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今回のテーマは
経営管理研究科における「研究」と「実務・ケースの正しい関係です。
経営管理研究科(MBA)の受験生、とくに社会人経験が豊富な方ほど、
- 実務経験をどう扱えばいいのか分からない
- ケースを書けば研究になると思っていた
- 自社事例を書いたのに評価されなかった
といった壁にぶつかりがちです。
この混乱の原因は、
「実務」「ケース」「研究」の関係を取り違えていること
にあります。
1. MBAにおいて「実務」は研究の代替ではない
まず大前提として、
経営管理研究科で評価されるのは、
- 実務をたくさん経験してきたこと
- 現場で成果を出してきたこと
そのものではありません。
実務経験はあくまで、
- 問題意識の出発点
- 研究対象を見つけるための素材
です。
実務をそのまま提示すると、
- 経験談の共有
- 成功事例の紹介
になってしまい、
研究としての検討対象が見えなくなります。
2. ケースは「研究」ではなく「教材」
MBAで頻繁に使われるケースは、
- 実務を学ぶための教材
- 議論を促すための素材
として設計されています。
そのため、
- ケースを詳しく分析した
- ケースから教訓を導いた
だけでは、
研究にはなりません。
研究として評価されるためには、
- なぜそのケースを選ぶのか
- そのケースで、何を検討したいのか
という、問いの設定が必要です。
3. 自社事例依存型が落ちる理由
MBA受験で非常に多いのが、
- 自社の課題を詳しく書く
- 自分が関わったプロジェクトを分析する
という計画書です。
これが評価されにくい理由は、
- 一般化できない
- 主観が強くなる
- 結論ありきに見える
からです。
評価される研究では、
- 自社は「一つの事例」にすぎない
- 他のケースと比較可能な視点がある
という位置づけが明確です。
4. 実務を研究に変換するための視点
実務を研究に変換するには、
次のような視点が必要になります。
- 現場で当たり前とされている前提は何か
- なぜその判断が合理的と考えられているのか
- 既存理論では、その現象をどう説明しているのか
つまり、
- 経験を語る
ではなく - 経験を疑う
という姿勢です。
5. 評価される研究は「個別」と「一般」を往復する
経営管理研究科で評価される研究は、
- 個別事例(実務・ケース)
と - 一般的な理論・枠組み
を行き来しています。
一方で評価が下がりやすいのは、
- 個別事例に閉じる
- 理論だけで語る
どちらかに偏っている場合です。
実務は入口、研究は構造化
この関係が成立しているかが重要です。
6. MBAで見られているのは「実務をどう距離化できるか」
MBA受験で本当に見られているのは、
- 実務経験の多さ
ではなく - 実務経験から距離を取れるか
という点です。
自分の経験を、
- いったん脇に置き
- 外から眺め
- 別の説明が可能か考える
この姿勢があるかどうかが、
研究者としての適性を示します。
まとめ MBAの研究は「経験を材料にして考え直すこと」
経営管理研究科(MBA)における研究とは、
- 実務を披露すること
- ケースを解説すること
ではありません。
研究とは、
実務やケースを材料にして、
経営現象をどう考え直すか
という行為です。
自分の経験に寄りかかりすぎず、
一歩引いて問い直す。
この姿勢こそが、MBA入試で最も強く評価されます。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


