院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

前回は、
研究計画書の構成について解説しました。

今回扱うのは、
研究計画書と並んで、
慶應大学院入試の合否を最も左右する要素である
「指導教員の選び方」です。

ここを誤ると、
どんなに優れた研究計画書を書いても合格は遠のきます。


1.大学院入試は原則「研究室単位の選抜」である

まず理解しておくべき大前提があります。

慶應大学院入試は、
研究科全体の試験であると同時に、
研究室単位の選抜です。

最終的には、

  • この学生を
  • 自分の研究室で
  • 指導するか

という判断が下されます。

つまり、
指導教員との相性は合否に直結するのです。

2.「有名だから」「人気だから」は危険

指導教員選びで最も多い失敗が、
次のような理由です。

  • 有名な教授だから
  • 論文数が多いから
  • 何となく雰囲気が良さそうだから

これらは、
合格可能性とはほぼ関係がありません。

重要なのは、
自分の研究テーマと、
教員の研究領域が本当に接続しているかです。

3.指導教員選びで見られている視点

教授側は、受験生を次の視点で見ています。

  • 自分の専門で指導できるか
  • 研究室の方向性と合っているか
  • 修士論文まで導けそうか

研究計画書を読んだ瞬間に、
「これは自分の研究室ではない」
と判断されることも珍しくありません。

4.良い指導教員候補の見つけ方

指導教員を探す際は、
次の順序で進めるのがおすすめです。

  1. 研究テーマを仮決定する
  2. 大学院の教員一覧を見る
  3. 研究分野・キーワードを確認する
  4. 主要論文を数本読む

ここで重要なのは、
論文を全部理解しようとしないことです。

  • どんな問題意識か
  • どんな分野に立っているか

これが分かれば十分です。

5.「完全一致」を探す必要はない

よくある誤解として、
「研究テーマが完全に一致しないといけない」
というものがあります。

これは間違いです。

必要なのは、

  • 問題関心の重なり
  • 方法論の共有可能性

このどちらかがあれば、
十分に指導可能と判断されます。

6.研究計画書は「教員へのラブレター」ではない

研究計画書に、
特定の教授名を過剰に書く人がいますが、
これはおすすめしません。

  • 持ち上げすぎる
  • 研究を誤解している
  • 表面的な理解に見える

こうしたリスクがあります。

重要なのは、
研究内容そのものが教員の専門と自然に接続していることです。

7.研究室訪問・事前連絡の考え方

慶應大学院では、
研究室訪問や事前連絡が必須ではない研究科も多くあります。

無理に連絡する必要はありません。

ただし、

  • 研究計画がある程度固まっている
  • どうしても確認したい点がある

この場合は、
簡潔で礼儀正しいメールで問い合わせるのは有効です。

8.面接では「なぜこの教員か」を必ず聞かれる

面接では高確率で、
次の質問が来ます。

  • なぜこの研究室を志望したのですか
  • 他の教員ではだめなのですか

この質問に答えられない場合、
研究計画書全体の信頼性が揺らぎます。

9.指導教員選び=自己理解でもある

指導教員を選ぶプロセスは、
自分がどんな研究をしたいのかを深く考える作業でもあります。

  • 何を学びたいのか
  • 何を深めたいのか
  • どんな指導を求めているのか

ここが明確になるほど、
研究計画書と面接の精度は上がっていきます。


おわりに

慶應大学院入試は、
「研究内容 × 人」のマッチングです。

指導教員選びは、
合格のためだけでなく、
入学後の研究生活そのものを左右する重要な判断です。

次回は、
「出願書類の全体像 どこで落とされるのか」を解説します。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。