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今回のテーマは、社会学研究科の研究計画書が評価される理由・落ちる理由です。


社会学研究科の合否は、研究計画書でほぼ決まる

社会学研究科の入試において、
最も影響力が大きいのは何か。

結論は明確です。

研究計画書です。

たとえ、

  • 筆記が良くても
  • 面接で話せても

研究計画書の評価が低ければ、
合格は極めて難しくなります。

逆に言えば、
研究計画書の完成度が高ければ、
他が多少弱くても合格圏に入る

それが社会学研究科の特徴です。


なぜ社会学研究科は研究計画書を重視するのか

理由はシンプルです。

社会学研究科は、

  • 扱うテーマが多様
  • 方法論も多様
  • 正解が一つではない

そのため、

研究計画書を読まないと、
その人の研究が分からない

からです。

知識量や経歴ではなく、
研究を組み立てる力を見るために、
研究計画書が最重要資料になります。


評価される研究計画書の共通構造

社会学研究科で評価される研究計画書には、
はっきりした共通点があります。

それは、
「研究の構造が見える」ことです。

具体的には、次の流れが整理されています。

  1. 問題意識(なぜそれが問題か)
  2. 研究課題(何を明らかにするのか)
  3. 先行研究との関係
  4. 研究方法
  5. 研究の射程と限界

この流れが崩れていない計画書は、
安定して評価されます。


評価される理由①「関心が研究に変換されている」

社会学研究科で高評価を受ける計画書は、

  • 社会問題への関心

を、

  • 研究課題に変換

しています。

たとえば、

  • 若者問題に関心がある → NG

ではなく、

  • 既存研究では〇〇として説明されてきたが、
    △△の点が十分に検討されていない → OK

という形で、
問いとして整理されています。


評価される理由②「問いが具体的で限定されている」

評価される研究計画書は、

  • テーマが小さい
  • 視点が限定されている

という特徴を持っています。

これは弱点ではありません。

社会学研究科では、

修士論文として成立するか

が常に見られています。

  • 対象
  • 時期
  • 場所
  • 視点

これらが具体的であればあるほど、
評価は安定します。


評価される理由③「方法が問いと結びついている」

社会学研究科では、

  • インタビュー
  • アンケート
  • 文献分析

といった方法自体は、
評価対象ではありません。

評価されるのは、

なぜその方法なのか

が説明できているかです。

  • 問いに対して
  • その方法で何が分かるのか

この対応関係が明確な計画書は、
高く評価されます。


落ちる理由①「関心の羅列で終わっている」

不合格になる計画書で最も多いのが、
このパターンです。

  • 社会問題への関心
  • 個人的な動機
  • 経験談

が並んでいるが、

研究課題に昇華されていない

状態です。

これは、

  • 熱意はある
  • しかし研究になっていない

と判断されます。


落ちる理由②「問いが広すぎる」

たとえば、

  • 現代社会における〇〇
  • 日本社会の△△

このようなテーマは、
ほぼ確実に評価が下がります。

なぜなら、

修士論文として終わらない

からです。

社会学研究科では、

  • 書き切れるか
  • まとめられるか

が、非常に重要です。


落ちる理由③「調査したいだけになっている」

社会学研究科で特に多い失敗が、

  • インタビューしたい
  • アンケートを取りたい

という方法先行型の計画書です。

しかし、

調査は目的ではなく手段

です。

何を明らかにするための調査なのか
が書かれていないと、評価されません。


落ちる理由④「先行研究が紹介で終わる」

  • 文献名が並んでいる
  • 要約は書いてある

それでも落ちる計画書があります。

理由は、

整理されていない

からです。

  • 研究の対立点
  • 未解決点

が示されていない先行研究レビューは、

読んでいるだけ

と判断されます。


社会学研究科で特に見られる視点

社会学研究科の研究計画書では、
次の点が特に厳しく見られます。

  • 問いと方法の対応
  • 研究範囲の現実性
  • 修士論文への接続

ここが曖昧だと、
評価は一気に下がります。


「完成度」より「研究の方向性」

誤解しないでほしい点があります。

社会学研究科では、

  • 完璧な研究計画
  • すき間のない構成

は必須ではありません。

むしろ評価されるのは、

研究として正しい方向を向いているか

です。

  • 未完成な点を自覚している
  • 今後どう詰めるか見えている

この姿勢は、高く評価されます。


研究計画書は「合格後の設計図」

最後に、最も重要な視点を伝えます。

社会学研究科における研究計画書は、

受験のための作文

ではありません。

入学後の研究設計図

です。

そのため、

  • 実現可能性
  • 指導体制との相性

が、非常に重視されます。


まとめ

社会学研究科の研究計画書が評価される理由は、

  • 関心が問いに変換され
  • 問いと方法が結びつき
  • 修士論文まで見通せている

からです。

逆に落ちる理由は、

  • 関心止まり
  • 方法先行
  • 範囲が広すぎる

このいずれかです。

研究計画書は、
社会学研究科受験の核心です。

次回は、
社会学研究科で評価される研究テーマの作り方
を解説します。

ここで、
「テーマ設定」の具体論に入ります。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。