KMD卒業後のキャリアは?修了生インタビュー「Stories」から見る進路と活躍分野

院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する「慶應義塾大学大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。今回のテーマは「KMD卒業後のキャリアは?修了生インタビュー『Stories』から見る進路と活躍分野」です。

KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)への出願を検討する際、「修了した後はどのような仕事に就くのか」「KMDでの学びは実際のキャリアにどうつながるのか」と気になる方は多いでしょう。

KMDは、特定の職業だけを目指すための大学院ではありません。テクノロジー、デザイン、ビジネス、社会などを横断して学ぶため、修了後の進路も一つに限定されにくいのが特徴です。

そこで参考になるのが、KMD公式サイトで公開されている「Stories」です。在学生や修了生、教員などのインタビューを通じて、募集要項だけでは見えにくいKMDでの経験や、その後のキャリアを知ることができます。今回は、このStoriesを進路研究にどう活用すればよいのかを解説します。


KMD公式サイトの「Stories」とは?

Storiesは、KMDに関わる人たちの経験を紹介する公式コンテンツです。

在学生がなぜKMDを選んだのか、どのような研究に取り組んでいるのか、修了生が現在どのような仕事をしているのかなどが、本人の言葉を通じて紹介されています。

カリキュラムのページを読めば「リアルプロジェクトがある」「国際的な環境で学べる」といった制度は理解できます。しかし、それらが実際に一人の学生のキャリアへどう影響したのかまでは、制度説明だけではなかなか分かりません。

Storiesでは、「入学前」「KMD在学中」「修了後」を一本の流れとして見ることができるため、KMDでの2年間を具体的にイメージしたい受験生にとって参考になります。


入学前のバックグラウンドが幅広い

修了生の事例を見る際に注目したいのが、KMDへ入る前の経歴です。

KMDには、工学系のバックグラウンドを持つ人だけでなく、映像、メディア、デザイン、ビジネスなど、さまざまな分野から学生が集まっています。

これは、大学院受験の段階で「自分は情報系ではないから無理なのでは」「デザインを専門的に学んだことがないから不利なのでは」と不安に感じている方にとって重要なポイントです。

KMDでは、これまでの専門性を捨てるのではなく、自分が持っている経験を別の分野と掛け合わせていくことが大切になります。

自分と似た経歴の修了生を探してみると、「自分の経験をKMDでどう活かせそうか」を考えるヒントになります。


修了後の進路は特定の業界に限定されない

KMDの修了後の進路を考えるうえで特徴的なのが、活躍する分野の幅広さです。

テクノロジー企業やデザイン領域だけでなく、グローバル企業、新規事業、サービス開発、マーケティング、戦略、研究開発など、複数の領域へ進む可能性があります。

KMDで培った専門性をそのまま特定職種に当てはめるというより、「問題を見つける」「異なる分野の人と協働する」「アイデアを形にする」「社会へ届ける」といった力を、自分のキャリアに応じて使っている修了生がいることが分かります。

そのため、「KMDを出たら何になれるのか」という問いより、「KMDで身につけた力を、自分はどの業界や役割で活かしたいのか」と考えるほうが、KMDのキャリアを理解しやすいでしょう。


デザイン思考が仕事の進め方につながる

修了生の経験を見ると、KMDでの学びは、特定のソフトウェアや技術だけではなく、問題の捉え方そのものにも影響を与えていることが分かります。

その代表的な考え方のひとつが、デザイン思考です。

最初から解決策を決めるのではなく、利用者を観察したり、課題を定義し直したり、試作品をつくって検証したりしながら、より適切な解決策を探していく考え方は、新規事業やサービス開発でも活用できます。

たとえば企業で新しい商品を市場へ投入する際にも、「自分たちが売りたい商品」を起点に考えるのではなく、「利用者は何を必要としているのか」から考えることができます。

KMDでの学びは、職種名として表れるというより、仕事への向き合い方として修了後にも残る部分があると考えられます。


国際経験をキャリアにつなげる修了生もいる

KMDには、CEMS MIMをはじめとする国際的な学びの機会があります。こうした経験を活用し、その後に海外やグローバルなビジネス環境へ進む修了生の事例も、Storiesを見るうえで参考になります。

海外で働くために必要なのは、英語だけではありません。

異なる国籍や文化の人とチームを組み、意見を調整し、成果を出す力が求められます。KMDでは、留学生との共同プロジェクトや国際プログラムなどを通じて、こうした環境を経験できる可能性があります。

将来的に海外で働きたい方や、グローバル企業でキャリアを築きたい方は、修了生がどのような経験を経て現在の仕事につながったのかまで読んでみるとよいでしょう。


社会人にとっては「キャリアチェンジ」の参考にもなる

KMDを志望する社会人の中には、「今の業界から少し違う方向へ進みたい」「これまでの経験を活かしながら、新しい仕事に挑戦したい」と考えている方もいるでしょう。

そのような場合にも、Storiesは参考になります。

修了生のキャリアを見ると、入学前と修了後でまったく同じ仕事を続けているとは限りません。KMDで新しい分野に触れたり、プロジェクトを経験したりする中で、自分の専門性の活かし方が変化することがあります。

たとえば、技術を専門としてきた人がサービスデザインや事業開発へ関心を広げることもあれば、クリエイティブ分野の経験をビジネスへ展開することも考えられます。

KMDへの進学を、単純な「学歴の追加」ではなく、これまでのキャリアを組み替える機会として考えることもできます。


自分と同じ経歴の人だけを探さない

Storiesを読む際、「自分と同じ学部出身」「自分と同じ業界出身」の修了生だけを探したくなるかもしれません。

もちろん似た経歴の人は参考になりますが、あえてまったく異なる背景を持つ人のインタビューも読んでみることをおすすめします。

異なる業界の人がKMDで何を学び、それをどのようにキャリアへ結びつけたのかを見ることで、「自分にもこんな可能性があるのか」と新しい視点が生まれることがあります。

KMD自体が多分野横断を特徴とする研究科です。キャリア研究についても、最初から自分の可能性を狭めすぎないことが大切です。


Storiesを志望理由づくりにどう活かす?

修了生インタビューは、Statement of Purposeを考える際にも活用できます。

ただし、「この修了生が有名企業に就職しているからKMDへ行きたい」という使い方はおすすめできません。

注目したいのは、その修了生がKMDで何を経験し、それが仕事のどの部分に活きているのかです。

たとえば、「リアルプロジェクトで異なる専門性の人と共同した経験が、現在の新規事業開発につながっている」といった点に注目し、自分も同様に複数分野を横断する力を身につけたいと考えるのであれば、KMDを志望する理由につなげやすくなります。

Storiesは、志望理由をコピーするための材料ではなく、自分自身の将来像を具体化するための材料として使いましょう。


面接では「修了後に何をしたいか」まで考えておく

KMDへの進学自体がゴールになってしまうと、志望理由に説得力が出にくくなります。

面接対策としても、「KMDで学んだ後に何をしたいのか」を考えておくことが重要です。

将来の会社名や職種まで完全に決める必要はありません。ただし、「研究成果を事業につなげたい」「現在の業界に新しいサービスを持ち込みたい」「海外でプロダクト開発に関わりたい」といった方向性は持っておきたいところです。

修了生インタビューを読むことで、KMDでの学びと仕事の間にどのようなつながりがあり得るのかを具体的に考えやすくなります。


就職実績だけでなく「過程」を見る

大学院のキャリア情報を見ると、有名企業への就職実績や肩書きに目が行きがちです。

しかし、本当に参考になるのは結果だけではありません。

なぜKMDへ進学したのか、在学中に何を経験したのか、どのタイミングで将来像が変わったのか、その結果として現在のキャリアへどうつながったのかという過程を見ることが重要です。

同じKMDを修了しても、全員が同じ経験をするわけではありません。リアルプロジェクト、国際プログラム、自分自身の研究、周囲との出会いなど、何を選択するかによってキャリアへのつながり方も変わります。

「KMDに入ればこの仕事に就ける」と考えるのではなく、「KMDの環境を自分はどう使うのか」という視点を持ちましょう。


まとめ

KMD公式サイトの「Stories」は、在学生や修了生の経験を通じて、KMDでの学びとその後のキャリアのつながりを具体的に知ることができる情報源です。

修了生のバックグラウンドも進路も幅広く、KMDが特定の業界や職種だけを目指す大学院ではないことが見えてきます。

テクノロジーやデザインの専門性だけでなく、問題を発見する力、異分野の人と協働する力、アイデアを形にして社会へ届ける力などを、それぞれの修了生が自分の仕事へ応用している点に注目してみましょう。

受験生にとって大切なのは、修了生のキャリアをそのまま目標にすることではありません。「自分はKMDの2年間を使って何を身につけ、その先で何を実現したいのか」を考えるための参考材料にすることです。

出願準備の段階で、気になるStoriesをいくつか読み、自分と似ている点、異なる点、参考にしたい経験を書き出してみると、SoPや面接で語る修了後のビジョンも具体化しやすくなるでしょう。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。KMD公式サイト「Stories」に掲載されている在学生・修了生の所属先、職種、活動内容などは各個人の経験に基づくものであり、KMD修了後の進路や就職を保証するものではありません。また、掲載内容やキャリア情報は今後更新される可能性があります。受験・進学を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトで最新情報をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。