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今回のテーマは
修士論文で「新規性」が見えないと言われる理由
です。


「新規性が見えない」は否定ではない

修士論文の指導で、多くの院生が一度は言われる言葉があります。

「新規性が見えないですね」

この一言を聞いた瞬間、

  • 自分の研究は意味がないのでは
  • もう誰かがやっているテーマなのでは
  • テーマ選びを間違えたのでは

と不安になる人は少なくありません。

ですがこの指摘は、研究の否定ではなく、
ほとんどの場合「見せ方」の問題です。


新規性は「すごさ」ではない

新規性=革新性、と思いがちですが、修士論文で求められる新規性はそこまで大きくありません。

  • 既存研究では扱われていない視点
  • 同じテーマでも異なる方法
  • 先行研究の限界を一段先に進めること

こうした限定的なズレで十分です。


新規性が見えない論文の典型パターン

  • 先行研究の要約で終わっている
  • 自分の立ち位置が書かれていない
  • 何が不足しているのかが示されていない

つまり、
これまでの研究と何が違うのかが伝わっていません。


原因① 先行研究との差分が言語化されていない

新規性は差分としてしか存在しません。

「これまでの研究は〇〇だったが、本研究では△△に注目する」
この一文がない論文は、新規性が見えません。


原因② 新規性を「結論」にしか置いていない

最後まで読まないと新しさが分からない構成では、評価は伸びません。

序章や研究目的の段階で、
新規性の方向性を示す必要があります。


原因③ 新規性を自分で言い切っていない

読み手に判断を委ねるのではなく、

本研究の新規性は〇〇にある

自分で言い切ることが重要です。


指導教員の指摘の本当の意図

  • 研究の価値はある
  • それが文章に出ていない
  • もっと明確に主張してよい

つまり、研究自体の否定ではありません。


新規性を見せるための3つのチェック

  1. 先行研究との違いが一文で言えるか
  2. その違いが研究課題と直結しているか
  3. なぜその違いが重要なのか説明できるか

新規性は「派手さ」ではなく「位置取り」

どこに立ち、どこを見て、どこまで進むのか。
この位置取りが示せれば十分です。


まとめ

「新規性が見えない」と言われる理由は、

  • 新しさがないからではなく
  • 新しさが言語化されていないから

先行研究との差分を明確にし、
自分の立ち位置を言い切ること。

これができたとき、
修士論文は評価される研究に変わります。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。