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今回のテーマは、社会学研究科で求められる学生像とは何かです。
社会学研究科は「何ができる人」を選んでいるのか
社会学研究科の受験を考えるとき、
多くの人がこう思います。
- 社会問題に関心があればいい
- 発想が柔らかい人が向いている
- 正解がない分、自由に評価される
しかし、実際の評価は
そこまで曖昧ではありません。
社会学研究科には、
はっきりとした「求める学生像」があります。
それを理解せずに準備をすると、
熱意はあるのに評価されない
という状態に陥ります。
社会学研究科が見ているのは「関心」ではない
まず、最も重要な前提から整理します。
社会学研究科が評価しているのは、
- 社会への関心の強さ
- 問題意識の大きさ
ではありません。
評価の中心にあるのは、
その関心を、
社会学の研究として扱えるか
という一点です。
社会学研究科で求められる学生像を一言で言うと
社会学研究科が求めているのは、
「問いを立て、方法で考え続けられる人」
- 答えを持っている人
ではなく - 考え続けられる人
ここが、学部入試や就職活動との
決定的な違いです。
求められる学生像①「問いを自分で作れる」
社会学研究科では、
- 与えられた課題に答える力
よりも - 自分で問いを立てる力
が重視されます。
ここでいう「問い」とは、
- 社会的に大きな問題
ではなく - 研究として扱える疑問
です。
評価されにくい例
- この問題は重要だと思う
- 社会的に解決すべきだ
これは「意見」であり、
研究の問いではありません。
評価される例
- なぜこの現象は
この条件下で起きているのか - 既存研究では
どこが十分に説明されていないのか
このレベルまで落とし込めていると、
評価が安定します。
求められる学生像②「関心と研究を切り分けられる」
社会学研究科では、
- 関心が強すぎる
- 当事者意識が前に出すぎる
と、かえって評価が下がることがあります。
なぜなら、
研究は距離を取る作業
だからです。
評価されるのは、
- 関心を持っている
- しかし、一歩引いて分析できる
このバランスです。
求められる学生像③「方法を理解しようとする姿勢」
社会学研究科では、
- インタビュー
- アンケート
- 文献分析
といった方法が多く使われます。
ただし重要なのは、
方法を知っているか
ではなく
方法の意味を理解しているか
- なぜその方法なのか
- 何が分かり、何が分からないのか
これを説明できる姿勢が求められます。
求められる学生像④「範囲を絞れる」
社会学研究科の不合格者に多いのが、
- テーマが広すぎる
- 何でも扱おうとする
という状態です。
一方、合格者は、
- 対象
- 時期
- 視点
をかなり意識的に絞っています。
これは、
能力が低いからではなく
研究が成立することを理解している
からです。
求められる学生像⑤「未完成であることを自覚している」
意外に思われるかもしれませんが、
社会学研究科では、
- 完成された研究
- 結論が固まった主張
は必須ではありません。
むしろ、
- まだ分からない点
- 今後詰めるべき課題
を自覚し、説明できる人の方が
高く評価されます。
これは、
研究がこれから進むことを前提にしている
姿勢だからです。
面接で「学生像」はどう見られているか
面接では、
直接「どんな学生が欲しいか」を
聞かれることはありません。
しかし、次の点から
学生像は確実に見られています。
- 質問にどう答えるか
- どこで立ち止まるか
- 分からないことをどう扱うか
ここで、
- 無理に答えを作る
- 断定的に話す
と、
研究者として危うい
と判断されます。
社会学研究科で評価されにくいタイプ
ここで、
評価されにくいタイプも整理しておきます。
- 社会活動の実績だけを語る人
- 意見を強く主張する人
- 「正しさ」を前面に出す人
これらは、
研究より主張が前に出ている
と受け取られやすいです。
社会人受験生に期待されていること
社会人受験生の場合、
期待されているのは、
- 実務経験そのもの
ではなく - 経験を相対化する視点
- 自分の経験を
- 研究対象として見られるか
ここができる社会人は、
社会学研究科で高く評価されます。
社会学研究科が「一番嫌う状態」
最後に、
社会学研究科が最も警戒する状態を
はっきり伝えます。
それは、
答えを持っているつもりの人
- もう結論がある
- 正解が分かっている
この姿勢は、
研究の余地がない
と判断されます。
まとめ
社会学研究科で求められる学生像は、
- 強い関心を持ちつつ
- 問いに変換でき
- 方法を理解し
- 範囲を絞り
- 未完成であることを自覚している
このような人です。
社会学研究科は、
「正しい人」ではなく、
「考え続けられる人」を選びます。
次回は、社会学研究科の筆記試験・小論文は何を見ているのか
を解説します。
ここで、
試験対策の考え方を
一段具体化していきます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


