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今回のテーマは、社会学研究科で評価される研究テーマの作り方です。
社会学研究科で一番多い失敗は「テーマは面白いのに落ちる」
社会学研究科の受験で、
非常によくあるケースがあります。
- テーマ自体は興味深い
- 社会的にも意義がありそう
- 話を聞くと「確かに大事」
それでも結果は不合格。
このとき評価側が感じているのは、
「面白いが、研究になっていない」
という違和感です。
社会学研究科では、
テーマの良し悪し=関心の強さではありません。
社会学研究科における「研究テーマ」とは何か
まず定義をはっきりさせます。
社会学研究科でいう研究テーマとは、
「社会現象を、
特定の視点・条件・方法で問い直す枠組み」
です。
- 大きな社会問題
- 個人的な関心
そのままでは、研究テーマにはなりません。
テーマ設定でまずやるべきこと
社会学研究科のテーマ設定で、
最初にやるべきことは一つです。
「何がまだ分かっていないのか」を探す
です。
ここで大事なのは、
- 何が問題か
ではなく、
- 何が未解明か
という視点です。
ここが研究テーマの出発点になります。
NGになりやすいテーマ設定①「社会問題そのもの」
不合格者に非常に多いテーマがこれです。
- 若者の貧困
- ジェンダー不平等
- メディアの影響
これらはすべて「社会問題」であって、
研究テーマではありません。
評価されるためには、
- どの側面を
- どの条件で
- どう捉えるのか
まで落とし込む必要があります。
NG②「何でも扱おうとする」
- 日本社会における〇〇
- 現代社会全体の△△
こうしたテーマは、
ほぼ確実に評価が下がります。
理由は単純です。
修士論文として終わらない
からです。
社会学研究科では、
書き切れるテーマかどうか
が、非常に重視されます。
評価されるテーマ①「範囲が狭い」
意外に思われるかもしれませんが、
社会学研究科では、
テーマが狭いほど評価が安定
します。
- 地域
- 時期
- 対象
これらが限定されているテーマは、
- 調査可能
- 分析可能
- 論文化可能
と判断されます。
評価されるテーマ②「既存研究とのズレがある」
評価される研究テーマは、
- まったく新しい
- 誰も扱っていない
必要はありません。
重要なのは、
既存研究では十分に説明されていない点
を、
自分の言葉で説明できるかです。
- 前提にされている点
- 見落とされている条件
ここに着目できるテーマは、
高く評価されます。
評価されるテーマ③「方法が最初から想定されている」
社会学研究科では、
- 問い
- 方法
が最初から結びついているテーマが、
非常に評価されます。
- インタビューでなければ見えない
- 質的分析が適している
- 文献比較が有効
この対応関係があると、
研究として成立している
と判断されます。
テーマ設定の正しい手順
社会学研究科のテーマ設定は、
次の順序で進めると安定します。
- 関心のある社会現象を挙げる
- 先行研究をざっと確認する
- 既存研究の前提・限界を探す
- 範囲を意図的に狭める
- 方法との対応を考える
この手順を踏むと、
- 面白い
- かつ研究になる
テーマが見えてきます。
社会人受験生のテーマ設定で多い失敗
社会人受験生に多いのが、
- 自分の経験をそのままテーマにする
というパターンです。
しかし評価されるのは、
経験を対象化できているか
です。
つまり、
- 自分はどう感じたか
ではなく、
- その経験は、社会学的に何を示しているのか
ここまで引き上げる必要があります。
面接で「良いテーマ」に見える条件
面接で評価されるテーマには、
次の特徴があります。
- 一文で説明できる
- なぜそれをやるのかが明確
- 「それはなぜ?」に耐えられる
逆に、
- 話すたびに内容が変わる
- 説明が長くなる
テーマは、
まだ整理されていない可能性が高いです。
テーマは「完成させるもの」ではない
最後に、非常に大切なことを伝えます。
社会学研究科の研究テーマは、
受験時点で完成している必要はありません。
むしろ、
- まだ仮説段階
- これから深める余地がある
この状態の方が、
研究として健全です。
重要なのは、
研究として育てられるテーマか
という一点です。
まとめ
社会学研究科で評価される研究テーマは、
- 社会問題そのものではなく
- 研究として問い直され
- 範囲が限定され
- 方法と結びついている
この条件を満たしています。
テーマ設定は、
社会学研究科受験の最重要工程です。
次回は、
社会学研究科の先行研究レビューで見られている視点
を解説します。
ここで、
「文献をどう読めば評価につながるか」を
具体的に整理します。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


