院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
法科大学院制度の全体構造と修了要件の現実です。
法科大学院を検討している方の多くが、
制度について次のような理解のまま受験してしまいがちです。
- 入学できれば何とかなるのではないか
- 修了すれば司法試験に進めるのだから大丈夫だろう
- 既修・未修の違いは年数の問題だけ
しかし実際には、
この制度理解の甘さが、入学後の脱落や後悔につながるケースが非常に多い
というのが現実です。
1. 法科大学院制度は「通過点」が連続する構造
まず押さえておくべきなのは、
法科大学院制度は次のような段階構造になっている点です。
- 法科大学院入試
- 在学中の厳しい成績評価
- 修了判定
- 司法試験
- 法曹としてのキャリア形成
つまり法科大学院は、
ゴールではなく、長いプロセスの一部に過ぎません。
そのため、
- 入学できるか
よりも - 修了まで走り切れるか
が、制度上きわめて重要になります。
2. 既修・未修コースの本質的な違い
法科大学院の制度理解で最も重要なのが、
既修者コースと未修者コースの違いです。
既修者コース
・原則2年修了
・法学部レベルの基礎知識が前提
・授業進度が非常に速い
未修者コース
・原則3年修了
・法律初学者も対象
・基礎から段階的に学修
ここで注意したいのは、
これは「難易度の差」ではなく「前提条件の差」
だという点です。
知識が不十分なまま既修で入学すると、
短期間で一気に行き詰まるリスクが高くなります。
3. 修了要件は「単位」だけではない
法科大学院の修了要件は、
単に単位を取ればよい、というものではありません。
多くの法科大学院では、
- 一定以上のGPA
- 必修科目の成績要件
- 再履修制限
など、
厳格な内部基準が設けられています。
そのため、
- 入学はできたが
- 成績が基準に届かず
- 修了できない
というケースも、決して珍しくありません。
4. 成績評価が厳しくなる理由
法科大学院の成績評価が厳しいのは、
- 学生をふるいにかけるため
ではなく - 司法試験を前提とした教育設計だからです。
在学中の段階で、
- 論点整理
- 事実認定
- 法的思考の速度
について、
一定水準に達していない場合、
修了後にさらに厳しい壁に直面することになります。
そのため、
在学中から常に「選別」がかかっている構造
だと理解しておく必要があります。
5. 「途中脱落」が起きやすいポイント
法科大学院で途中脱落が起きやすいのは、
次のようなタイミングです。
- 入学後1年目の前半
- 必修科目が一気に増える時期
- 成績評価が見えてきた段階
このとき、
- 想定以上に勉強量が多い
- 成績が思うように伸びない
- モチベーションが維持できない
と感じ、
進路変更を考える人も少なくありません。
6. 制度理解が浅いと起きるミスマッチ
制度を十分に理解しないまま受験すると、
- 年数だけで既修を選んでしまう
- 修了後の負荷を想定していない
- 家計・生活設計が甘い
といったミスマッチが起きやすくなります。
法科大学院受験は、
- 入試対策
だけでなく - 数年間の生活設計・学修設計を含めた判断
であることを忘れてはいけません。
まとめ|法科大学院制度は「覚悟を前提に設計されている」
法科大学院制度は、
- 誰でも気軽にチャレンジできる
- 入学すれば将来が開ける
という仕組みではありません。
それは、
修了・司法試験・法曹キャリアまでを見据え、
覚悟を持った人だけが走り切れるよう設計された制度
です。
この制度の現実を理解したうえで、
- 既修か未修か
- どの法科大学院を選ぶか
- どんな準備をすべきか
を考えることが、
法科大学院受験における最初の重要な判断になります。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。

