
【教員紹介】山岡潤一准教授|マテリアルの特性を活かすデジタルファブリケーション研究
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今回のテーマは「【教員紹介】山岡潤一准教授|マテリアルの特性を活かすデジタルファブリケーション研究」です。
KMD(慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)教員紹介シリーズの第3回では、デジタルファブリケーションとメディアアートの両方に関わりながら研究を進める山岡潤一准教授を紹介します。
山岡准教授の研究を理解する上で重要なのは、3Dプリンタやレーザーカッターなどの技術だけに注目するのではなく、素材そのものが持つ性質に目を向けている点です。今回は、これまでの経歴や研究の特徴、国際学会での発信、メディアアート作品の制作などを通して、KMDを志望する受験生がどのような視点で研究との接点を考えられるのか整理していきます。
山岡潤一准教授はどのような研究者なのか

山岡潤一准教授の専門分野は、ヒューマンコンピュータインタラクション、デジタルファブリケーション、メディアアート、インタラクティブメディアです。技術開発と表現活動のどちらか一方に限定されるのではなく、複数の領域を行き来しながら研究を進めています。
2013年に慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科の修士課程を修了し、2015年には同研究科の博士課程を修了しました。その後、日本学術振興会特別研究員(PD)、マサチューセッツ工科大学(MIT)での訪問研究員、東京大学大学院情報学環の特任助教などを経て、KMDの専任講師となり、現在は准教授を務めています。
慶應義塾大学大学院で研究者としての基礎を築き、その後、国内外の異なる研究環境を経験しながら研究領域を広げてきたことが分かります。大学院修了後に研究者として活動したいと考えている受験生にとっても、ひとつのキャリアの例として参考になる経歴です。
素材の性質から新しいものづくりを考える
山岡准教授の研究で特徴的なのが、マテリアル、つまり素材そのものの性質に着目している点です。デジタルファブリケーションというと、3Dプリンタやレーザーカッターなどの機器を使って何かを作る技術をイメージする方も多いでしょう。しかし、山岡准教授の研究では、機器の性能だけではなく、加工する素材がどのような性質を持っているのかまで含めて考えます。
素材には、硬さ、柔らかさ、伸びやすさ、変形のしやすさなど、それぞれ異なる特徴があります。こうした物理的な特性を理解した上でデジタル技術と組み合わせることで、これまでの方法では難しかった表現やものづくりの可能性を探っているのです。
記事案で紹介されている研究例のひとつが、柔軟な粘土素材を利用した高速な立体造形手法です。ここでも、単に新しい装置を開発するというより、粘土という素材が持つ柔軟性や加工のしやすさに注目し、その特徴を活用して新しい造形方法につなげています。
このような研究からは、素材を制約として捉えるのではなく、新しい表現や課題解決の手がかりとして考える姿勢が見えてきます。ものづくりに関心のある受験生にとっては、自分が普段使っている素材について改めて考えるきっかけにもなるでしょう。
UISTやCHIなど国際学会で研究成果を発信
山岡准教授の研究成果は、ヒューマンコンピュータインタラクションに関する国際的な研究コミュニティでも発信されています。記事案では、UIST、CHI、SIGGRAPHなどの国際会議に研究成果が採択されていることが紹介されています。
2017年には、UISTにおいてACM UIST Honorable Mentionを受賞しています。こうした実績からは、デジタルファブリケーションやインタラクティブメディアに関する研究が、国内だけではなく海外の研究者が集まる場でも発表されてきたことが分かります。
大学院で研究を始めると、研究成果を論文や発表という形で外部に伝える機会が生まれます。特に、将来的に国際学会への参加を考えている方は、教員がどのような学会で研究成果を発信しているのかも確認しておくとよいでしょう。
研究テーマだけでなく、その研究がどの分野の研究者とつながっているのかを知ることで、KMDで研究した場合にどのような研究コミュニティへ参加する可能性があるのかもイメージしやすくなります。
研究とメディアアートを行き来する活動

山岡准教授は、研究活動と並行して、フィジカルな世界とデジタル技術を組み合わせたメディアアート作品の制作にも取り組んでいます。
作品は、オーストリアのArs Electronica、モスクワのSolyanka State Gallery、インドのTechFestなど海外の会場で発表されてきました。また、国内でもICC(NTTインターコミュニケーション・センター)や福岡アジア美術館などで展示されています。
さらに、WIRED CREATIVE HACK AWARD 2014のグランプリ、文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品への選出、グッドデザイン賞など、研究者としてだけではなく、表現活動の分野でも評価を受けています。
ここで注目したいのは、研究とアートを別々の活動として扱うのではなく、技術研究から生まれた発想を表現につなげたり、作品制作の中で生まれた問いを研究に戻したりできる点です。研究成果を論文だけで示すのではなく、実際に人が見たり触れたりできる作品として提示することも、研究を社会へ伝える方法のひとつと考えられます。
社会実装と受験生が考えたい研究との接点

山岡准教授は、研究やアート作品の制作だけでなく、研究成果を社会につなげる活動にも取り組んでいます。記事案では、STEM教育向けの電子知育玩具を企業と共同開発した事例が紹介されています。
このような活動を見ると、研究で得た知識や技術が、教育や製品など実際の社会で利用される形へと発展する可能性があることが分かります。研究、アート、製品開発を分けて考えるのではなく、それぞれをつなぎながら新しい価値を考えていることが山岡准教授の活動の特徴です。
山岡准教授の研究に関心を持った受験生は、単に「3Dプリンタを使いたい」「メディアアートを作りたい」と考えるだけでなく、自分がどのような素材やものづくりに関心を持ってきたのかを振り返ってみるとよいでしょう。
たとえば、これまでの制作活動で素材の扱いに難しさを感じた経験や、既存の加工方法では実現できなかった表現があれば、それ自体が研究の問いにつながる可能性があります。出願書類や面接でも、技術への興味だけではなく、その技術や素材を使って何を実現したいのかまで整理しておくことで、自分の問題意識を具体的に伝えやすくなります。
まとめ
山岡潤一准教授は、ヒューマンコンピュータインタラクションやデジタルファブリケーションを専門としながら、素材が持つ特性を活用した新しいものづくりの可能性を研究しています。また、UIST、CHI、SIGGRAPHなどで研究成果を発信する一方、国内外でメディアアート作品を発表し、企業との共同開発にも取り組んできました。
山岡准教授の研究を理解する上では、単に最新の加工技術を見るのではなく、素材と技術、人間の体験、アート表現がどのようにつながっているのかに注目することが大切です。KMDへの出願を考えている方は、自分自身のものづくりの経験や素材への関心を振り返り、それをどのような研究課題へ発展させられるのか考えてみてください。こうした整理は、研究計画や志望理由、面接の準備にもつながります。
※本記事は記事作成時点の情報をもとに作成しています。入試制度、出願資格、提出書類、カリキュラム、教員の所属・役職・研究内容などは変更される場合があります。受験を検討している方は、必ず慶應義塾大学および慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科の公式サイト、最新の入学試験要項をご確認ください。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


