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今回のテーマは
経営管理研究科の先行研究・理論整理で見られている視点です。
MBA受験生の研究計画書を見ていると、
先行研究・理論整理の部分で、次のような状態に陥っているケースが非常に多く見られます。
- フレームワークをたくさん並べている
- 有名理論の名前が次々と出てくる
- それっぽいが、何をしたい研究なのか分からない
これは知識不足ではなく、
理論整理の「役割」を誤解していることが原因です。
1. MBAの先行研究整理は「勉強量」を示す場ではない
まず大前提として、
経営管理研究科(MBA)の先行研究・理論整理は、
- どれだけ理論を知っているか
- フレームワークを暗記しているか
を示す場ではありません。
評価されているのは、
- どの理論で現象を捉えようとしているのか
- なぜその理論を使うのか
- 他の理論では何が説明しきれないのか
という、理論選択の思考です。
2. フレームワーク列挙型が評価されない理由
MBA受験で非常に多いのが、
- SWOT
- 5 Forces
- VRIO
- バリューチェーン
といったフレームワークを並べる整理です。
しかしこの方法では、
- 理論同士の関係が見えない
- 何を検討したいのか分からない
- 「使っている」だけに見える
という評価になりやすくなります。
理論は、
多く使えば評価されるものではありません。
3. 評価される理論整理は「視点の選択」が明確
評価される先行研究・理論整理には、
次のような特徴があります。
- どの視点で現象を見るかが明確
- なぜその視点が必要なのかが説明されている
- 他の視点との違いが整理されている
たとえば、
- なぜ戦略論ではなく組織論なのか
- なぜ個人レベルではなく制度レベルなのか
といった、選択の理由が書かれています。
4. 理論を「正解」として扱うと評価が下がる
先行研究整理で評価を下げやすいのが、
- 理論を正解として扱う
- 理論で現場を裁断する
という書き方です。
MBAでは、
- 理論は現実を説明するための道具
- 常に限界を持つ
という前提が重視されます。
そのため、
- この理論ではどこまで説明できるか
- どこが説明しきれていないか
という視点が欠けると、
研究としての深みが出ません。
5. 「理論紹介」と「研究レビュー」の違い
多くの受験生がやってしまうのが、
理論の要約や紹介で終わってしまうことです。
一方、研究として評価されるレビューは、
- 理論Aは◯◯を説明してきた
- 理論Bは△△を強調している
- しかし□□については十分に扱われていない
というように、
- 議論の流れ
- 視点の違い
- 空白部分
を整理しています。
ここから、
「そこで本研究では〜を検討する」
という流れにつながるかどうかが、
評価の分かれ目です。
6. 先行研究整理は「問題意識」と直結しているか
先行研究・理論整理は、
独立したパーツではありません。
- 問題意識
- 研究テーマ
- 研究方法
すべてと連動して、
研究計画の背骨になります。
もし、
- 理論整理だけ浮いている
- 問題意識とつながらない
場合は、
その計画書は高確率で評価を落とします。
まとめ MBAの理論整理は「使える理論」を選ぶ力を見る
経営管理研究科(MBA)の先行研究・理論整理で評価されるのは、
- 知識量
- フレームワーク暗記
ではありません。
評価を分けるのは、
自分の問題意識を考えるために、
どの理論を、どのような視点で選び取っているか
という一点です。
理論は飾りではなく、
研究を成立させるための思考装置です。
この意識を持てるかどうかが、
MBA入試での大きな分岐点になります。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


