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今回のテーマは
第42回 研究目的と研究課題はどう書き分けるべきか です。
研究目的と研究課題が混ざると、論文は一気に弱くなる
修士論文や研究計画書を見ていて、非常によくあるのがこの状態です。
- 研究目的と研究課題の違いが曖昧
- 同じことを言い換えているだけ
- 教員から「結局、何を明らかにしたいの?」と言われる
これは文章力の問題ではありません。
概念の切り分けができていないことが原因です。
そしてこの混乱は、
論文全体の評価を大きく下げます。
研究目的と研究課題は「役割」が違う
まず大前提として、
研究目的と研究課題は役割がまったく違います。
簡単に言うと、
- 研究目的:この研究で「何を目指すのか」
- 研究課題:その目的に向かって「何を問うのか」
目的はゴール、
課題はそのゴールに向かうための問いです。
ここを同じ文章で書いてしまうと、
論文の設計図が崩れます。
研究目的は「方向性」を示すもの
研究目的は、
研究全体の方向性と意義を示す部分です。
良い研究目的には、次の特徴があります。
- 社会的・学術的な関心とつながっている
- なぜこの研究が必要なのかが分かる
- 研究全体を俯瞰できる
たとえば、
本研究の目的は、〇〇における△△の実態を明らかにすることである。
このように、
やや抽象度が高くて問題ありません。
研究課題は「具体的な問い」である
一方、研究課題は、
論文の中で実際に答える問いです。
研究課題が弱い論文は、
- 抽象的すぎる
- 範囲が広すぎる
- 何を検証するのか分からない
という評価を受けます。
良い研究課題は、
- はい/いいえ
- どのように/なぜ
といった形で、
具体的に答えられる問いになっています。
目的と課題が混ざる典型例
よくある失敗例を見てみましょう。
研究目的:〇〇の特徴を明らかにする
研究課題:〇〇の特徴を明らかにする
これは完全にアウトです。
この場合、
目的と課題が区別されておらず、
論文の中核が存在しないと判断されます。
正しい書き分けのイメージ
書き分けの基本構造は、次の通りです。
研究目的:
「本研究は〇〇を目的とする」
研究課題:
「そのために、以下の点を検討する」
- 〇〇はどのように形成されているのか
- △△にはどのような要因があるのか
このように、
課題は複数あっても構いません。
むしろ、
複数の課題が目的に収束している構造の方が、
研究として評価されます。
指導教員はここを見ている
指導教員が研究目的・研究課題を見るとき、
最も重視しているのは次の点です。
- この課題に答えれば、本当に目的が達成されるか
- 課題は修士論文の分量で扱えるか
- 課題同士に無理な飛躍はないか
ここが噛み合っていないと、
面白いけど、修士論文としては厳しい
という判断になります。
研究課題が明確になると、論文は一気に書きやすくなる
研究課題が明確になると、
- どの先行研究を使うか
- どこで分析するか
- 何を書かないか
が自然に決まります。
逆に、
研究課題が曖昧なままだと、
- 調べ続けて終わらない
- 書き始めても迷子になる
という状態から抜け出せません。
まとめ
研究目的と研究課題の書き分けは、
- 文章テクニックではなく
- 研究設計そのもの
です。
目的は「目指す方向」。
課題は「具体的に答える問い」。
この切り分けができた瞬間、
修士論文は一気に書けるものに変わります。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


