院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは
経済学研究科の研究室訪問・事前相談はどこまで必要か
です。


「研究室訪問はしないと不利ですか?」という不安

経済学研究科を目指す受験生から、非常によく聞かれる質問があります。

  • 研究室訪問は必須ですか
  • 事前相談しないと落ちますか
  • 行った方が評価されますか

この質問が出る背景には、

行かないとマイナス評価になるのではないか

という不安があります。

結論から言います。

経済学研究科において、
研究室訪問・事前相談は「必須ではないが、使い方を間違えると逆効果」

です。


まず大前提:訪問しなくても合格する人は多い

重要な事実として、

  • 研究室訪問をしていない
  • 事前相談もしていない

それでも、経済学研究科に合格している人は、毎年一定数います。

つまり、

研究室訪問をしない=不合格

ではありません。

この前提を知らないまま行動すると、

  • 焦ってアポを取る
  • 準備不足のまま相談する

という、一番避けたい行動につながります。


経済学研究科における研究室訪問の本当の目的

経済学研究科で研究室訪問・事前相談を行う目的は、

  • 顔を覚えてもらう
  • 熱意を伝える

ことではありません。

本当の目的は、次の2点です。

  1. 自分の研究テーマが、その教員の指導範囲に入るか
  2. 研究の方向性・方法が、大きくズレていないか

つまり、
「確認」と「調整」のための場です。


教員は訪問者をどう見ているのか

研究室訪問に来た学生を、
教員は次の視点で見ています。

  • この研究は、自分の専門で見られるか
  • 修士研究として成立しそうか
  • 指導負担が過度にならないか

評価というより、

受け入れ可能かどうかの確認

に近いものです。

そのため、

  • 研究テーマが曖昧
  • 方法が決まっていない
  • 相談内容が整理されていない

状態で訪問すると、

この段階では、まだ早いですね

と言われる可能性が高くなります。


研究室訪問が「有効になりやすい人」

経済学研究科で、
研究室訪問がプラスに働きやすいのは、次のような人です。

  • 研究テーマがある程度固まっている
  • 理論・実証・応用の方向が決まっている
  • 指導教員候補を絞りたい

この場合、訪問によって、

  • テーマの修正点
  • 方法の妥当性
  • 志望理由の精度

が、一段階上がります。


研究室訪問が「不要になりやすい人」

一方で、次のような人は、
無理に研究室訪問をする必要はありません。

  • 研究テーマがまだ抽象的
  • 文献をほとんど読んでいない
  • 数学・計量の準備が不足している

この段階で訪問しても、

  • 一般論しか返ってこない
  • かえって不安が増す

という結果になりやすいです。


経済学研究科特有の注意点①「数学・計量レベル」

経済学研究科の事前相談では、

  • 数学
  • 計量経済学

について、間接的に確認されることがあります。

  • どのモデルを想定しているか
  • どの程度の分析を考えているか

ここが説明できないと、

研究以前の準備が必要

と判断されることがあります。


経済学研究科特有の注意点②「テーマの実現可能性」

経済学研究科では特に、

  • データは入手可能か
  • 修士2年で終わるか

が重視されます。

事前相談では、

そのデータ、本当に使えますか
分析量が多すぎませんか

といった指摘を受けることもあります。

これは否定ではなく、
研究を現実に落とすための確認です。


事前相談で「やってはいけないこと」

経済学研究科の事前相談で、
特に避けるべき行動があります。

① 合否に影響すると思い込む

  • 行けば有利
  • 行かないと不利

これは誤解です。

② 指導を前提に話す

  • ご指導いただけますか
  • 入学後はお願いします

入試前に、指導は約束されません。

③ 研究計画が白紙

  • 一緒にテーマを考えてほしい

これは、最も評価を下げます。


正しい事前相談の進め方

有効な事前相談には、共通点があります。

  • 研究テーマを簡潔に説明できる
  • 使用する理論・方法が見えている
  • 確認したい点が明確

たとえば、

この問い設定は、
実証研究として成立しそうでしょうか

といった、
確認型の質問が望ましいです。


メール連絡で意識すべきポイント

事前相談のメールでは、

  • 長文にしない
  • 志望理由を書かない
  • 研究内容を中心にする

ことが重要です。

教員が知りたいのは、
研究の中身だけです。


社会人受験生の場合の考え方

社会人受験生は、

  • ブランク
  • 数学・計量への不安

を感じやすいですが、

  • 研究の方向性確認
  • 実現可能性チェック

という意味で、
事前相談が有効になるケースもあります。

ただし、

相談で弱点を補おう

という発想は危険です。


研究室訪問は「補助輪」にすぎない

最後に、最も大切な視点を伝えます。

経済学研究科における研究室訪問・事前相談は、

  • 合格の決定打
    ではなく
  • 準備を補助する手段

です。

  • 研究計画書の完成度
  • 筆記試験の基礎力

これらの代わりにはなりません。


まとめ

経済学研究科の研究室訪問・事前相談は、

  • 必須ではない
  • ただし、使い方次第で非常に有効

という位置づけです。

  • 準備が整っている人にはプラス
  • 整っていない人にはリスク

この見極めが、
受験戦略として非常に重要になります。

次回は、
経済学研究科の面接で必ず聞かれる質問と意図
を解説します。

ここから、面接対策の核心に入ります。


志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。