【教員紹介】Matthew Waldman教授|NOOKA創業者としてデザインとビジネスを横断する実践者

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「【教員紹介】Matthew Waldman教授|NOOKA創業者としてデザインとビジネスを横断する実践者」です。

KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)教員紹介シリーズの第10回では、デザイナーであり、ブランドNOOKAの創業者としても知られるMatthew Waldman教授を紹介します。

KMDには、大学で研究を続けてきた教員だけでなく、企業経営やクリエイティブ分野での実践経験を持つ教員も在籍しています。Waldman教授は、その中でもデザインとビジネスの境界を越えて活動してきた教員のひとりです。自分のアイデアを作品として表現するだけではなく、商品やブランドとして社会へ届けることまで考えたい受験生にとって、研究テーマを考える上で参考になる存在です。


Matthew Waldman教授はどのような研究者・実践者なのか

Matthew Waldman教授を理解する上で重要なのが、デザインの実践とビジネスの双方に関わってきた経歴です。ブランドNOOKAの創業者として知られ、独自の視点からプロダクトやブランドを生み出してきました。

大学院におけるデザイン研究というと、作品を制作したり、デザイン理論を学んだりすることをイメージする方もいるかもしれません。しかし、実際に新しい価値を社会へ届けるためには、発想だけでなく、誰にどのように使ってもらうのか、どのように価値を伝えるのかという視点も必要です。

Waldman教授のように、デザイナーでありながらブランドの立ち上げにも関わってきた教員の存在は、KMDで扱われるデザインが造形や表現だけに限定されないことを示しています。アイデアを社会との接点まで含めて考えることが、研究やプロジェクトの重要な要素になります。


デザインを「見た目」だけで考えない

デザインという言葉から、色や形、ロゴ、商品の外観などを思い浮かべる方は多いでしょう。しかし、大学院で研究テーマとしてデザインを扱う場合、それだけでは十分ではありません。

たとえば新しいプロダクトを考える場合、なぜその商品が必要なのか、既存の商品ではどのような不便が残っているのか、利用者にどのような体験を生み出したいのかまで考える必要があります。さらに、商品をどのように伝え、どのような人に届けるのかという部分も、デザインと切り離すことはできません。

NOOKAのように明確なブランドとして商品を社会に提示する経験を持つWaldman教授の活動からは、モノそのものだけではなく、その周囲にある意味や体験まで含めて考える視点が見えてきます。

KMDへの進学を考えている受験生も、「デザインが好きだから」という理由だけで終わらせず、自分がデザインによって何を変えたいのかを具体的に考えてみることが重要です。


クリエイティブとビジネスをつなげる視点

Waldman教授の存在がKMDの中で特徴的なのは、クリエイティブな活動とビジネスを別々のものとして考えず、両方を経験してきた点です。

優れたアイデアがあっても、それが実際に利用されなければ社会への影響は限定されます。一方で、売れることだけを目的にすると、新しい価値を生み出すというデザイン本来の役割が弱くなってしまう場合もあります。そのため、創造性と事業としての成立可能性をどのように両立させるのかは、実践的なデザインを考える上で重要なテーマです。

これは、将来起業したい人だけに関係する話ではありません。企業の新規事業、商品開発、サービス開発、ブランドづくりなどに関心がある人にとっても、デザインとビジネスを行き来する視点は役立ちます。

社会人経験のある受験生であれば、仕事の中で感じた商品やサービスの課題を研究テーマへつなげる方法もあります。逆に、デザインや芸術を学んできた方であれば、自分の表現やアイデアをどのように社会へ届けるのかという問いから研究を広げることができます。


KMDで学ぶ意味を研究テーマから考える

KMDには、テクノロジー、デザイン、社会、ビジネスなど異なる領域を背景とする教員がいます。Waldman教授のような教員に関心を持つ場合も、単に有名なブランドを創業した人物だからという理由ではなく、自分が取り組みたい研究との接点を確認することが大切です。

たとえば、新しい商品を開発したいのであれば、その商品が解決する課題を明確にする必要があります。ブランドについて研究したいのであれば、企業が発信したいイメージだけではなく、利用者がどのようにブランドを受け止め、どのような経験をしているのかまで考える必要があります。

また、アイデアを商品化することに関心がある場合も、「面白い商品を作りたい」というところから一歩進み、誰にとってどのような価値があるのか、その価値をどのような方法で検証するのかを考えていくことが大学院での研究につながります。

研究計画や志望理由を準備するときには、自分の制作物やビジネス経験を単なる実績紹介として並べるのではなく、そこからどのような疑問や課題を感じたのかを整理しておくとよいでしょう。


受験生は自分の経験を研究上の問いに変える

Waldman教授の研究や活動に関心を持つ受験生には、デザイン、商品開発、ブランド、起業、マーケティングなど、さまざまな背景が考えられます。重要なのは、自分がこれまで経験してきたことを、大学院で探究できる問いへ変えることです。

たとえば、商品を作った経験があるなら、「なぜ利用者に価値が伝わらなかったのか」という疑問が研究の出発点になるかもしれません。企業で新規事業に携わっているなら、「新しいアイデアが社内や顧客に受け入れられる条件とは何か」というテーマも考えられます。

デザイン経験がない場合でも、サービスを利用する側として感じた違和感や、仕事で直面した課題から研究テーマを考えることはできます。KMDへの出願では、自分の専門分野を無理に変えるのではなく、これまでの経験と新しく学びたい領域をどのようにつなぐのかを整理することが重要です。

面接でも、Waldman教授の経歴そのものを説明するだけではなく、自分がなぜその研究環境に関心を持ったのか、自分のテーマとどの部分でつながっているのかを具体的に話せるよう準備しておきたいところです。


まとめ

Matthew Waldman教授は、デザイナーとしての活動に加え、NOOKAの創業者としてブランドを社会へ展開してきた実践経験を持つ教員です。デザインを作品や見た目だけで捉えるのではなく、商品、ブランド、利用者の体験、ビジネスとの関係まで含めて考える際に参考になる存在です。

KMDへの進学を検討している方の中で、デザインとビジネスを組み合わせたい方、商品やサービスを社会へ届ける方法を研究したい方、将来的に新規事業や起業に関わりたい方は、自分の問題意識との接点を考えてみるとよいでしょう。

その際には、単に新しいものを作りたいというところで終わらせず、「誰のどのような課題に向き合い、どのような価値を生み出したいのか」まで具体化することが大切です。こうした整理は、研究計画や志望理由、面接でKMDを志望する理由を説明する際にも役立ちます。


※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、カリキュラム、教員の所属・役職・研究内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。