「専任教員全員に届く」は本当?慶應SDM入試の事前コンタクト申込みフォームの仕組みと注意点

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今回のテーマは「『専任教員全員に届く』は本当?慶應SDM入試の事前コンタクト申込みフォームの仕組みと注意点」です。


慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科、通称慶應SDMへの出願を考えている方が、必ず確認しなければならないのが教員との事前コンタクトです。

慶應SDMでは、修士課程・後期博士課程ともに、出願にあたって教員との事前コンタクトが必要とされています。気になる教員のメールアドレスを探して個別に連絡するのではなく、公式サイトに設けられた事前コンタクト申込みフォームを利用するのが基本です。

このフォームには、一般的な問い合わせフォームとは異なる重要な特徴があります。それは、コンタクトを希望する教員を1名選択して送信しても、その内容が専任教員全員に届くという点です。

この仕組みを知らずに複数の教員へ異なる内容を送ると、研究テーマや志望理由に矛盾が生じるおそれがあります。事前コンタクトを送信する前に、フォームの特徴と注意点を正しく理解しておきましょう。


希望する教員を1名選んでも全員に共有される

事前コンタクト申込みフォームでは、相談を希望する教員を1名選択します。しかし、送信内容は選択した教員だけに届くわけではなく、専任教員全員に共有される仕組みとなっています。

例えば、A先生を選択し、「先生の研究に強く関心を持っています」と送信した場合、その文章はA先生以外の専任教員も確認することになります。

また、後日B先生を選んで別のメッセージを送った場合も、その内容はA先生を含む専任教員全員に共有されます。

そのため、事前コンタクトは特定の教員だけが読む個人的なメールではありません。研究科全体に自分の経歴、問題意識、研究構想を伝える文章であると考えて準備する必要があります。


なぜ専任教員全員に共有されるのか

公式情報では、この仕組みが採用されている詳しい理由までは示されていません。ただし、慶應SDMの学際的な研究環境を考えると、受験生の研究テーマを研究科全体で確認する意味があると考えられます。

慶應SDMでは、経営、組織、技術、地域、教育、政策、医療など、多様な分野の課題を扱います。一つの研究テーマが、複数の教員の専門領域にまたがることも珍しくありません。

受験生本人はA先生が最も適していると考えていても、研究方法や対象によっては、B先生やC先生の専門性がより近い可能性もあります。

事前コンタクトの内容が共有されることで、研究科側が受験生のテーマを多角的に確認し、指導の可能性を検討しやすくなると考えられます。ただし、これは一般的な大学院での研究指導の性質を踏まえた考察であり、公式に示された理由ではありません。


複数の教員に連絡すること自体は問題ではない

自分の研究テーマが複数の教員の専門分野に関係する場合、複数の教員へ事前コンタクトを取りたいと考えることもあるでしょう。

複数の教員へ連絡すること自体を過度に避ける必要はありません。重要なのは、なぜ複数の教員に相談したいのかを説明できることです。

例えば、地域における新しい移動サービスを研究する場合、ある教員にはシステムの構築方法について、別の教員には地域住民の受容や合意形成について相談したいということが考えられます。

このように、中心となる研究課題は同じでも、異なる視点から助言を受けたいという理由が明確であれば、複数の教員への関心にも一貫性を持たせられます。


教員ごとに研究テーマを変えない

複数の教員へコンタクトする際に避けたいのが、教員ごとに研究テーマや志望理由を大きく変えることです。

A先生には組織経営を研究したいと伝え、B先生には地域政策を第一に研究したいと伝えるなど、内容が大きく異なると、受験生が本当に取り組みたい課題が伝わりにくくなります。

研究の視点や方法が複数あること自体は問題ではありません。しかし、その中心にある問題意識は一貫している必要があります。

まずは、自分が解決したい課題、明らかにしたいこと、研究対象を整理しましょう。その上で、A先生にはどの点を相談したいのか、B先生にはどの点について助言を受けたいのかを分けて説明します。


全員が読むことを前提に文章を作る

事前コンタクトの文章は、希望する教員だけではなく、専任教員全員が読むことを前提に作成しましょう。

文章には、現在の経歴、研究したい課題、その課題に関心を持った背景、慶應SDMで研究したい理由、希望教員の専門分野との接点を簡潔にまとめます。

教員への敬意を示すことは大切ですが、過度に褒める表現や、誰にでも当てはまる内容は避けた方がよいでしょう。「先生のすばらしい研究に感銘を受けました」だけでは、自分の研究との関係が伝わりません。

教員のどの研究や考え方に関心を持ち、それが自分の研究課題とどのようにつながるのかを具体的に書くことが重要です。


事前コンタクトでお願いしてよいこと

事前コンタクトは、研究計画書の完成版を添削してもらったり、入試の合格可能性を判断してもらったりする場ではありません。

相談したいのは、自分の研究テーマが教員の専門領域と合っているか、慶應SDMで取り組むことができる内容か、研究の方向性に大きなずれがないかといった点です。

「このテーマで合格できますか」「研究計画書を修正してください」といった依頼は避けましょう。自分で調べ、考えた内容を示した上で、指導の可能性や研究テーマとの適合性について相談する姿勢が大切です。


返信には時間がかかる可能性がある

事前コンタクトを送信しても、すぐに返信が届くとは限りません。教員は授業、学生指導、自身の研究、学会活動、共同プロジェクトなど、多くの業務を担当しています。

また、送られてきた研究構想を読み、指導可能な内容かを検討するためにも時間が必要です。

出願締切の直前に送信すると、返信が届く前に締切を迎える可能性があります。最初の連絡は、できれば出願の2~3か月前を目安に行えるよう準備しましょう。

返信を待つ間も、先行研究の確認、研究計画の整理、証明書類の取得など、進められる作業はあります。返信が来るまで出願準備を止めないことも重要です。


フォームが利用できない期間に注意する

慶應SDMでは、各期の出願締切日から2次選考の合格発表まで、事前コンタクト申込みフォームが閉鎖されます。この期間は、新たに教員とのコンタクトを行うことができません。

出願書類を作成している途中で質問が出てきても、出願締切日を過ぎているとフォームを利用できない可能性があります。

事前コンタクトは、出願後に行えばよい手続きではありません。研究テーマの整理、教員選び、最初の連絡、必要なやり取りを、出願締切より前に終えるようスケジュールを立ててください。


送信前に確認したいポイント

フォームを送信する前には、研究テーマと問題意識が明確になっているか、希望する教員を選んだ理由が具体的に書かれているかを確認しましょう。

複数の教員へ連絡する場合は、以前送った内容と矛盾していないかも見直します。研究テーマの名称、研究対象、目的、方法の説明が、送信するたびに変わっていないか注意してください。

誤字脱字や教員名の間違いにも気をつけましょう。別の教員へ送った文章を流用すると、教員名や研究内容を修正し忘れることがあります。

自分だけで読み返すと見落とすこともあるため、可能であれば第三者に確認してもらうと安心です。


まとめ

慶應SDMの事前コンタクト申込みフォームでは、コンタクトを希望する教員を1名選択しますが、送信した内容は専任教員全員に共有されます。

そのため、事前コンタクトは特定の教員だけに送る個人的なメールではなく、研究科全体に自分の研究構想を伝える文章として準備する必要があります。

複数の教員へ連絡する場合も、中心となる研究テーマや問題意識は一貫させましょう。その上で、それぞれの教員に相談したい理由や研究上の接点を具体的に説明します。

また、教員からの返信には時間がかかる可能性があり、出願締切日から2次選考の合格発表まではフォームが閉鎖されます。出願直前ではなく、余裕を持って研究テーマの整理と教員選びを進めてください。

専任教員全員に内容が共有されることを必要以上に恐れる必要はありません。自分の研究目的を整理し、誰が読んでも分かりやすく、一貫性のある文章を作ることが大切です。


注意事項:本記事は、慶應SDMの事前コンタクトを準備する際の一般的な考え方を含めて作成しています。事前コンタクトの必要条件、申込みフォームの仕様、送信内容の共有範囲、受付期間、教員との連絡方法などは変更される場合があります。受験準備を進める際は、必ず慶應義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科の公式サイトおよび最新の入学試験要項をご確認ください。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。