
【教員紹介】陳敦雅(Dunya Donna Chen)准教授|多国籍ブランド15年の実務経験とカウンセラー資格を併せ持つ研究者
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今回のテーマは「【教員紹介】陳敦雅(Dunya Donna Chen)准教授|多国籍ブランド15年の実務経験とカウンセラー資格を併せ持つ研究者」です。
KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)教員紹介シリーズの第18回では、多国籍企業でのブランディング実務と、カウンセリングの専門性を併せ持つ陳敦雅(Dunya Donna Chen)准教授を紹介します。
陳准教授は、グローバルブランド管理やマーケティングコミュニケーションを専門とする一方、人の内面に向き合うカウンセラーとしての経験も持っています。商品やサービスをどう届けるかというビジネスの視点と、人が何を感じ、何を求めているのかを丁寧に理解する視点の両方を持つ点が特徴です。マーケティング、ブランド、コミュニケーション、消費者心理などに関心のある受験生にとって、KMDで考えられる研究テーマの広さを知る手がかりになるでしょう。
陳敦雅准教授はどのような研究者なのか

陳敦雅准教授の専門分野は、グローバルブランド管理、統合型マーケティングコミュニケーション、デジタルメディアコミュニケーション、コンシューマーインサイト、製品管理、カウンセリングなどです。
多国籍ブランドにおいて15年以上の実務経験を持ち、製品開発からマーケティングコミュニケーション、企業ブランド管理まで幅広い業務に携わってきました。さまざまな業界において、ビジネス上の目標に合わせたキャンペーンを考え、実際に指揮してきた実務家でもあります。
マーケティング研究というと、大学で理論を学び、その後研究者になるという経歴を想像する方もいるかもしれません。しかし、陳准教授の場合は、企業の現場でブランドや商品を実際に市場へ届ける経験を積んだ上で、その知識を教育や研究へつなげています。
KMDには、研究だけでなく企業や社会での実践経験を持つ教員が複数在籍しています。陳准教授の経歴も、実務上の課題を研究テーマへ発展させるというKMDの特徴を理解する一例になります。
ブランドを伝えるだけでなく人の心理まで考える
陳准教授の専門領域で重要になるのが、コンシューマーインサイトです。これは、消費者が何を買ったのかという表面的な行動だけでなく、なぜその商品を選んだのか、どのような価値観や感情がその行動の背景にあるのかを理解しようとする視点です。
たとえば、同じ機能や価格の商品が複数ある場合でも、消費者が特定の商品やブランドを選ぶことがあります。その理由は、機能だけでは説明できない場合があります。ブランドに対する信頼感、自分らしさとの一致、過去の経験、広告を見たときの感情など、さまざまな要素が関係します。
陳准教授は、製品管理やブランド管理だけでなく、デジタルメディアを通じたコミュニケーションも専門としています。SNSやオンライン広告などが日常生活に浸透した現在では、企業が一方的に情報を発信するだけではなく、消費者がブランドについて発信し、その情報がさらに別の人へ広がることも珍しくありません。
そのため、現代のマーケティングを研究するには、商品そのものだけでなく、人とブランド、人とメディア、人と人との関係まで考える必要があります。
カウンセラーとしての経験を持つことの意味
陳准教授の経歴の中でも特徴的なのが、香港專業輔導協會の認定カウンセラーとしての資格を持ち、カウンセリングサービスにも携わってきたことです。
マーケティングでは、人の行動を分析し、商品やサービスを選んでもらうための方法を考えます。一方、カウンセリングでは、その人自身の悩みや感情、価値観に向き合いながら、本人の話を丁寧に聞くことが求められます。
一見すると別の分野ですが、どちらにも「人を理解する」という共通点があります。購買履歴やクリック数などのデータから人の行動を分析することはできますが、それだけでは本人がなぜその行動を取ったのかまでは分からない場合があります。
人の感情や考え方まで含めて理解しようとする姿勢は、コンシューマーインサイトを考える際にも役立ちます。研究テーマとしてマーケティングを扱う受験生も、単に「売れる方法」を考えるのではなく、その商品やサービスが利用者にとってどのような意味を持つのかまで考えることで、研究を深めることができます。
Concordiaプロジェクトでコミュニケーションを考える

KMDにおいて、陳准教授はリアルプロジェクト「Concordia」を主宰しています。記事案によると、このプロジェクトでは、言語をはじめとするさまざまな媒体を通じて、人間の表現がどのように流れ、他者へ伝わっていくのかを探っています。
テーマとして掲げられている「Share to Understand」は、理解するために分かち合うという考え方です。人が何かを伝えたからといって、相手に同じ意味で伝わるとは限りません。文化、言語、価値観、経験が異なれば、同じ表現でも受け取り方が変わることがあります。
これはグローバルブランドにとっても重要な問題です。ある国で効果的だった広告表現が、別の文化では同じように受け止められないこともあります。また、デジタルメディアでは短い文章や画像、動画など限られた情報から意味が伝達されるため、誤解が生まれることもあります。
ブランドコミュニケーションを研究する際にも、「どう伝えるか」だけでなく、「相手がどう受け取るか」「異なる背景を持つ人同士がどう理解し合えるか」という視点が重要になります。
受験生はビジネス経験を研究上の問いに変える

陳准教授の研究に関心がある受験生は、自分がマーケティングやコミュニケーションのどの部分に疑問を持っているのかを具体化するとよいでしょう。
たとえば、グローバル企業のブランドが国ごとにどのように受け止められるのか、SNS上で企業と消費者の関係がどのように変化しているのか、消費者の感情がブランド選択にどのような影響を与えるのかなど、研究テーマにはさまざまな方向性があります。
営業、広報、マーケティング、商品企画などの仕事を経験している社会人であれば、現場で感じた疑問を研究計画につなげることもできます。「この広告はなぜ反応が良かったのか」「企業が伝えたいブランドイメージと消費者の受け止め方に、なぜ差が生まれるのか」といった実務上の違和感も、研究上の問いになり得ます。
志望理由や面接では、単にマーケティングを学びたいと説明するのではなく、自分がどのような人や社会の課題を理解したいのかまで整理することが重要です。陳准教授が持つブランディングとカウンセリングという異なる専門性の組み合わせからも、自分の過去の経験を一つの分野に限定せず、複数の視点を研究へ結びつける考え方を学ぶことができます。
まとめ
陳敦雅准教授は、多国籍ブランドにおける15年以上の実務経験を持ち、グローバルブランド管理、マーケティングコミュニケーション、コンシューマーインサイトなどを専門とする研究者です。
さらに、認定カウンセラーとして人の内面に向き合ってきた経験も持ち、ブランドや消費行動を単なる数字として見るのではなく、人の感情や価値観、相互理解まで含めて考えている点が特徴です。KMDではConcordiaプロジェクトを通じて、表現やコミュニケーション、人と人との理解についても研究しています。
KMDへの進学を考えている方で、マーケティング、グローバルブランド、消費者心理、デジタルコミュニケーションなどに関心がある場合は、自分が「誰を理解したいのか」「どのようなコミュニケーション上の問題を研究したいのか」を整理してみてください。実務経験や異なる専門分野を組み合わせて研究テーマを考えることが、研究計画や志望理由、面接の準備にもつながります。
※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、カリキュラム、教員の所属・役職・研究内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


