院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは、社会学研究科の入試制度と評価構造を完全整理です。


社会学研究科は「自由そう」で一番誤解されやすい

社会学研究科に対して、多くの受験生が次のような印象を持っています。

  • テーマの自由度が高そう
  • 興味関心が重視されそう
  • 法学や経済より厳しくなさそう

しかし、これは半分正しく、半分間違いです。

確かに社会学研究科はテーマの幅が広く、
扱える対象も多様です。

ただしその分、

「研究として成立しているか」

という点が、
他研究科以上にシビアに見られます。


社会学研究科の入試は「研究設計の精度」を見る試験

まず押さえておきたい大前提があります。

社会学研究科の入試は、

  • 知識量
  • 暗記力
  • 学部成績

を直接競う試験ではありません。

評価の中心は一貫して、

その関心は、社会学の研究になるか

という一点です。

この判断は、

  • 出願書類
  • 筆記・小論文
  • 面接

すべてに貫かれています。


社会学研究科の入試構造(全体像)

社会学研究科の入試は、
以下の要素を組み合わせた総合評価です。

  • 出願書類
    • 研究計画書
    • 志望理由書
  • 筆記試験・小論文
  • 面接試験

ここで重要なのは、

どれか一つで逆転できない

という点です。

特に社会学研究科では、
研究計画書の完成度が低いと、
他で挽回することはほぼ不可能
です。


社会学研究科における「出願書類」の重み

社会学研究科では、
出願書類の比重が非常に高くなります。

理由は明確です。

社会学は、

  • 扱うテーマが多様
  • 方法論も複数ある

ため、

書類を見ないと
何をやりたいのか分からない

からです。

評価されるのは、

  • 面白そうか
    ではなく
  • 研究として組み立てられているか

です。


筆記試験・小論文の位置づけ

社会学研究科の筆記・小論文は、

研究的思考ができるか

を確認するための試験です。

次のような点は、中心ではありません。

  • 専門知識の量
  • 細かい用語の正確さ

見られているのは、

  • 問題設定
  • 論点整理
  • 論理の一貫性

です。

つまり、

研究計画書と同じ頭で書けるか

が問われています。


面接は「研究者面談」

社会学研究科の面接も、
就職面接ではありません。

面接で確認されるのは、

  • 研究テーマは本人のものか
  • 調査や分析を理解しているか
  • 研究として続けられそうか

です。

次のような点は、決定打にはなりません。

  • 話し方の上手さ
  • 熱意の強さ

社会学研究科で評価される人の共通点

ここで、評価されやすい受験生の特徴を整理します。

  • 関心と研究を切り分けている
  • 問いが具体化されている
  • 調査方法のイメージがある

逆に言えば、

「社会問題への関心」止まり

の状態だと、
高評価は得られません。


よくある誤解①「テーマが自由=何でもいい」

社会学研究科で最も多い誤解です。

  • ジェンダー
  • メディア
  • 若者問題

テーマ自体はよくても、

  • なぜそれを研究するのか
  • 何を明らかにするのか

が弱いと、

研究になっていない

と判断されます。


よくある誤解②「調査すれば研究になる」

これも非常に多い失敗です。

  • インタビューしたい
  • アンケートを取りたい

しかし社会学研究科では、

調査は目的ではなく手段

です。

  • どんな問いに
  • どんな方法で迫るのか

が説明できない調査は、
評価されません。


社会学研究科の評価構造を一言で言うと

ここまでを一言でまとめると、

社会学研究科は
「問いを立て、方法で答えられる人」を選ぶ

という入試です。

  • 問いが曖昧
  • 方法が思いつき
  • 範囲が広すぎる

この状態では、
どれだけ関心が深くても通りません。


社会学研究科合格の第一歩は「全体像の理解」

多くの不合格者は、

  • いきなりテーマを考える
  • とりあえず調査を想定する

ところから始めてしまいます。

合格者は逆です。

  • まず評価構造を理解し
  • 何が見られているかを知り
  • そこから設計する

この順序を踏んでいます。


まとめ

社会学研究科の入試制度と評価構造は、

  • 自由そうに見えて
  • 実は非常に構造的

です。

  • 研究計画書を軸に
  • 筆記・面接が連動する

この全体像を理解することが、
社会学研究科合格への最初の一歩です。

次回は、
社会学研究科の専攻・分野別試験内容一覧と対策の考え方
を解説します。

ここで、
「分野ごとの違い」と
「対策の考え方」を整理します。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。