【KBSの魅力】実践的教育の核「慶應型ケースメソッド」とは?
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今回のテーマは「【KBSの魅力】実践的教育の核『慶應型ケースメソッド』とは?」です。
前回は、KBSのMBAプログラムとEMBAプログラムについてご紹介しました。対象や学び方は異なりますが、どちらのプログラムにも共通している大きな特徴があります。
それが、KBSの教育の中心にある「慶應型ケースメソッド」です。
ケースメソッドという言葉を聞いたことがある方も多いかもしれません。しかし、実際にどのような学び方なのか、通常の講義と何が違うのかまでは、なかなかイメージしにくいものです。
今回は、KBSが長年磨き上げてきた慶應型ケースメソッドについて、受験生の皆さんにもわかりやすくご紹介します。
慶應型ケースメソッドとは何か
慶應型ケースメソッドとは、実際の企業や組織が直面した経営課題を題材に、学生自身が経営者の立場で考え、議論する学習方法です。
一般的な講義では、教員が知識を説明し、学生はそれを聞いて理解するという流れが中心になります。
一方、ケースメソッドでは、教員が一方的に正解を教えるわけではありません。
学生は事前にケースを読み込み、「自分がこの企業の経営者だったら、どのような判断をするか」を考えます。そして授業では、自分の意見を述べ、他の学生と議論を重ねます。
つまり、知識を受け取るだけの学びではなく、自分の頭で考え、言葉にし、他者の意見とぶつけながら深めていく学びです。
KBSでは、この慶應型ケースメソッドを通じて、理論と実務のバランスを重視した実践的な教育を行っています。
正解のない課題に向き合う力を鍛える
ビジネスの現場では、教科書のように正解が一つに決まっている問題ばかりではありません。
新規事業に投資すべきか。
不採算事業を撤退すべきか。
海外市場に進出すべきか。
競合が価格を下げてきた時にどう対応するか。
こうした経営判断には、必ず不確実性があります。情報が十分にそろっていない中で、リスクを取りながら意思決定しなければなりません。
ケースメソッドでは、まさにそのような状況を疑似体験します。
学生は、限られた情報をもとに企業の置かれた状況を分析し、自分なりの結論を出します。
そして授業では、その結論が本当に妥当なのかを、他の学生や教員との議論を通じて検証していきます。
この繰り返しによって、正解のない問題に向き合う力が鍛えられていきます。
予習、討論、振り返りの濃密なサイクル
KBSのケースメソッドは、授業時間だけで完結するものではありません。
むしろ、授業前の準備からすでに学びは始まっています。
学生は事前にケースを読み込み、企業の状況、業界環境、競合、財務情報、組織上の課題などを整理します。
そのうえで、自分ならどのような意思決定をするかを考え、根拠を持って説明できるように準備します。
授業では、学生同士が意見を交わします。自分の考えを発言し、他の人の意見を聞き、時には反論を受けながら、自分の考えを磨いていきます。
授業後には、議論を振り返り、自分の見落としていた視点や、新しく得た気づきを整理します。
この「予習、討論、振り返り」のサイクルを何度も繰り返すことで、単なる知識ではなく、実際に使える経営能力が身についていきます。
教室の主役は学生自身
慶應型ケースメソッドでは、教室の主役は教員ではなく学生です。
教員は、議論を深めるための問いを投げかけたり、論点を整理したりする役割を担います。
しかし、最終的に考え、発言し、議論を動かすのは学生自身です。
そのため、授業にただ出席しているだけでは学びは深まりません。
自分なりの意見を持ち、発言し、他者の意見に耳を傾ける姿勢が必要です。
最初は、自分の考えを人前で話すことに緊張する方もいるかもしれません。
しかし、回数を重ねるうちに、論理的に話す力や、相手の意見を受け止めながら議論する力が自然と鍛えられていきます。
これは、経営者やリーダーにとって欠かせない力です。
多様な学生との議論が学びを深める
KBSのケースメソッドをさらに豊かにしているのが、学生の多様性です。
KBSには、学生、若手社会人、企業派遣の社会人、さまざまな業界で経験を積んだ人たちが集まります。
同じケースを読んでも、見るポイントは人によって異なります。
金融業界の人は資金調達やリスク管理に注目するかもしれません。
メーカー出身の人は生産体制や品質管理に目を向けるかもしれません。
IT業界の人はデータ活用や顧客体験の変化に着目するかもしれません。
こうした多様な視点が教室で交わることで、一人ではたどり着けなかった考えに出会うことができます。
自分の常識が、他の人にとっては常識ではないと気づくこともあります。
この経験は、組織を率いるリーダーにとって非常に重要です。
実務経験と体系的知識が結びつく
ケースメソッドの魅力は、実務経験と体系的知識が結びつく点にもあります。
ビジネス経験のある学生は、自分の現場で見てきたことをもとに発言します。
一方で、教員は経営理論や研究成果をもとに、議論を整理し、より深い理解へと導きます。
実務だけでは、経験則に偏ってしまうことがあります。
理論だけでは、現場の複雑さを十分に捉えきれないこともあります。
KBSのケースメソッドでは、この2つを行き来しながら学ぶことができます。
現場で感じていた違和感が理論によって説明できたり、理論を使うことで実務の課題が整理できたりするのです。
経営者としての思考回路を鍛える
ケースメソッドで鍛えられるのは、知識だけではありません。
経営者としての思考回路そのものです。
経営者は、部分だけではなく全体を見なければなりません。
売上だけでなく、利益、組織、人材、顧客、競合、社会的影響など、さまざまな要素を同時に考える必要があります。
また、自分の判断を周囲に説明し、納得してもらい、実行に移す力も必要です。
KBSのケースメソッドでは、こうした経営者に必要な総合的な力を、繰り返しの議論を通じて鍛えていきます。
まさに、ビジネスパーソンとしての考え方を、経営トップの視点へと引き上げる学びだと言えるでしょう。
まとめ
今回は、KBSの実践的教育の核である慶應型ケースメソッドについてご紹介しました。
慶應型ケースメソッドは、実際の企業の経営課題を題材に、自分が経営者ならどう判断するかを考え、議論を通じて学びを深める教育方法です。
受け身で知識を覚えるのではなく、自ら考え、発言し、多様な意見を受け止めながら、実践的な経営能力を身につけていきます。
予習、討論、振り返りを繰り返す濃密な学びの中で、学生は正解のない問題に向き合う力を鍛えます。
KBSを目指す方は、入学後にこのような学びが待っていることをぜひ意識しておきましょう。
自ら考え、議論し、成長していく覚悟がある方にとって、KBSの慶應型ケースメソッドは非常に大きな学びの機会になるはずです。
※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。入試制度やカリキュラム、プログラム内容は変更される場合があります。最新情報については、必ず慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)公式サイトをご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


