
【教員紹介】Sandra Yu Okita教授|スタンフォード・コロンビアを経て2026年にKMDへ新任
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今回のテーマは「【教員紹介】Sandra Yu Okita教授|スタンフォード・コロンビアを経て2026年にKMDへ新任」です。
KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)教員紹介シリーズの第12回では、2026年度に新たに着任するSandra Yu Okita教授を紹介します。Okita教授は、学習科学、教育工学、認知科学を専門とし、ロボットやXRといった先端技術を教育に取り入れながら、人がどのように学び、考え、他者と協力するのかを研究してきました。
スタンフォード大学やコロンビア大学での研究・教育経験に加え、企業との教育プロジェクトにも携わってきた点が特徴です。教育そのものに関心がある受験生はもちろん、ロボティクスやXRを人間の学びにどう生かすかを研究したい方にとっても、注目したい教員のひとりです。
Sandra Yu Okita教授はどのような研究者なのか

Okita教授の専門分野は、学習科学、教育工学、認知科学です。スタンフォード大学教育学大学院で博士(学習科学)の学位を取得し、その後、コロンビア大学教育学大学院のティーチャーズ・カレッジで准教授を務めてきました。
スタンフォード大学では、学習科学を専門とするDaniel Schwartz教授らのもとで研究を進め、AAA Labの一員として活動した経験を持っています。また、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科でも学んだ経験があり、日本と米国の両方の学術環境に触れながら研究者としてのキャリアを重ねてきました。
2026年4月にKMDへ着任する予定とされており、KMDの教員構成の中でも新しいメンバーのひとりです。海外で培ってきた学習科学の知見と、日本での研究・実践経験をKMDの研究環境にどのようにつなげていくのかが注目されます。
ロボットやXRを使って学習の過程を捉える
Okita教授の研究の中心にあるのは、ロボットやXR環境を利用した協調学習です。単に新しい機器を教育現場に導入するのではなく、人と技術がどのように関われば学びが深まるのかという問いを扱っています。
たとえば、子どもがロボットと関わるとき、そのロボットにどの程度知能があると感じるのか、どのような感情を読み取るのかといった研究があります。ロボット玩具に対する知能の知覚や、感情表現とアニマシーに関する研究は、子どもが人工物を単なる機械ではなく、意思や感情を持つ存在として捉える過程を考えるものです。
また、実際の空間と仮想空間の間でどのように情報を伝えるのか、ロボットを子どもの支援にどのように活用できるのかといったテーマにも取り組んできました。
こうした研究では、技術の性能だけを見るのではなく、その技術に接した人が何を感じ、何を考え、どのような行動をするのかを観察することが重要になります。教育工学と認知科学、ロボティクスなどが重なる研究領域といえるでしょう。
子どもの好奇心や「問う力」を技術でどう支えるか
Okita教授の研究では、先端技術を使って子どもの思考の過程を可視化したり、自己投影を通じて知的好奇心や探究心を育てたりすることも重視されています。
教育にテクノロジーを導入するというと、学習を効率化することが目的だと思われがちです。しかし、学習には正解を早く得ることだけでなく、自分で疑問を持ち、試し、失敗し、もう一度考える過程も含まれます。
ロボットやXRを利用すれば、普段は目に見えない考え方の過程を別の形で表現したり、現実では経験しにくい状況を体験したりすることが可能になります。そこから子ども自身が新しい疑問を持つことも考えられます。
この点は、KMDでこれまで進められてきた身体性メディアや人間拡張の研究とも接点があります。技術によって人の能力を単純に高めるのではなく、人の認知や経験そのものをどのように広げられるのかという問いは、教育分野にも応用できます。
ウーブン・バイ・トヨタで教育の社会実践にも関わる

Okita教授の経歴で特徴的なのが、大学での研究だけでなく、企業と関わりながら教育活動を実践してきた点です。2022年からは、ウーブン・バイ・トヨタ株式会社が進めるウーブンシティの教育プロジェクトにおいて、ものづくり教育やインベンター育成に関する取り組みに携わってきました。
子どもの創造性を育てる研究について論文で考えるだけではなく、実際の教育環境でどのような活動が可能なのかを試してきた経験と捉えることができます。
教育研究では、提案した学習方法が実際の子どもにどのような影響を与えるのかを確かめることが重要です。さらに、学校や企業、地域など複数の関係者と協力しながら実践する場合には、研究上の理想だけでなく、現場で実行できる方法を考える必要もあります。
KMDへの出願を考えている受験生にとっても、「新しい教育を考えたい」という段階から、誰を対象に、どのような場で、何を試し、その結果をどのように評価するのかまで具体化することが研究計画を深めるポイントになります。
INVENTIVプロジェクトと受験生との接点

Okita教授は、KMDのリアルプロジェクト「INVENTIV」に携わっています。記事案では、発明や創造の精神を育む教育というテーマと、Okita教授がこれまで取り組んできたインベンター育成とのつながりが示されています。
教育工学に関心がある方だけでなく、ロボット、XR、AI、ものづくりなどの技術を教育へ応用したい方にとっても、研究テーマとの接点を考えやすい領域です。また、心理学や認知科学、子どもの発達などを学んできた方であれば、人が技術と関わるときの認知や学習の変化から研究テーマを考えることもできます。
研究計画や志望理由を作成する際には、「XRを教育に使いたい」「ロボットを使った授業を作りたい」という技術ありきの説明で終わらないことが大切です。どのような学習上の課題があり、その課題に対してなぜその技術が必要なのかを整理する必要があります。
たとえば、子どもが質問を自分から生み出しにくいという課題があるのであれば、XRやロボットとの対話によってどのように探究行動を促せるのかという形まで具体化できます。面接でも、自分が解決したい教育上の問題と、Okita教授の研究との接点を説明できるようにしておくとよいでしょう。
まとめ
Sandra Yu Okita教授は、スタンフォード大学で学習科学の博士号を取得し、コロンビア大学での教育・研究経験を経て、2026年にKMDへ着任する新任教員です。学習科学、教育工学、認知科学を軸に、ロボットやXRを活用した協調学習や、子どもの知的好奇心、探究心を育てる研究に取り組んできました。
また、ウーブン・バイ・トヨタでの教育プロジェクトにも携わるなど、研究と実際の教育活動を結びつけてきた点も特徴です。KMDのINVENTIVプロジェクトを通じて、今後どのような教育研究が展開されていくのかも注目されます。
KMDへの進学を検討している方で、教育、ロボティクス、XR、認知科学、子どもの創造性などに関心がある場合は、自分が解決したい学習上の課題を具体的に整理してみてください。技術を使うこと自体を目的にせず、誰の学びをどのように変えたいのかを考えることが、研究計画や志望理由、面接の準備にもつながります。
※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、カリキュラム、教員の所属・役職・研究内容、着任時期などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。


