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今回のテーマは経済学研究科における指導教員の選び方と注意点です。


「誰に教わるか」で研究人生はほぼ決まる

経済学研究科を受験する段階で、
多くの人がこう考えています。

  • まずは合格することが大事
  • 指導教員は入ってから考えればいい
  • 有名な先生が良さそう

しかし、これはかなり危険な発想です。

結論から言います。

経済学研究科では、
「どの指導教員を想定しているか」で、
合否も入学後の研究も大きく変わります。


指導教員選びは「相性」ではなく「構造」

指導教員選びというと、

  • 優しそう
  • 話しやすそう
  • フィーリングが合う

といった「相性」を重視しがちです。

もちろん人間関係は重要ですが、
経済学研究科で最優先すべきなのは、

研究テーマ・方法・研究文化が合っているか

という構造的な一致です。


経済学研究科における指導教員の役割

まず理解しておいてほしいのは、
経済学研究科の指導教員は、

  • 何でも教えてくれる存在
    ではありません。

むしろ、

  • 研究の方向性を確認し
  • 方法の妥当性をチェックし
  • 必要な修正を指摘する

という、研究の伴走者です。

  • テーマを一から一緒に考える
  • 代わりに答えを出す

という役割ではありません。


指導教員選びでまず見るべき3点

経済学研究科で指導教員を選ぶ際、
必ず確認すべきポイントがあります。

① 研究分野が一致しているか

  • マクロか
  • ミクロか
  • 計量か
  • 応用・政策か

ここがズレていると、
どれだけ有名な教員でも指導は受けられません。


② 方法論が合っているか

  • 理論モデル中心か
  • 実証分析中心か
  • データ志向か

自分の研究計画と、
教員の方法論が噛み合っているかが重要です。


③ 最近の研究テーマを確認しているか

  • 昔の代表論文
    だけで判断するのは危険です。
  • 直近の論文
  • 最近の関心分野

を確認しないと、

今はそのテーマを見ていない

というケースもあります。


「有名な先生」を選ぶリスク

よくある勘違いが、

有名な先生の下につけば安心

という発想です。

しかし実際には、

  • 指導が厳しい
  • 放任型
  • 修士学生をあまり取らない

といったケースもあります。

重要なのは知名度ではなく、
修士研究をどれだけ見ているか
です。


落ちやすい指導教員選びのパターン

経済学研究科で、
評価を下げやすい選び方があります。

  • テーマと教員の専門がズレている
  • 複数教員を想定せず一本釣り
  • 名前だけで選んでいる

研究計画書で、

「〇〇先生の下で学びたい」

と書いていても、

  • 研究内容が合っていない

場合、
逆効果になることもあります。


指導教員は「一人」に絞らなくていい

意外に知られていませんが、

  • 第一希望
  • 第二希望

のように、
複数教員を想定している方が自然です。

むしろ、

この研究は、
この分野の先生方の指導対象になる

という示し方の方が、
研究として安定して見えます。


研究計画書と指導教員の関係

経済学研究科では、

  • 指導教員名を書くこと
    自体よりも
  • その教員の研究と計画がどう接続しているか

が見られます。

  • 理論の系譜
  • 使用するモデル
  • データの種類

このあたりが一致していれば、
「この研究は受け入れ可能」と判断されます。


事前相談・研究室訪問の考え方

経済学研究科でも、

  • 事前相談
  • 研究室訪問

は行われていますが、必須ではありません。

ただし、

  • テーマが特殊
  • 数学・統計レベルが不安
  • 専門外からの進学

といった場合、
確認目的での相談は有効です。

重要なのは、

  • 指導をお願いする場
    ではなく
  • 研究の方向性を確認する場

だと理解することです。


社会人受験生が特に注意すべき点

社会人の場合、

  • 実務寄りテーマ
    を選びやすいですが、
  • 教員側が
    その分野を研究対象としているか

は、必ず確認してください。

  • 実務経験がある
    = 指導できる
    ではありません。

指導教員選びは「合格後」を見据える

最後に、最も重要な視点を伝えます。

指導教員選びは、

  • 合格のため
    だけでなく
  • 修士2年間をどう過ごすか

を決める行為です。

  • 研究が進むか
  • 行き詰まるか
  • 修士論文が書けるか

その多くは、
指導教員との関係で決まります。


まとめ

経済学研究科における指導教員選びでは、

  • 有名かどうか
    ではなく
  • 研究テーマ・方法・文化の一致

が最重要です。

  • 研究内容が合っているか
  • 最近の関心分野を見ているか
  • 修士研究を受け入れているか

この3点を押さえるだけで、
研究計画書の説得力は大きく上がります。

次回は、
経済学研究科の研究室訪問・事前相談はどこまで必要か
を解説します。

ここで、
「行くべき人・行かなくていい人」の線引きを明確にします。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。