慶應SFC院試:アカデミックプロジェクト「安全保障1」で説得力ある研究計画書を書く方法

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今回のテーマは「慶應SFC院試:アカデミックプロジェクト『安全保障1』で説得力ある研究計画書を書く方法」です。

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科、いわゆるSFC大学院の入試では、研究計画書であるプロポーザルと面接が合否を大きく左右します。特に安全保障に関心がある受験生の場合、国際情勢や政策への知識だけでなく、現代社会の中でどのような安全保障上の課題を発見し、どのように解決へ近づけるのかを具体的に示すことが重要です。

SFCには、教員と学生がチームで研究に取り組むアカデミックプロジェクトが設置されています。その中でも「安全保障1」は、国家や地域、社会の安全をどのように守るのかを考えるうえで、国際関係、政策、技術、社会制度などが重なり合う重要なテーマです。

この記事では、「安全保障1」に関心を持つ受験生に向けて、SFCらしいプロポーザルの作り方と、面接で意識したいポイントを分かりやすく整理します。


安全保障研究で求められるのは、知識だけでなく問題発見力

一般的な国際関係学や政治学の大学院では、歴史的事例の分析、理論研究、条約や政策の検討などが中心になることがあります。もちろん、そうした基礎的な理解は安全保障研究において欠かせません。

しかし、SFCで重視されるのは、既存の知識を整理するだけではなく、現代社会の変化を踏まえて新しい課題を発見する力です。安全保障といっても、軍事や外交だけを指すわけではありません。サイバー攻撃、経済安全保障、エネルギー問題、災害、感染症、食料安全保障、気候変動、偽情報、AIの軍事利用など、現代の安全保障は非常に広がりを持っています。

そのため、プロポーザルでは「安全保障について研究したい」と書くだけでは不十分です。どの領域の、どのような新しい課題に注目するのか。その課題が誰にとって、なぜ重要なのか。そして、自分の研究によってどのような提案や改善につなげたいのかを明確にする必要があります。


合格するプロポーザルに必要な3つの視点

社会の変化を踏まえたイシュー設定を行う

SFCのプロポーザルでは、自分自身で課題を発見し、研究として提案する姿勢が重視されます。安全保障分野では、ニュースでよく取り上げられるテーマをそのまま選ぶのではなく、自分なりの問いに落とし込むことが大切です。

例えば、「サイバー安全保障を研究したい」というテーマだけでは広すぎます。一方で、「地方自治体におけるサイバー攻撃への備えを分析し、住民サービスを守るための危機管理体制を提案する」とすれば、対象、課題、方法、社会的意義が見えやすくなります。

また、「東アジアの安全保障を研究したい」という場合も、「経済的な相互依存が高まる中で、サプライチェーンの分断リスクに自治体や企業がどう対応すべきかを検討する」といった形にすると、SFCらしい実践的な研究計画になります。

分野融合の視点を取り入れる

SFCらしい安全保障研究にするためには、政治学や国際関係論だけに閉じないことが重要です。安全保障の課題は、情報技術、経済、環境、地域社会、メディア、心理、法律、データ分析など、さまざまな分野とつながっています。

例えば、偽情報や世論形成を扱う場合は、SNSデータ分析やメディア研究の視点が必要になります。サイバー攻撃への対応を扱う場合は、情報セキュリティの知識と行政制度の理解が必要です。気候変動と安全保障を扱う場合は、環境データ、地域政策、国際協力の視点を組み合わせることができます。

大切なのは、異分野の要素をただ並べることではありません。自分が設定した安全保障上の課題を解決するために、なぜその分野の知識や方法が必要なのかを説明することです。分野融合が研究目的と自然につながっていると、プロポーザルの説得力が高まります。

社会実装までの道筋を描く

SFCの研究では、論文を書いて終わりではなく、研究成果を社会の中でどのように活かすかが重視されます。安全保障研究でも、分析結果を政策提言、危機管理の仕組み、情報共有の方法、教育プログラム、自治体や企業の対応策などにつなげる視点が大切です。

プロポーザルには、文献調査だけでなく、関係者へのヒアリング、自治体や企業への調査、国内外の事例比較、フィールドワーク、データ分析など、具体的な研究方法を盛り込みましょう。

さらに、研究成果を誰に届けるのかも考えておく必要があります。行政機関なのか、企業なのか、地域住民なのか、教育現場なのか。成果の受け手を明確にすることで、研究計画がより実践的になります。


面接ではSFCの環境をどう活かすかを語る

書類審査を通過した後の面接では、プロポーザルの内容について深く質問されます。特に、「なぜそのテーマなのか」「なぜSFCなのか」「入学後にどのような研究活動を行うのか」は必ず整理しておきたいポイントです。

アカデミックプロジェクト「安全保障1」に関心がある場合は、自分の研究テーマがそのプロジェクトの問題意識とどのように重なるのかを説明できるようにしておきましょう。ただし、プロジェクト名を挙げるだけでは十分ではありません。参加後にどのような調査を行い、どのように議論へ貢献し、どのような成果を出したいのかまで語ることが重要です。

また、東アジアや国際的な安全保障を扱う場合は、海外大学との交流、国際的な学修環境、研究成果の海外発信なども視野に入ります。研究支援制度や留学制度に関心がある場合は、自分の研究計画と結び付けて説明できるよう準備しておくとよいでしょう。

面接では、知識量を見せるだけでなく、自分がどの現場に関心を持ち、どのような変化を起こしたいのかを自分の言葉で語ることが大切です。安全保障という大きなテーマを、自分の具体的な研究課題に落とし込んで説明できるようにしましょう。


まとめ

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科のアカデミックプロジェクト「安全保障1」に関心を持つ受験生は、国際関係や政策の知識だけでなく、現代社会の変化を踏まえた問題発見力を示すことが重要です。

合格につながるプロポーザルを作るためには、独自のイシュー設定、分野融合の視点、社会実装までの道筋を一貫して示す必要があります。サイバー、経済、環境、情報、地域社会など、安全保障と関わる多様な分野を組み合わせながら、自分ならではの研究テーマを組み立てていきましょう。

SFCだからこそ実現できる研究計画を描き、面接ではその意義と実現可能性を自分の言葉で説明することが大切です。未来の安全保障にどのような視点から貢献したいのかを明確にし、説得力のあるプロポーザルに仕上げていきましょう。


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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。