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今回のテーマは
修士論文で考察と結論を混同すると起きること
です。


「考察」と「結論」は似ているようで役割が違う

  • 考察と結論の内容がほぼ同じ
  • どこからが考察で、どこからが結論か分からない
  • 結論がやたら長い

この状態は論文としての完成度を大きく下げます。
理由は単純で、考察と結論は役割がまったく異なる章だからです。


考察と結論の役割の違い

考察:結果をどう解釈するか、なぜそうなったのかを議論する場所

結論:研究課題にどう答えたのかを端的に示す場所

考察は「思考のプロセス」、結論は「最終的な答え」です。


混同すると起きる問題① 結論が長くなる

  • 新しい議論を始めてしまう
  • 仮説の検討を続けてしまう
  • 先行研究との比較を再び行う

結論は「短く、強く」が基本です。


混同すると起きる問題② 考察が浅くなる

  • なぜそうなったのかの説明が不足する
  • 結果と先行研究の関係が弱くなる
  • 議論が広がらない

考察が浅いと、結論だけが浮いた状態になります。


指導教員が感じる違和感

  • 研究の思考過程が見えない
  • どこで判断が下されたのか分からない
  • 論文の締まりがない

考察でやるべきこと/結論でやるべきこと

考察でやること

  • 結果の意味づけ
  • 仮説との照合
  • 先行研究との比較
  • 想定外の結果の説明

結論でやること

  • 研究課題への回答
  • 本研究で明らかになった点
  • 新規性・独自性の再提示
  • 今後の課題(簡潔に)

混同が起きる心理的な原因

  • せっかく考えたから全部書きたい
  • ここで評価を取りにいきたい
  • 何が一番大事か自分でも整理できていない

どこで考え、どこで結論を出すかを分けて示すこと自体が、研究者としての能力と見なされます。


強い論文ほど、結論はあっさりしている

  • 結論は短い
  • 余計な説明がない
  • 研究の核心だけが残っている

これは考察で十分に議論しきっているからこそ可能になります。


まとめ

考察は「考えきる場所」。
結論は「答えを言い切る場所」。

この役割分担ができたとき、修士論文は一段上の完成度に到達します。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。