院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

前回は、
研究計画書とは何か(そもそも論)について解説しました。

今回はそこから一歩進み、
多くの受験生が最初につまずくテーマである
「研究テーマの決め方」を扱います。

  • 「テーマが思いつかない」
  • 「これでいいのか不安」
  • 「何度も書き直しているが決まらない」

こうした悩みは、能力不足ではありません。
考え方の順番を間違えているだけです。


1.「良い研究テーマ」は最初から完成していない

まず大前提として押さえてほしいのは、
合格者の研究テーマも、最初は未完成だということです。

多くの受験生は、
「最初から完成度の高いテーマを決めなければならない」
と思い込んでいます。

しかし実際には、

  • 入学後にテーマが洗練され
  • 指導の中で修正され
  • 形になっていく

これが大学院研究の通常プロセスです。

2.テーマが決まらない人の共通点

テーマが決まらない受験生には、
はっきりした共通点があります。

それは、
「答え」から考えようとしていることです。

  • 何が評価されるテーマか
  • 教授にウケるテーマは何か
  • 合格しやすいテーマは何か

これらを先に考えるほど、
テーマは決まりません。

3.研究テーマは「問い」である

研究テーマとは、
自分なりに立てた問いです。

つまり重要なのは、

  • 何を明らかにしたいのか
  • どこに違和感を持っているのか

という点です。

テーマ=結論
ではありません。

テーマ=問い
この認識に切り替えることが、最初の一歩です。

4.良いテーマの条件は3つだけ

慶應大学院入試で評価される研究テーマには、
次の3条件があります。

  1. 自分の言葉で説明できる
  2. 先行研究と接続できる
  3. 指導によって発展可能である

逆に、

  • 流行っているだけ
  • スケールが大きすぎる
  • 実務的すぎる

テーマは、評価されにくい傾向があります。

5.テーマは「経験」から掘り起こす

テーマが思いつかない人は、
学問から考えようとしすぎています。

おすすめなのは、
自分の経験・違和感・疑問から掘り起こすことです。

  • 学部で引っかかった授業
  • 卒論で消化不良だった点
  • 仕事の中で感じた疑問

これらはすべて、
立派な研究の出発点になります。

6.「テーマが浅い」の正体

よくある相談に、
「テーマが浅い気がします」
というものがあります。

しかし多くの場合、
浅いのはテーマではなく、説明の仕方です。

なぜそれを問題だと思ったのか
何がまだ分かっていないのか

この部分が言語化されていないだけで、
テーマ自体は十分研究価値を持っていることがほとんどです。

7.テーマは「仮決定」でいい

大学院入試において、
研究テーマは仮決定で問題ありません。

むしろ重要なのは、

  • どのように考え
  • どの方向に深めようとしているか

という思考プロセスです。

完成度よりも、
研究者としての思考の筋道が評価されています。


おわりに

研究テーマは、
「ひらめき」や「センス」で決まるものではありません。

問いを立て、言語化し、
他者に説明できる形にする。
その積み重ねが、テーマを育てていきます。

次回は、
「先行研究とは何か 読めない・探せない人のための実践法」を解説します。
テーマを学問に接続するための、最重要ステップです。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。