院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
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今回のテーマは
修士論文で「何を書かないか」を決める重要性です。
修士論文がまとまらない最大の原因
修士論文が書けなくなる原因として、非常によくあるのが次の状態です。
- 書きたいことが多すぎる
- 調べれば調べるほど論点が増える
- 削るのが怖くて全部入れてしまう
この結果、
何を主張したい論文なのか分からない
という状態に陥ります。
修士論文で最も重要なのは、
「何を書くか」より先に「何を書かないか」を決めることです。
修士論文は「網羅する文章」ではない
多くの院生が誤解している点があります。
修士論文=その分野を幅広く網羅した文章
しかし実際の修士論文は、
- 特定の問いに対して
- 限定された範囲で
- 論理的に答える
ための論文です。
網羅性よりも、
焦点の明確さが圧倒的に重視されます。
「書かないこと」を決められない論文の特徴
「何を書かないか」を決められていない論文には、共通点があります。
- 背景説明が異様に長い
- 先行研究の紹介が整理されていない
- 本論と関係ない議論が混ざる
こうした論文は、
内容以前に「読みにくい」という評価を受けます。
これは能力不足ではなく、
設計の問題です。
修士論文の設計は「引き算」で考える
研究が進む人ほど、
修士論文を次のように設計します。
- この問いに答えるために
- 最低限必要な要素は何か
- 不要な要素は何か
つまり、
足し算ではなく引き算です。
「面白いから」「せっかく調べたから」
という理由で入れた内容ほど、
論文全体の焦点をぼかします。
「書かない判断」ができる人は評価される
指導教員が高く評価する院生ほど、
次のような説明ができます。
- この論点は重要だが、本論では扱わない
- 本研究では〇〇に限定する
- △△は今後の課題とする
これは逃げではありません。
研究としての誠実さです。
むしろ、
何でも扱おうとする姿勢の方が未熟と見なされます。
書かないことを決めるための3つの質問
修士論文で迷ったときは、
次の3つを自分に問いかけてください。
- この内容は研究の問いに直接答えているか
- なくても結論は成り立つか
- 指導教員に「なぜ入れたか」説明できるか
1つでも曖昧なら、
その内容は「書かない候補」です。
分量制限は「敵」ではなく「味方」
修士論文には、多くの場合、
ページ数や字数の目安があります。
これを
「足りない」「削らなければならない制約」
と捉えると苦しくなります。
しかし実際には、
論文の質を守るための装置です。
制限があるからこそ、
論点が研ぎ澄まされます。
「書かない決断」が修士論文を完成させる
修士論文が最後まで書き上がる人は、
途中で必ず「捨てる決断」をしています。
- 書かない章
- 深掘りしない論点
- 今回は扱わないテーマ
これを決めることで、
論文は初めて前に進みます。
まとめ
修士論文で最も重要なのは、
どれだけ調べたか
ではなく
どれだけ的確に削ったか
「何を書かないか」を決めることは、
研究を放棄することではありません。
研究者として成熟するための必須プロセスです。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


