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今回のテーマは
薬学研究科の先行研究整理で見られている視点です。

薬学研究科の研究計画書で、
多くの受験生が「ちゃんと書いたはずなのに評価されない」と感じるのが、
先行研究整理の部分です。

  • 論文はたくさん読んだ
  • 有名誌の論文も引用している
  • 研究背景は詳しく書いた

それでも評価が伸びないのは、
先行研究の「役割」を取り違えていることが原因です。


1. 先行研究整理は「勉強量」を示す場所ではない

まず押さえておきたい前提があります。

薬学研究科の先行研究整理は、

  • 何本論文を読んだか
  • 有名な研究を知っているか

をアピールする場所ではありません。

評価されているのは、

  • この分野で何が分かっていて
  • 何がまだ分かっていないのか
  • だから自分は何を検討するのか

という、研究の位置づけです。


2. 論文要約型レビューが評価されない理由

落ちる研究計画書で非常に多いのが、

  • 論文Aは◯◯を明らかにした
  • 論文Bは△△を示した
  • 論文Cでは□□が報告されている

といった、論文紹介の羅列です。

この形では、

  • 研究分野の構造が見えない
  • 研究間の関係が分からない
  • 自分の研究の位置が不明

という評価になりやすくなります。


3. 評価される先行研究整理の基本構造

薬学研究科で評価される先行研究整理は、
必ず次のような構造を持っています。

  • 研究分野Aでは、◯◯が主に検討されてきた
  • 研究分野Bでは、△△の視点が強調されている
  • しかし、□□については十分に整理されていない

このように、

  • 分野や視点ごとに整理し
  • 議論の流れを示し
  • 空白やズレを指摘する

ことができているかが重要です。


4. 薬学研究科特有の「レビューのズレ」

薬学研究科では、
次のような先行研究整理のズレが特に多く見られます。

  • 実験条件や結果の違いばかりに注目する
  • 手法の新旧で整理してしまう
  • 技術進歩の説明で終わる

これらは重要な情報ではありますが、
研究課題の整理そのものではありません。

評価されるのは、

  • 何が論点として議論されてきたのか
  • どこで解釈が分かれているのか

という、研究史的な整理です。


5. 「自分の研究はどこに入るのか」を示せているか

先行研究整理で最も重要なのは、
次の一文につながっているかどうかです。

「これらの研究を踏まえ、本研究では◯◯を検討する」

この一文が自然につながらない場合、
先行研究整理は「背景説明」で終わってしまっています。

評価される計画書では、

  • 先行研究 → 研究課題 → 自分の研究

が、一本の線で結ばれています。


6. 先行研究整理は研究計画の「背骨」

薬学研究科において、
先行研究整理は独立したパーツではありません。

  • 研究テーマ
  • 研究の問い
  • 研究方法

すべてと連動して、
研究計画全体を支える背骨になります。

そのため、

  • 後で付け足す
  • 形式的に整える

という扱いをすると、
計画全体の説得力が一気に落ちてしまいます。


まとめ 先行研究整理は「引用」ではなく「位置づけ」

薬学研究科の先行研究整理で評価されるのは、

  • 論文数
  • 専門知識の量

ではありません。

評価を分けるのは、

自分の研究が、既存研究のどこに位置づくのかを説明できているか

という一点です。

先行研究整理は、
知識披露ではなく、
研究計画を成立させるための論理的土台だという視点を持つことが重要です。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。