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「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

今回のテーマは「出願書類全体の考え方」です。

これまでの記事で、研究計画書、先行研究、研究科選びなどを個別に解説してきました。
今回は、それらを一つの設計図としてどうまとめるか、
つまり「出願書類全体」を俯瞰して解説します。


1.出願書類は「寄せ集め」ではない

多くの受験生がやってしまう失敗があります。
それは、

  • 志望理由書
  • 研究計画書
  • 履歴書・経歴書
  • 推薦状(ある場合)

これらを別々に完成させてしまうことです。

しかし大学院入試では、出願書類は一式まとめて一人の受験生の設計思想として読まれます。
部分的に良い文章があっても、全体にズレや矛盾があると、評価は一気に下がります。

2.出願書類の役割は「人物像の説明」

学部入試(一般選抜)が「点数」で人を選ぶ試験だとすれば、
大学院入試は人物像を総合的に評価する選抜です。

その人物像を説明する材料が、出願書類です。

  • どんな問題意識を持っているのか
  • なぜこの研究科なのか
  • なぜこのテーマなのか
  • 修了後、どう進もうとしているのか

これらが一つのストーリーとして整合しているかが問われます。

3.書類ごとの役割分担を理解する

まず大前提として、各書類には役割があります。

  • 志望理由書:動機と方向性を示す
  • 研究計画書:研究者としての思考力を示す
  • 履歴書・経歴書:これまでの積み上げを示す

同じ内容を繰り返す必要はありません。
むしろ「同じ話を違う角度から説明している」状態が理想です。

4.一貫性とは「同じことを書く」ことではない

「一貫性が大事」と言うと、
「全部同じことを書けばいい」と誤解されがちですが、そうではありません。

一貫性とは、
問題意識 → テーマ → 研究科 → 将来像
が一本の線でつながっている状態です。

たとえば、

  • 志望理由書では社会的背景
  • 研究計画書では学術的課題
  • 経歴書では個人的経験

と、レイヤーを分けて説明することで、
立体的な人物像が立ち上がります。

5.よくあるズレの例

実際によく見かけるズレを挙げます。

  • 志望理由書では「実務志向」なのに、研究計画書が「理論特化」
  • 修了後進路が曖昧なのに、研究テーマが高度すぎる
  • 経歴と研究テーマの接点が説明されていない

これらは致命的ではないように見えてますが、結果的に
「この人は自分で全体設計ができていない」という評価につながります。

6.出願書類は「同時並行」で作る

出願書類は、
1つ書いてから次へ、ではなく
同時に行き来しながら作るのが正解です。

研究計画書を書いてみて、志望理由書を直す。
経歴を書いてみて、テーマ設定を微調整する。

この往復作業こそが、
院試対策の本質です。

7.最終チェックは「第三者の視点」

最後に必ずやってほしいのが、
「何も知らない第三者が読んで、同じ人物像を描けるか」というチェックです。

  • 動機は伝わるか
  • なぜ慶應なのかが分かるか
  • 修了後の姿が想像できるか

ここがクリアできていれば、
書類としての完成度はかなり高いと言えます。

8.出願書類は戦略そのもの

出願書類は、単なる提出物ではありません。
それ自体が合否を分ける戦略書です。

点ではなく線で考える。
部分ではなく全体で設計する。

これができた人から、院試は決まっていきます。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
院試受験でお困りの方は、 無料相談 にお気軽にお申し込みください。


※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。