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今回のテーマは
理工学研究科の先行研究整理で見られている視点です。

理工学研究科の研究計画書において、
先行研究の整理は「ちゃんと調べているか」を示すための項目だと
誤解されがちです。

しかし実際には、
知識量ではなく、研究者としての視点があるかどうか
が厳しく見られています。


1. 論文を並べただけでは評価されない理由

不合格になりやすい研究計画書の先行研究欄には、
次のような特徴があります。

  • 論文が年代順に並んでいる
  • 各論文の要約が続いている
  • 「〇〇らは△△を示した」という説明の連続

一見すると調査量は多く、真面目に見えます。
しかし、理工学研究科ではこれだけでは評価されません。

なぜなら、

「それらの研究から、何が分かるのか」
「どこに問題が残っているのか」

が示されていないからです。


2. 理工学研究科が見ているのは「整理の仕方」

理工学研究科の教員が先行研究欄で見ているのは、

  • どの視点で研究を分類しているか
  • 何を重要だと判断しているか
  • どこに限界を見出しているか

という、研究の読み取り方そのものです。

つまり先行研究整理は、
「知っているか」ではなく
「どう読んでいるか」を示すパートです。


3. 技術史・研究史として整理できているか

評価される先行研究整理では、
個々の論文紹介よりも、

  • 研究分野がどのように発展してきたか
  • どの段階で何が解決され
  • 現在どこで行き詰まっているか

といった、研究史としての流れが意識されています。

この流れが示されることで、
自分の研究がどこに位置づくのかが明確になります。


4. 理工系レビューの正解構造

理工学研究科で評価されやすい先行研究整理は、
次の構造を持っています。

  1. 研究分野全体の大きな流れを示す
  2. 主流となっているアプローチを整理する
  3. それぞれの成果と限界を対比する
  4. 未解決の課題を浮かび上がらせる

このとき重要なのは、
すべてを平等に扱わないことです。

自分の研究に直結する研究ほど丁寧に、
そうでないものは簡潔に扱うことで、
研究視点の軸が伝わります。


5. 先行研究整理が弱い人の共通点

先行研究整理でつまずく人には、
次のような共通点があります。

  • 読んだ論文をすべて入れようとする
  • 批判や限界の指摘を避けてしまう
  • 自分の研究との関係が書けていない

しかし研究計画書において、
先行研究は「敬意を払って並べるもの」ではなく、
自分の研究を成立させるために整理するものです。


6. 先行研究が整理できると研究計画全体が締まる

先行研究整理がうまくいくと、

  • 研究課題の必然性が明確になる
  • 研究テーマが自然につながる
  • 面接での説明に一貫性が出る

という効果があります。

逆にここが弱いと、
研究計画全体が「思いつき」に見えてしまいます。


まとめ 先行研究整理は「研究者の視点」を示す場

理工学研究科の院試において、
先行研究整理は単なる準備作業ではありません。

  • 研究分野をどう理解しているか
  • どこに問題意識を持っているか
  • どんな問いを立てようとしているか

これらを一気に示す、
研究計画書の要となるパートです。

論文を集めることよりも、
どう整理し、どう位置づけるか
そこに評価の差が生まれます。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。