院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
「学部入試と大学院入試の決定的な違い」です。
大学院入試で失敗する受験生の多くは、能力や努力が足りないわけではありません。
原因の大半は、学部入試(一般選抜)の感覚のまま院試に臨んでしまうことにあります。
結論から言えば、
大学院入試は、学部入試の一般選抜ではなく「総合型選抜」に極めて近い試験です。
この違いを理解できるかどうかが、合否を大きく左右します。
1.学部入試は「一般選抜」、大学院入試は「総合型選抜」
まず押さえておきたいのは、両者の選抜思想の違いです。
学部入試(一般選抜)は、
- 同一問題
- 同一基準
- 点数による序列化
を前提とした学力中心の選抜です。
一方、大学院入試は、
- 研究テーマ
- 志望動機
- これまでの学修・経験
- 将来像
を総合的に評価する点で、
学部の総合型選抜(旧AO入試)に非常に近い性質を持っています。
2.「正解を当てる試験」から「評価される試験」へ
一般選抜では、
「正解か不正解か」が評価の基準でした。
しかし大学院入試では、
明確な正解は存在しません。
評価されるのは、
- なぜそのテーマを研究したいのか
- どこに問題意識があるのか
- どのように研究を進めたいのか
といった、思考の中身そのものです。
これは総合型選抜と同様、
「考え方」「一貫性」「将来性」を見る試験だと言えます。
3.努力量よりも「方向性」が合否を左右する
一般選抜では、努力量を増やせば点数は伸びました。
しかし大学院入試では、努力の方向が間違っていれば評価されません。
たとえば、
- 指導教員と合わない研究テーマ
- 研究として成立していない計画
- 慶應で学ぶ必然性の欠如
これらがあると、どれだけ勉強しても不合格になります。
総合型選抜と同じく、
「どこを目指しているか」が問われているのです。
4.大学院入試は「加点方式」ではなく「減点方式」
大学院入試では、
突出した強みよりも、致命的な欠点がないことが重視されます。
特に次のような点は、大きな減点要素になります。
- 研究計画書の論理破綻
- 先行研究理解の浅さ
- 志望理由の一貫性不足
- 面接での説明不能
これは総合型選抜と同じく、
「この人を受け入れて問題ないか」という視点で評価されているからです。
5.「なぜ慶應か」は必ず問われる
一般選抜では、
「なぜこの大学なのか」はほとんど問われません。
しかし大学院入試では、
「なぜ慶應義塾大学院なのか」を説明できなければ、高評価は得られません。
- 指導教員の研究分野
- 研究環境・設備
- 学際性やネットワーク
これらを踏まえた説明ができて初めて、
総合型選抜としての評価に耐える志望理由になります。
6.準備の出発点がまったく違う
一般選抜では、
参考書選びや勉強計画が準備のスタートでした。
一方、大学院入試では違います。
最初にやるべきなのは、
- 研究テーマの検討
- 指導教員・研究室の理解
です。
これは、
「誰に、何を学びに行くのか」を明確にする
総合型選抜的準備と言えます。
7.大学院入試は「戦略型の選抜」である
大学院入試では、次のような戦略思考が不可欠です。
- どの研究科・研究室を選ぶか
- どの強みを前に出すか
- どの経験をどう語るか
これは、一般選抜にはほとんど存在しなかった視点です。
大学院入試は、戦略を立てて臨む総合型選抜です。
おわりに
学部入試(一般選抜)と大学院入試は、
似ているようで、実はまったく別物です。
大学院入試を一般選抜の延長で考えている限り、
本来評価されるべきポイントが伝わりません。
次回は、
「研究科選びで合否の9割が決まる理由」を解説します。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


