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今回のテーマは、経済学研究科とは何を研究する場所なのか、です。
「経済学研究科=就職に有利」という誤解
経済学研究科を検討している人の多くが、次のように考えます。
- 経済学なら就職に強そう
- 学部経済の延長で何とかなる
- 数学ができれば評価される
しかし、これは大学院経済学の本質を捉えていません。
経済学研究科は、経済を「理解する」場所ではなく、経済を「研究として扱う」場所です。
学部経済と大学院経済の決定的な違い
学部では理論やモデルを学びますが、大学院では次が問われます。
- 理論の前提は何か
- 既存モデルの限界はどこか
- どの変数を扱うべきか
つまり、問いの立て方そのものが評価対象になります。
経済学研究科の研究は大きく3タイプ
① 理論系
- 数理モデルを用いた分析
- 前提条件の整理
- 均衡・最適化の議論
数学は手段であり、目的ではありません。
② 実証系
- データ分析
- 計量経済学
- 因果関係の検証
重要なのは、何を検証したいかです。
③ 政策・応用系
- 制度分析
- 政策評価
- 現実問題への応用
意見や提言だけでは研究になりません。
どのタイプかは入試前から見られている
教員は出願書類の段階で、理論・実証・応用のどこに立つのかを見ています。
自分の立ち位置を明確に示せるかが重要です。
経済学研究科が求めているのは「研究者予備軍」
評価されるのは次の3点です。
- なぜその問題を研究するのか
- 既存研究とどう関係するのか
- どの方法で迫るのか
社会人にとっての経済学研究科
実務経験は強みになりますが、そのままでは研究になりません。
実務を学術的な問いに変換できるかが評価の分かれ目です。
経済学研究科は抽象度の高い世界
モデル・仮定・数式を扱いますが、重要なのは
なぜそこまで抽象化するのかを説明できることです。
「経済に詳しい人」では足りない
求められるのは、
- 経済を対象化する力
- 問題を仮説に落とす力
- 検証枠組みを考える力
受験前に確認すべきこと
- 理論・実証・応用のどれを志向するか
- 数学・統計とどう向き合うか
- 研究として何を明らかにしたいのか
まとめ
経済学研究科は、経済を学ぶ場所ではなく、経済を研究として扱う場所です。
問いを立て、方法を選び、研究として説明できるかどうかが評価の中心になります。
次回は「経済学研究科の入試制度と評価構造」を解説します。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


