が違うだけ

です。

  • 既修:法学部レベルの基礎知識を前提
  • 未修:法律を初めて体系的に学ぶ前提

この前提を誤解したまま出願すると、
ミスマッチが起きやすくなります。


2. 既修者に求められる合格ライン

既修者コースで見られているのは、

  • 単なる知識量
    ではなく
  • 法的思考がすでに身についているか

という点です。

具体的には、

  • 条文・判例を前提に論点を整理できるか
  • 事実関係を法的に評価できるか
  • 制限時間内に一定水準の答案を書けるか

が、既修者の合格ラインになります。

「法学部出身だから」という理由だけで既修を選ぶと、
この水準に届かず、不合格になるケースも少なくありません。


3. 既修者で落ちやすい典型例

既修者受験で特に多い失敗は次の通りです。

  • 知識はあるが、論理展開が弱い
  • 条文・判例の使い方が曖昧
  • 答案が説明的で結論が弱い

これは、

  • 勉強してきた
  • 講義を受けてきた

という経験と、
法曹教育に耐えうる思考力の間に、
まだギャップがある状態だと言えます。


4. 未修者に求められる合格ライン

一方、未修者コースで見られているのは、

  • 法律知識の量
    ではありません。

評価されているのは、

  • 文章を正確に読み取れるか
  • 問題を整理して考えられるか
  • 論理的に説明しようとする姿勢

といった、基礎的な思考力と学修耐性です。

そのため、

  • 法学部出身でない
  • 法律は初めて

という点自体が、不利になることはありません。


5. 未修者で評価が下がるケース

未修者受験で評価が下がりやすいのは、

  • 法律を甘く見ている
  • 勉強量を軽く見積もっている
  • 動機だけで乗り切ろうとしている

ケースです。

未修者コースは、

  • ゆっくり

という意味ではありません。

むしろ、
短期間で一気に専門教育に入る前提の、非常に負荷の高いコース
だと理解する必要があります。


6. 既修・未修の選択で考えるべき視点

既修か未修かを選ぶ際は、
次の視点で冷静に判断することが重要です。

  • 現時点で、法的思考がどこまで身についているか
  • 入学後の進度についていけるか
  • 学修時間を確保できるか

「早く終わるから」「周りが既修だから」
といった理由での選択は、
将来的に大きなリスクになります。


まとめ|既修・未修の選択は「覚悟と現実」の問題

既修者・未修者の違いは、

  • 能力の優劣
    ではなく
  • 前提条件と覚悟の違い

です。

合格ラインはそれぞれ異なりますが、
どちらも、

  • 厳しい学修
  • 高い思考負荷

が待っています。

自分の現在地を正しく把握し、
無理のない選択をすること。
それが、法科大学院受験において、
最初にして最も重要な戦略判断になります。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。