院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。

前回は、
「研究科選びで合否の9割が決まる理由」について解説しました。

今回はその続きとして、
研究科選びをどのような手順で進めれば失敗しないのかを、実践的に整理します。

「重要なのは分かったけれど、結局どうやって選べばいいのか分からない」
そう感じている方に向けた内容です。


1.最初にやるべきは「研究テーマを決めない」こと

意外に思われるかもしれませんが、
研究科選びの初期段階で
研究テーマを固める必要はありません。

むしろ早く決めすぎると、

  • 研究科の選択肢が狭まる
  • 無理にテーマを合わせる
  • 評価軸とのズレに気づけない

といった問題が起こります。

最初は、
「関心領域」「問題意識の方向性」
このレベルで十分です。

2.自分のバックグラウンドを言語化する

次に行うべきは、
自分のこれまでを整理することです。

具体的には、

  • 学部・学科で何を学んだか
  • 卒論・レポートで扱ったテーマ
  • 社会人経験がある場合は業務内容

これらを、
「何ができる人か」「何を説明できる人か」
という視点で書き出します。

大学院入試では、
過去と未来がつながっているかが重視されます。

3.研究科ごとの「評価されやすい型」を調べる

慶應大学院の研究科には、
それぞれ暗黙の「評価されやすい型」が存在します。

たとえば、

  • 文学系:先行研究の整理力が強い計画
  • 社会科学系:問題設定が明確で現実性がある計画
  • 政策・メディア系:課題解決プロセスが見える計画

これは募集要項だけでは分かりません。

  • 過去の合格者傾向
  • 教員の論文・研究テーマ
  • シラバスの書き方

こうした情報から読み取ります。

4.「自分が有利になる研究科」を複数出す

研究科は、最初から一つに絞る必要はありません。

むしろ、

  • 第一候補
  • 第二候補
  • 併願候補

という形で、
複数の研究科を並行して検討することが重要です。

同じ問題意識でも、

  • 理論寄りで評価される研究科
  • 実践寄りで評価される研究科

の両方が存在する場合があります。

5.研究科選びと研究計画書は同時進行

研究科選びと研究計画書は、
別工程ではありません。

研究科を仮決め → 計画書を軽く書く → 違和感を確認
この往復が必要です。

  • 書きづらい
  • 評価されなさそう
  • 無理に合わせている感覚がある

こう感じた場合、
その研究科は合っていない可能性があります。

6.「行けそう」ではなく「評価される」を基準にする

受験生が陥りがちなのが、
「倍率が低いから」
「入りやすそうだから」
という基準で研究科を選ぶことです。

しかし大学院入試は、
定員割れでも不合格が出ます。

重要なのは、
その研究科で自分がどう評価されるかです。

7.研究科選びに迷ったら立ち止まっていい

研究科選びで迷うのは、
むしろ真剣に考えている証拠です。

焦って決めるよりも、

  • なぜ迷っているのか
  • 何が引っかかっているのか

を言語化することで、
適切な選択肢が見えてきます。


おわりに

慶應大学院入試において、
研究科選びは
最初で最大の戦略判断です。

正しく選べば、
研究計画書も、面接も、一気に楽になります。

次回は、
「研究計画書とは何か」合格者の思考プロセスをテーマに、
研究科選びと直結する部分を解説します。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。