― 私大×私大/私大×国立の現実解 ―

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今回のテーマは
併願パターン完全整理 ― 私大×私大/私大×国立の現実解 ―
です。

大学院受験において、「併願」はほぼ全員が検討するテーマです。一方で、併願戦略を誤ったことで、本来は合格可能だったはずの大学院に届かなくなるケースも少なくありません。

この記事では、

  • なぜ併願戦略が重要なのか
  • 私大×私大、私大×国立の違い
  • 現実的に成立する併願パターン

を、制度と評価構造の視点から整理します。


なぜ大学院受験では併願設計が重要なのか

大学院入試は、学部入試と異なり「絶対評価」と「相対評価」が混在しています。

  • 研究計画書・志望理由書
  • 面接での適性評価
  • 筆記試験の最低到達ライン

これらは、単純な点数勝負ではなく、年度・研究科・募集枠ごとに評価軸が変動します。

そのため、
「第一志望一本で挑む」こと自体が悪いわけではありませんが、
想定外の評価ブレに対応できない設計になりやすい、というリスクがあります。

併願とは、保険ではなく
合格確率を設計で安定させるための戦略です。


併願は「数」ではなく「組み合わせ」で決まる

よくある誤解として、

  • とりあえず3〜4校出す
  • 偏差値が近いところを並べる

といった併願設計があります。

しかし大学院入試では、
併願数が多い=有利ではありません。

重要なのは、

  • 出願書類を使い回せるか
  • 試験日程が重ならないか
  • 面接で語る進路ストーリーに矛盾が出ないか

という「整合性」です。

この整合性を無視した併願は、
かえって全落ちリスクを高めることになります。


私大×私大併願の現実解

私立大学院同士の併願は、最も一般的で、かつ設計次第で成功しやすいパターンです。

成立しやすい条件

  • 研究分野が近い、または連続して説明できる
  • 研究計画書の骨子を共通化できる
  • 試験日程に十分な間隔がある

特に重要なのは、
「なぜその2校なのか」を一貫して説明できるか
という点です。

「慶應と〇〇大学、どちらでもいい」という印象を与えてしまうと、評価は一気に下がります。

私大×私大併願では、

  • 第一志望:研究テーマの適合度が最も高い
  • 第二志望:研究環境・指導体制の代替性が高い

という役割分担の設計が不可欠です。


私大×国立併願が難しい理由

一方で、私大×国立の併願は、難易度が一段階上がります。

理由は明確で、

  • 試験科目・筆記の性質が異なる
  • 評価基準(研究重視/学力重視)の比重が違う
  • 出願スケジュールが大きくズレる

ためです。

特に注意すべきなのは、
国立対策を軸にすると、私大側の評価が弱くなりやすい
という点です。

研究計画書が「学力試験向け」になりすぎると、私立大学院では
「研究の具体性が不足している」と判断されることがあります。


私大×国立併願が成立するケース

それでも、私大×国立併願が成立するケースは存在します。

共通しているのは、

  • 研究テーマが制度・政策・実務寄りである
  • 指導教員の研究領域が明確に重なる
  • 私大・国立それぞれに合わせて書類を微調整している

という点です。

この場合、
完全な使い回しはせず、「評価されるポイントだけを切り替える」
という高度な設計が必要になります。

独学では判断が難しく、第三者視点でのチェックが重要になる領域です。


併願戦略で最も多い失敗パターン

併願で失敗するケースには、はっきりした共通点があります。

  • 出願書類がすべて同一
  • 面接で志望理由がブレる
  • 日程が詰まりすぎて準備が浅くなる

これらはすべて、
「併願を増やすこと自体が目的化している」
状態です。

併願はあくまで、
第一志望合格に近づくための設計手段
であることを忘れてはいけません。


併願戦略は「自分に合う形」が正解

正しい併願戦略は、人によって異なります。

  • 学部生か、社会人か
  • 研究経験の有無
  • 再受験かどうか

これらによって、
取るべき併願の形は大きく変わります。

重要なのは、
「一般的な成功例」をなぞることではなく、
自分の条件で成立する設計を組むこと
です。


まとめ:併願は戦略であり、保険ではない

大学院受験における併願は、
不安を減らすための保険ではなく、
合格確率を最大化するための戦略設計
です。

数を増やすのではなく、
整合性を高めること。

この視点を持てるかどうかが、
結果を大きく左右します。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。