KMD入試の変更点まとめ|言語区分廃止・英語化など2027年度入試のポイント

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2027年度入学を目指して慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科、通称KMDの受験を検討している方にとって、まず確認しておきたいのが近年の入試制度や教育環境の変更です。KMDは2026年度から新たな方針を打ち出しており、入試の使用言語や授業環境などにも大きな変化が見られます。過去の受験体験記や数年前の情報だけをもとに準備を進めると、現在の制度とズレてしまう可能性がありますので注意が必要です。

今回は、KMDが公表している最新情報をもとに、2027年度入学を検討している受験生が特に知っておきたい変更点を整理して解説します。


2026年度からKMDが大きく変わる

KMDは2026年度から、新たな方向性として「Design by action」を掲げています。これは、未来をただ予測するのではなく、自ら行動を起こし、その行動を通じて新しい未来を形にしていくという考え方です。

KMDでは、人の生活や身体、社会制度、地球環境、情報環境なども広い意味でのメディアとして捉えています。そのうえで、既存の知識と新しい発想を組み合わせ、これまでの枠組みそのものを変えていくことを目指しています。2026年度からは新しい研究領域の開拓や国際化、英語カリキュラム、産学共創など、研究科全体でさまざまな変更が進められています。

そのため、KMDを志望する場合は、単に過去のカリキュラムや入試制度を調べるだけではなく、研究科が今後どの方向を目指しているのかまで理解しておくことが重要です。


4月入学と9月入学の言語区分が一本化

大きな変更点のひとつが、4月入学と9月入学における使用言語の考え方です。KMDは2026年度から、4月入学と9月入学の使用言語を英語に一本化すると公表しています。これにより、日本人か留学生か、4月入学か9月入学かにかかわらず、よりボーダレスな環境で学ぶ方針が明確になりました。

以前のKMDについて調べると、「4月入学は日本語中心」「9月入学は英語中心」といった説明を目にすることがあります。しかし、2027年度入学を目指す場合、その認識のまま受験準備を進めるのは適切ではありません。

特に、英語に不安がある日本人受験生は注意が必要です。「日本語で受験できる時期を選べばよい」という考えではなく、最初から英語を使うことを前提に準備を始める必要があります。


入試は英語で実施される方針に

KMDは、4月入学、9月入学ともに英語による入試を実施することを明示しています。2026年度の修士課程募集要項でも、選考は書類による一次選考とオンライン面接による二次選考で構成され、KMDの選考は英語で実施されることが示されています。

これは院試対策を考えるうえで非常に重要な変更です。研究内容について日本語では説明できても、英語になると言葉が出てこないという状態では、面接で自分の考えを十分に伝えられない可能性があります。

そのため、英語面接の準備は出願直前に始めるのではなく、できるだけ早い段階から進めておきたいところです。自己紹介、研究テーマ、研究の背景、KMDを志望する理由、入学後に取り組みたいことなど、院試で聞かれやすい内容を英語でも説明できるようにしておく必要があります。


授業も原則として英語へ

入試だけではなく、入学後の学習環境も変化しています。KMDは2026年度から、授業についても英語での開講を原則とし、英語運用能力としてCEFR B2レベルを求める方針を示しています。一方で、研究活動や学位論文の執筆については、日本語で行うことも可能とされています。

つまり、英語は入試を突破するためだけに必要なのではありません。入学後に授業へ参加し、教員や学生と議論し、自分の意見を伝えていくためにも重要になります。

受験生としては、英語の試験対策だけに集中するのではなく、自分の研究内容について英語で説明する練習や、英語で質問を受けてその場で答える練習も取り入れておくとよいでしょう。


新しい研究領域も開拓されている

KMDでは2026年度から新しい教員を迎え、新たな研究領域を開拓していくことも公表されています。KMDにはもともと、テクノロジー、デザイン、エンターテインメント、コミュニケーション、地域、教育など、多様なテーマを扱うリアルプロジェクトがあります。

そのため、志望理由書や研究計画を作成する際には、「以前からこの研究室が有名だから」という理由だけで指導環境を考えるのではなく、現在どのような教員が在籍し、どのようなプロジェクトが動いているのかを改めて確認することが大切です。

自分の研究テーマと現在のKMDの研究領域との接点を具体的に示すことができれば、「なぜKMDなのか」という志望理由にも説得力が出てきます。


ボーダレスな学習環境がさらに重視される

今回の変更では、国籍や入学時期を問わず、多様な学生が一緒に学ぶ環境をより強く打ち出している点にも注目したいところです。KMDは、4月入学と9月入学の使用言語を英語に一本化することで、多様な学生同士の協働を促す「No border / Trans-Cultural Experience」を掲げています。

これは単純に「英語ができる人を求めている」という話ではありません。異なる文化、専門、価値観を持つ人と一緒に活動し、自分とは違う意見を取り入れながら新しいものを生み出す姿勢も重要になると考えられます。

志望理由書や面接でも、海外経験の有無だけをアピールするのではなく、これまで異なる立場や専門性を持つ人とどのように協働してきたのかを振り返っておくとよいでしょう。


産学共創の新しい仕組みにも注目

KMDでは、複数の研究領域を横断しながら産学共創を進める新しい共同研究プログラムを設立することも発表されています。もともとKMDでは、企業や社会と関わりながら現実の課題に取り組むことを重視しており、共同研究やリアルプロジェクトなどを通じた実践的な活動が行われています。

研究成果を論文の中だけで完結させるのではなく、社会にどのようにつなげるのかという視点は、KMDを志望するうえでも重要です。自分の研究テーマについて考える際には、「何を研究したいか」だけでなく、「その研究によって誰にどのような変化をもたらしたいのか」まで考えてみましょう。


2027年度入学を目指す人が今から準備したいこと

こうした変更を踏まえると、2027年度入学を目指す受験生は、これまで以上に早めの準備が重要になります。

まず取り組みたいのが英語です。英語による入試を前提として、自分の研究テーマや志望理由を英語でも説明できるようにしておきましょう。

次に、KMDの最新の研究領域や教員、リアルプロジェクトを確認することです。研究科自体が変化しているため、数年前の記事だけを参考にするのではなく、現在のKMDで何が行われているのかを調べる必要があります。

そして、自分の研究テーマとKMDの新しい方向性を無理なくつなげていくことも大切です。「Design by actionだから行動力があります」といった表面的な合わせ方ではなく、自分がどのような問題意識を持ち、それをKMDでどのように形にしたいのかを具体的に考えていきましょう。


まとめ

KMDは2026年度から、「Design by action」という考え方のもとで大きな変化を進めています。4月入学と9月入学の使用言語の一本化、英語による入試、英語を原則としたカリキュラム、新しい研究領域の開拓、さらに産学共創の強化など、受験生が把握しておきたい変更点は少なくありません。

特に2027年度入学を目指す方は、「以前のKMDはこうだった」という情報だけで判断せず、現在の制度を基準に準備することが重要です。英語対策を早めに進めるとともに、最新の教員や研究テーマ、プロジェクトを調べ、自分がKMDで何を実現したいのかを具体的に言葉にしていきましょう。

入試制度の変更は一見すると不安に感じるかもしれませんが、求められていることを早い段階で理解できれば、準備すべき内容も明確になります。最新情報を確認しながら、一つずつ対策を進めていくことが大切です。


※本記事は執筆時点の情報をもとに作成しています。KMDの入試制度、募集要項、選考方法、使用言語、カリキュラムなどは年度や入試期によって変更される場合があります。受験を検討される際は、必ず慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイトおよび最新の募集要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。