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今回のテーマは
研究目的と研究課題はどう書き分けるべきか です。


研究目的と研究課題が混ざると、論文は一気に弱くなる

修士論文や研究計画書を見ていて、非常によくあるのがこの状態です。

  • 研究目的と研究課題の違いが曖昧
  • 同じことを言い換えているだけ
  • 教員から「結局、何を明らかにしたいの?」と言われる

これは文章力の問題ではありません。
概念の切り分けができていないことが原因です。

そしてこの混乱は、
論文全体の評価を大きく下げます。


研究目的と研究課題は「役割」が違う

まず大前提として、
研究目的と研究課題は役割がまったく違います。

簡単に言うと、

  • 研究目的:この研究で「何を目指すのか」
  • 研究課題:その目的に向かって「何を問うのか」

目的はゴール、
課題はそのゴールに向かうための問いです。

ここを同じ文章で書いてしまうと、
論文の設計図が崩れます。


研究目的は「方向性」を示すもの

研究目的は、
研究全体の方向性と意義を示す部分です。

良い研究目的には、次の特徴があります。

  • 社会的・学術的な関心とつながっている
  • なぜこの研究が必要なのかが分かる
  • 研究全体を俯瞰できる

たとえば、

本研究の目的は、〇〇における△△の実態を明らかにすることである。

このように、
やや抽象度が高くて問題ありません。


研究課題は「具体的な問い」である

一方、研究課題は、
論文の中で実際に答える問いです。

研究課題が弱い論文は、

  • 抽象的すぎる
  • 範囲が広すぎる
  • 何を検証するのか分からない

という評価を受けます。

良い研究課題は、

  • はい/いいえ
  • どのように/なぜ

といった形で、
具体的に答えられる問いになっています。


目的と課題が混ざる典型例

よくある失敗例を見てみましょう。

研究目的:〇〇の特徴を明らかにする
研究課題:〇〇の特徴を明らかにする

これは完全にアウトです。

この場合、
目的と課題が区別されておらず、
論文の中核が存在しないと判断されます。


正しい書き分けのイメージ

書き分けの基本構造は、次の通りです。

研究目的:
「本研究は〇〇を目的とする」

研究課題:
「そのために、以下の点を検討する」

  1. 〇〇はどのように形成されているのか
  2. △△にはどのような要因があるのか

このように、
課題は複数あっても構いません。

むしろ、
複数の課題が目的に収束している構造の方が、
研究として評価されます。


指導教員はここを見ている

指導教員が研究目的・研究課題を見るとき、
最も重視しているのは次の点です。

  • この課題に答えれば、本当に目的が達成されるか
  • 課題は修士論文の分量で扱えるか
  • 課題同士に無理な飛躍はないか

ここが噛み合っていないと、

面白いけど、修士論文としては厳しい

という判断になります。


研究課題が明確になると、論文は一気に書きやすくなる

研究課題が明確になると、

  • どの先行研究を使うか
  • どこで分析するか
  • 何を書かないか

が自然に決まります。

逆に、
研究課題が曖昧なままだと、

  • 調べ続けて終わらない
  • 書き始めても迷子になる

という状態から抜け出せません。


まとめ

研究目的と研究課題の書き分けは、

  • 文章テクニックではなく
  • 研究設計そのもの

です。

目的は「目指す方向」。
課題は「具体的に答える問い」。

この切り分けができた瞬間、
修士論文は一気に書けるものに変わります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。