院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは
法学研究科の入試制度と評価構造を完全整理です。


「法学研究科=ロースクール」ではない

法学研究科を目指す人の中で、
最初につまずきやすいのがこの誤解です。

  • 法学研究科=司法試験を目指す場所
  • ロースクールと似たような入試
  • 実務家養成が中心

しかし、これはまったく違います。

慶應義塾大学の法学研究科は、

研究者養成を主目的とした大学院

です。

この前提を理解せずに受験すると、
書類・筆記・面接すべてで評価がズレていきます。


法学研究科の位置づけをまず正確に理解する

慶應の法学系大学院には、大きく分けて2つあります。

  • 法学研究科(修士・博士)
  • 法務研究科(法科大学院)

今回扱うのは、前者の法学研究科です。

法学研究科で見られているのは、

  • 判例や条文をどれだけ知っているか
    ではなく
  • 法学として研究できるか

という点です。


法学研究科入試の基本構造

法学研究科の入試は、研究科・専攻ごとに実施され、
共通テストは存在しません。

評価は、主に次の3つで構成されています。

  1. 出願書類
  2. 筆記試験
  3. 面接試験

そして結論から言います。

この中で最も重要なのは、出願書類です。


出願書類が果たす役割

法学研究科の出願書類は、

  • 志望理由書
  • 研究計画書
  • 成績証明書

などで構成されます。

この中でも特に重要なのが、研究計画書です。

教員が見ているのは、

この人は、
法学的に「問い」を立てられるか
修士研究として成立するか

という点です。

書類の段階で評価が低いと、
筆記・面接で挽回することはほぼありません。


筆記試験の位置づけを誤解しない

法学研究科の筆記試験について、

  • 難しい論文問題
  • 専門知識勝負

というイメージを持つ人が多いですが、
本質は少し違います。

筆記試験は、

法学的思考ができるかの確認

です。

  • 条文や判例を暗記しているか
    ではなく
  • それを使って、
    論理的に考えられるか

が見られています。


面接は「研究者面談」

法学研究科の面接は、
就職面接とはまったく異なります。

教授たちは、次の点を確認しています。

  • この研究テーマは指導可能か
  • 修士2年でまとめられるか
  • 研究室に受け入れて問題ないか

つまり面接は、

研究者同士の確認作業

に近いものです。


法学研究科の評価構造を一言で言うと

ここまでを整理すると、
法学研究科の入試評価構造は次のようになります。

  • 書類:研究の設計力を見る
  • 筆記:法学的思考の基礎を見る
  • 面接:研究を続けられるかを見る

この3つが同じ方向を向いているかが、
合否を分けます。


学部入試・ロースクール入試との決定的な違い

法学部入試や法科大学院入試と比べると、
法学研究科入試は性質がまったく異なります。

  • 学部入試:知識・学力の測定
  • ロースクール:実務適性の選抜
  • 法学研究科:研究者適性の選抜

この違いを理解せずに、

  • 司法試験対策の延長
  • 判例暗記型の勉強

をしてしまうと、
評価は噛み合いません。


社会人受験生が特に注意すべき点

社会人受験生の場合、

  • 実務経験
  • 現場感覚

を強みにしたいと考える人が多いです。

しかし法学研究科では、

実務経験そのものは評価対象ではない

という点に注意が必要です。

評価されるのは、

  • 実務経験を
  • 法学的な問いに
  • どう変換できているか

です。


「研究ができそうか」がすべての基準

法学研究科の入試を一言で表すなら、

この人は、研究者として育つか

この一点です。

  • 今どこまでできるか
    ではなく
  • 入学後に伸びるか

が見られています。

そのため、

  • 完成度が多少低くても
  • 方向性が正しければ

十分に評価されます。


まとめ

法学研究科の入試制度と評価構造を整理すると、

  • 最重要は研究計画書
  • 筆記試験は基礎確認
  • 面接は研究継続可能性の確認

という構造です。

ロースクール的発想や、
学部入試の延長で考えると、
評価は必ずズレます。

次回は、
法学研究科の専攻別試験内容一覧と対策の考え方
を解説します。

ここで、
「自分はどの専攻をどう狙うべきか」が
具体的に見えてきます。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。