院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは経済学研究科受験の失敗パターンと合格者の共通点です。
「あと一歩で落ちる人」が一番多い研究科
経済学研究科は、
「明らかに準備不足な人」よりも、
- 勉強はしている
- 数学もそれなり
- 研究計画も書いている
それでも落ちる人が多い研究科です。
つまり、合否を分けているのは、
能力差ではなく、設計差
です。
第76回からここまで積み上げてきた内容を踏まえ、
この最終回では、
- 失敗する人が必ず踏んでいるパターン
- 合格する人に共通する考え方
を整理します。
失敗パターン①「経済学研究科=学力勝負だと思っている」
最も多く、最も致命的な失敗です。
- 数学を仕上げればいける
- 筆記試験で点を取れば逆転できる
- 研究計画は形だけ整えればいい
この発想のまま受験すると、
ほぼ確実に評価が伸びません。
経済学研究科の入試は、
学力確認 × 研究者適性の選抜
です。
筆記が強くても、研究が弱ければ落ちる。
これを最後まで理解できない人は、
合格ラインに届きません。
失敗パターン②「テーマは良いが、研究になっていない」
次に多いのがこのタイプです。
- 社会的に重要
- 現実的な問題意識
- 話すと「なるほど」と言われる
しかし、
- 問いが曖昧
- 検証可能性が弱い
- 方法が後付け
この状態では、
経済学研究科では評価されません。
経済学研究科が見ているのは、
問題意識ではなく、問いの構造
です。
失敗パターン③「研究計画書と試験・面接が分断されている」
これは本人が気づきにくい失敗です。
- 研究計画書は立派
- 筆記試験は別物
- 面接では違う話をしている
こうなると、
この人は、自分の研究を理解していない
と判断されます。
経済学研究科では、
- 研究計画
- 筆記
- 面接
すべてが一本の線でつながっているか
が見られています。
失敗パターン④「指導教員・研究環境を見ていない」
- 有名だから
- 名前を聞いたことがあるから
という理由で教員を挙げる人は、
高確率で評価を落とします。
経済学研究科では、
その研究が、この環境で成立するか
が最重要です。
- 分野
- 方法
- 最近の研究関心
ここを見ずに書かれた計画書は、
どれだけ内容が良くても不安定に見えます。
失敗パターン⑤「併願で軸がブレている」
併願そのものが問題なのではありません。
問題なのは、
- 大学ごとにテーマが変わる
- 方法が一貫していない
- 志望理由が場当たり的
状態です。
経済学研究科では、
この人は、何を研究したい人なのか
が最後まで分からないと、
評価は上がりません。
合格者の共通点①「完璧ではないが、方向が正しい」
合格者の多くは、
- 数学が完璧
- モデルが高度
というタイプではありません。
共通しているのは、
- 問いが明確
- 方法が妥当
- 修士2年で終わる
という、研究としての健全さです。
経済学研究科では、
伸びる可能性があるか
が何より重視されます。
合格者の共通点②「自分の弱点を理解している」
合格者は、面接でも書類でも、
- できないこと
- 課題になりそうな点
を把握しています。
そして、
どう補うか
どう改善するか
を説明できます。
これは、
- 研究者として誠実
- 指導しやすい
という、非常に大きなプラス評価になります。
合格者の共通点③「研究計画がすべての軸になっている」
合格者は、
- 筆記対策
- 英語対策
- 面接対策
すべてを、
研究計画を通すための準備
として位置づけています。
そのため、
- 話がブレない
- 説明が一貫している
- 面接で深掘りされても耐えられる
状態になっています。
合格者の共通点④「時間の使い方が戦略的」
特に社会人合格者に顕著ですが、
- 全部やろうとしない
- 取捨選択が明確
という特徴があります。
- 数学は最低限
- 英語は研究に必要な範囲
- 研究計画に最も時間を使う
優先順位が明確です。
経済学研究科受験の本質
ここまでで伝えてきた
経済学研究科受験の本質は、これです。
経済学研究科の入試は
「才能」ではなく
「研究設計」で決まる
- 問いをどう立てるか
- 方法をどう選ぶか
- 環境とどう接続するか
これらを意識的に設計できた人が、
合格しています。
この記事を読み終えたあなたへ
もし今、
- 何から手をつけるべきか分かった
- 自分の弱点が見えた
- 研究計画を見直したくなった
のであれば、
この連載は目的を果たしています。
次にやるべきことは、
行動に落とすこと
です。
まとめ
経済学研究科受験で、
■落ちる人は
- 学力に寄りすぎ
- 研究が弱く
- 設計が曖昧
■受かる人は
- 問いが明確
- 方法が妥当
- 全体が一貫
この差だけです。
志樹舎
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


