【慶應SFC院試】「コリアン・スタディーズ」研究計画書の書き方:社会課題を独自イシューに昇華させる

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今回のテーマは「【慶應SFC院試】『コリアン・スタディーズ』研究計画書の書き方:社会課題を独自イシューに昇華させる」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に「コリアン・スタディーズ」に関心がある受験生は、韓国の政治、経済、社会、文化に関する知識を示すだけでなく、現代の韓国社会や日韓関係の中にある課題を自分なりの研究テーマへ落とし込むことが重要です。

韓国研究というと、歴史、外交、K-POP、映画、言語、政治制度などを思い浮かべる方も多いでしょう。もちろん、こうした分野への理解は欠かせません。しかし、SFCでは、韓国について知ること自体を目的にするのではなく、研究を通じて何を明らかにし、社会にどのような変化を生み出したいのかまで問われます。

この記事では、「コリアン・スタディーズ」を志望する受験生に向けて、社会課題を独自のイシューへ発展させる方法と、評価されるプロポーザルの作り方、面接で意識したいポイントを分かりやすく整理します。


コリアン・スタディーズで求められるのは、現代韓国を多面的に見る力

一般的な地域研究では、対象となる国や地域の歴史、政治、文化、社会構造などを丁寧に分析することが中心になります。もちろん、韓国研究でもこうした基礎は重要です。

一方、SFCの「コリアン・スタディーズ」では、韓国で起きている変化を、東アジアや国際社会、日本との関係の中で捉える視点が求められます。例えば、少子高齢化、若者の雇用、住宅問題、教育競争、ジェンダーをめぐる対立、デジタル社会、ポップカルチャー、日韓の世論形成など、研究対象は多岐にわたります。

そのため、プロポーザルでは「韓国の若者文化を研究したい」「日韓関係について調べたい」と書くだけでは不十分です。どの層の、どのような現象に注目し、そこにどのような課題があるのかを具体的に示す必要があります。


独自イシューを作る3つの考え方

大きな社会課題を具体的な問いに絞る

SFCのプロポーザルでは、自ら課題を発見し、研究として提案する姿勢が重視されます。少子高齢化や日韓関係といった大きなテーマをそのまま掲げるのではなく、対象や場面を絞り込むことが大切です。

例えば、「韓国の少子化を研究したい」というテーマだけでは、研究の焦点が見えにくくなります。一方で、「韓国都市部の若年層が結婚や出産を選びにくい背景を、住宅、雇用、家族観の変化から分析する」とすれば、扱う課題が明確になります。

また、「日韓交流を研究したい」という場合も、「K-POPや映像作品を通じて接点を持つ日韓の若者が、政治的対立をどのように捉えているのかを調査し、継続的な対話の仕組みを提案する」と具体化すると、研究の独自性と社会的意義が伝わりやすくなります。

分野融合の視点を取り入れる

SFCらしい韓国研究にするためには、地域研究や国際関係論だけに閉じないことが重要です。情報科学、データ分析、社会学、メディア研究、経済学、教育、デザイン、都市政策などを組み合わせることで、研究の可能性が広がります。

例えば、日韓の世論を扱う場合は、インタビューや文献研究に加えて、SNS上の投稿データを分析する方法があります。ポップカルチャーを扱う場合は、コンテンツの分析だけでなく、ファンコミュニティの形成、消費行動、国際交流への影響まで視野に入れることができます。

また、若者の交流を支えるデジタルプラットフォームを試作し、実際の利用者の反応を検証する研究も考えられます。大切なのは、技術や手法をただ付け加えることではありません。自分が設定した課題を明らかにするために、なぜその方法が必要なのかを説明することです。

現場で検証し、社会への還元方法を示す

SFCでは、研究成果を論文にまとめるだけでなく、現場でどのように活かすかが重視されます。韓国研究においても、現地の人々や組織との接点を持ち、仮説を検証する計画が重要です。

プロポーザルには、韓国でのフィールドワーク、大学生や若者へのインタビュー、NPOや企業へのヒアリング、日韓比較、公開データやSNSデータの分析など、具体的な研究方法を盛り込みましょう。

さらに、研究成果をどのように社会へ返すのかも考える必要があります。政策提言としてまとめるのか、日韓交流プログラムを作るのか、教育現場で使える教材を提案するのか、オンラインコミュニティを試作するのか。研究の出口まで描くことで、実践的なプロポーザルになります。


面接ではSFCで学ぶ必然性を語る

書類審査を通過した後の面接では、「なぜ韓国なのか」「なぜそのテーマなのか」「なぜSFCで研究する必要があるのか」が問われます。

「コリアン・スタディーズ」に参加したい場合は、自分の研究テーマがプロジェクトの問題意識とどのようにつながるのかを説明できるようにしておきましょう。ただ韓国に関心があると伝えるだけでなく、どのようなデータを集め、どのような人と協働し、チームにどのような視点を持ち込めるのかまで考えることが大切です。

韓国社会を現地で研究したい場合は、延世大学など海外大学との学びや交流を、自分の研究計画と結び付けて説明することもできます。現地の研究者や学生とネットワークを築き、日韓比較や共同調査を行う構想があれば、研究の具体性が高まります。

また、韓国での実地調査や国際会議での発表を考えている場合は、研究支援制度の活用も視野に入ります。ただし、制度名を並べるだけでは十分ではありません。その制度を使って何を調べ、どのような成果を生み出したいのかまで説明しましょう。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科の「コリアン・スタディーズ」では、韓国の歴史や社会、文化に関する知識に加えて、現代韓国や日韓関係の中から独自の課題を発見する力が求められます。

合格につながるプロポーザルを作るためには、大きな社会課題を具体的な問いへ絞り込み、分野融合の視点を取り入れ、現場での調査と社会への還元まで一貫して示すことが重要です。韓国を一つの研究対象として眺めるだけでなく、日本や東アジアとのつながりの中で捉えることで、研究に深みが生まれます。

自分自身の経験や問題意識を出発点にしながら、SFCだからこそ実現できる韓国研究を丁寧に組み立てていきましょう。未来の日韓関係や東アジア社会にどのような変化をもたらしたいのかを明確にすることが、説得力のあるプロポーザルへの第一歩になります。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。