院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「併願戦略と面接・書類の使い分け」です。

大学院入試では、複数校・複数研究科を併願するのが一般的です。
一方で、受験生からは次のような不安をよく聞きます。

  • 併願すると志望動機がブレないか
  • 書類はどこまで使い回していいのか
  • 面接で他大学の併願はどう答えるべきか

結論から言えば、
併願は戦略的に行えばまったく問題ありません。
重要なのは、「一貫性」と「使い分け」の考え方を正しく理解することです。


1.大学院入試における併願は「前提」

まず押さえておくべき点があります。
大学院側は、受験生が併願していることを前提に選考しています。

学部入試のように
「第一志望一本で来ているか」
を期待しているわけではありません。

むしろ、

  • どの研究科とどの研究科を併願しているのか
  • その組み合わせに合理性があるか

こうした点を見ています。

2.併願で見られるのは「軸の一貫性」

併願において最も重要なのは、
研究テーマと問題意識の一貫性です。

大学Aではこのテーマ、
大学Bではまったく別のテーマ、
という状態だと、
「まだ研究の軸が固まっていない」
と判断されるリスクが高まります。

逆に、

  • テーマは共通
  • 切り口や強調点が研究科ごとに異なる

この形であれば、併願はむしろプラスに働きます。

3.書類は「使い回す」のではなく「最適化する」

併願においてよくある誤解が、
「書類は全部同じで出してはいけない」というものです。

実際には、

  • 研究テーマの核
  • 問題意識の出発点

これらは共通で構いません。

ただし、次の部分は必ず研究科ごとに調整します。

  • なぜこの研究科なのか
  • 指導教員との接続点
  • カリキュラム・研究環境への言及

これは「嘘をつく」のではなく、
同じ研究テーマを、別の角度から説明する作業です。

4.面接での併願質問はどう答えるか

面接では、高確率で次の質問が出ます。

「他にどこを受験していますか?」

この質問の目的は、
併願を責めることではありません。

  • 研究テーマが一貫しているか
  • 進学先をどう考えているか

を確認するためのものです。

5.NGな答え方

避けたいのは、次のような回答です。

  • 「とりあえず受けられるところを全部」
  • 「正直、まだ決めていません」

これでは、研究計画の信頼性が下がってしまいます。

6.評価される答え方の考え方

評価されやすいのは、次の構造です。

  1. 研究テーマは共通であること
  2. 各研究科の特徴を踏まえて受験していること
  3. 最終的な判断軸を持っていること

たとえば、

「研究テーマ自体は一貫していますが、
〇〇の点ではこちらの研究科、
△△の点では慶應の研究環境に魅力を感じています」

といった形です。

7.第一志望かどうかは問題ではない

「第一志望ですか?」
と聞かれることを恐れる受験生もいます。

しかし重要なのは、
その場で納得感のある説明ができるかです。

「現時点では複数検討していますが、
研究環境と指導体制を踏まえると、
最終的には〜という判断になると考えています」

このように答えられれば、
第一志望かどうか自体は大きな問題になりません。

8.併願戦略は「書類設計」から始まる

併願を成功させる最大のポイントは、
出願前の段階で、

  • どの研究科を受けるのか
  • それぞれで何を強調するのか

を整理しておくことです。

場当たり的に調整すると、
書類と面接で矛盾が生じやすくなります。

9.併願はリスクではなく「完成度を高める機会」

複数の研究科向けに計画書を調整する過程で、
自分の研究テーマは磨かれていきます。

実際、
併願を通じて研究計画の完成度が上がり、
結果的に第一志望に合格するケースは少なくありません。

併願とは、
逃げではなく、設計された戦略なのです。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。