【留学生向け】KMDで利用できる奨学金ガイド|入学前と入学後の申請プロセスの違い

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KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)への進学を検討する際、授業料や生活費を含めた経済面の準備はとても重要です。特に海外から日本へ進学する留学生の場合、学費に加えて住居費や渡航費なども必要になるため、奨学金の有無が進学判断に大きく影響することもあるでしょう。

一方で、奨学金制度は種類が多く、「出願前に自分で申し込むのか」「KMDに合格した後に申請するのか」「大学から推薦されなければ応募できないのか」など、仕組みが分かりにくい部分もあります。

今回は、KMDへの進学を考える留学生に向けて、奨学金を「入学前」と「入学後」に分けながら、申請の考え方を整理していきます。


奨学金はすべて同じタイミングで申し込むわけではない

まず知っておきたいのは、KMDや慶應義塾大学に関係する奨学金が、すべて同じ方法で募集されるわけではないということです。

大きく分けると、入学試験の出願者の中から大学・研究科側が候補者を選ぶタイプと、入学後に学生自身が募集情報を確認して応募するタイプがあります。

この違いを知らずに、「入学後に申し込めばよいと思っていたら、実際には出願時点で候補者が決まっていた」ということになると、機会を逃してしまう可能性があります。

反対に、入学前には応募できない制度について何度も問い合わせても、手続きを進めることはできません。

まずは、自分が検討している奨学金がどちらのタイプなのかを確認することが重要です。


入学前に関係する奨学金は「大学推薦型」に注意

留学生向けの奨学金の中には、受験生が直接応募するのではなく、大学や研究科が候補者を選び、推薦する形式のものがあります。

このタイプでは、「この奨学金に応募したいので申請書をください」と受験生側から自由に申し込めるとは限りません。

入試の出願者や合格者など一定の対象者の中から、研究科側が学業成績、研究内容、人物面などを踏まえて候補者を選び、必要な場合に本人へ連絡する流れになることがあります。

そのため、大学推薦型の奨学金を希望している場合でも、まず重要になるのはKMDへの出願そのものです。出願書類や研究計画を丁寧に準備し、自分がKMDで何を研究したいのかを明確に伝えることが基本になります。


国費外国人留学生制度にも複数のルートがある

留学生が検討する制度のひとつに、日本政府による国費外国人留学生制度があります。

国費留学生については、大使館推薦、大学推薦など複数のルートがあるため、「国費留学生=KMDへ直接申し込めばよい」と考えないよう注意が必要です。

大学推薦の場合には、大学側で候補者の選考が行われるため、学生本人が自由に推薦枠へ応募できるとは限りません。

また、募集時期、対象となる国・地域、在留資格、年齢、成績、語学要件など、細かな条件が設けられることがあります。

国費留学生を強く希望する方は、KMDの情報だけでなく、慶應義塾大学の国際センターや文部科学省などが公開する最新情報もあわせて確認しておくとよいでしょう。


入学後に応募できる奨学金もある

入学前に選考される奨学金がある一方で、KMDへ入学した後に応募できる奨学金もあります。

大学独自の奨学金のほか、民間財団や各種団体が募集する奨学金など、学生の状況に応じてさまざまな制度が案内されることがあります。

こうした奨学金では、学業成績だけではなく、研究内容、人物、経済状況などが選考材料になる場合があります。

募集期間が短いこともあるため、「必要になったら探そう」ではなく、入学後から定期的に奨学金情報を確認する習慣をつけておくことが大切です。


私費外国人留学生向けの情報を確認する

日本政府や外国政府などから学費・生活費の支援を受けていない「私費外国人留学生」を対象とした奨学金もあります。

私費留学生向けの制度では、月額の給付を受けられるものや、学費負担を軽減するものなど、内容はさまざまです。

ただし、同じ留学生でも、在留資格や入学時期、正規課程かどうか、他の奨学金を受給しているかなどによって応募資格が異なることがあります。

そのため、「留学生だから応募できるはず」と判断せず、必ず募集要項を確認してください。


奨学金は「給付型」と「貸与型」を区別する

奨学金を探す際には、給付型と貸与型の違いも確認しましょう。

給付型奨学金は、原則として返済する必要のない支援です。一方、貸与型は卒業後などに返済が必要になる制度です。

また、学費全額が支援される制度もあれば、一定額の生活費のみが支給される制度もあります。

「奨学金をもらえるかどうか」だけではなく、自分が実際に必要とする年間費用と照らし合わせ、どの程度の負担軽減になるのかを計算しておくことが重要です。

特に留学生の場合、授業料だけでなく、家賃、食費、保険、交通費、渡航費なども含めて資金計画を立てておきましょう。


入学前の奨学金だけを前提に資金計画を立てない

注意したいのが、「奨学金に採用される前提」で進学資金を計算してしまうことです。

奨学金には選考があり、応募資格を満たしていても必ず採用されるとは限りません。また、大学推薦型の場合には、そもそも候補者に選ばれない可能性もあります。

そのため、奨学金を活用したい場合でも、「採用されなかった場合にどうするか」を考えておくことをおすすめします。

自己資金、家族からの支援、学費の支払時期、アルバイトの可否などを含めて複数のパターンを考えておけば、進学後の経済的不安を減らすことができます。


入学後は大学からの案内をこまめに確認する

奨学金の募集情報は、大学のWebサイトだけでなく、在学生向けのポータルサイトやメールなどで案内されることがあります。

特に民間財団などの奨学金は、それぞれ募集期間が異なり、提出期限までの期間が短いこともあります。

入学後は「奨学金」というキーワードの案内を定期的に確認し、自分が応募できそうな制度があれば早めに必要書類を準備しましょう。

推薦状や成績証明書、研究計画、経済状況を示す書類などが必要になる場合もあるため、締切直前に準備を始めるのは避けたいところです。


研究計画を分かりやすく説明できることも重要

奨学金の中には、研究内容や将来計画を審査するものもあります。

その場合、KMDの入試で準備したStatement of Purposeや研究計画の内容が、そのまま役立つことがあります。

なぜその研究をしたいのか、社会にどのような価値があるのか、なぜKMDで学ぶ必要があるのか、修了後にどのように活かすのか。こうした内容を整理しておけば、奨学金申請書の作成にも対応しやすくなります。

院試対策と奨学金対策は完全に別の作業ではありません。自分の研究テーマと将来像を明確にすることが、どちらにもつながります。


奨学金だけでKMDを選ばない

経済的な支援は非常に重要ですが、奨学金があることだけを理由にKMDを志望するのはおすすめできません。

まず、自分がKMDで研究したいことがあるか、リアルプロジェクトや国際的な環境が自分の研究に合っているかを考える必要があります。

そのうえで、実際に進学するための資金面を支える手段として奨学金を検討しましょう。

出願書類や面接でも、奨学金への関心より、「KMDで何を実現したいのか」が中心になるべきです。


分からない場合は担当窓口の最新案内を確認する

奨学金制度は毎年度変化する可能性があります。

過去に募集されていた制度が終了することもあれば、新しい制度が追加されることもあります。また、同じ名称の奨学金でも、支給額や応募条件が変更される場合があります。

インターネット上の受験体験記や数年前の情報だけで判断せず、KMD、慶應義塾大学の奨学金案内、国際センターなどの公式情報を確認してください。

制度によって問い合わせ先も異なるため、質問する場合は、募集要項に記載された担当窓口へ確認することが大切です。


まとめ

KMDへの進学を検討する留学生が奨学金を調べる際には、「入学前に関係する制度」と「入学後に応募する制度」を分けて考えることが重要です。

入学前の奨学金の中には、大学や研究科が候補者を選び、推薦するタイプがあります。この場合、受験生自身が自由に直接応募できるとは限りません。

一方、入学後には、大学独自の奨学金や民間財団など、学生自身が応募できる制度が案内されることがあります。募集時期を逃さないためにも、入学後は大学からの情報を継続的に確認しましょう。

また、奨学金は必ず採用されるものではありません。進学資金については、奨学金が得られなかった場合も含めて現実的な計画を立てておくことが大切です。

KMDへの出願準備では、まず研究テーマや志望理由をしっかり固め、そのうえで、自分の国籍、在留資格、入学時期などに合った支援制度を早めに調べておきましょう。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。KMDおよび慶應義塾大学で利用できる留学生向け奨学金の名称、募集時期、支給額、応募資格、推薦・選考方法、申請時期などは年度によって変更される場合があります。また、特定の奨学金について大学・研究科から候補者を選出する制度であっても、その対象や選出方法が毎年度同一とは限りません。受験・進学を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、慶應義塾大学の奨学金・国際センター等の公式サイトおよび最新の募集案内をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。