院試専門オンライン予備校「志樹舎」が運営する
「慶應義塾大学院の院試対策ガイド」をご覧いただき、ありがとうございます。
今回のテーマは
「研究計画書と修士論文はどうつながっているのか」です。
院試対策をしていると、よくこんな声を聞きます。
- 研究計画書って、入試のためだけのものですよね
- 修士論文とは別物だと思って書いています
- 正直、入学後は一度リセットする前提です
気持ちはとてもよく分かります。
ですが結論から言うと、
研究計画書は、修士論文の「下書き」です。
今回は、この「つながり」を正しく理解するための話をします。
1.研究計画書は「将来の研究宣言」
研究計画書は、
「今、何ができるか」を示す書類ではありません。
評価されているのは、
- どんな研究者になろうとしているか
- どんな問いを育てようとしているか
という将来像です。
つまり研究計画書は、
修士論文に向かう意思表明でもあります。
2.修士論文と完全一致する必要はない
誤解しやすいポイントですが、
研究計画書と修士論文は、
内容が完全一致している必要はありません。
むしろ一致しない方が普通です。
- 対象が変わる
- 方法が変わる
- 問いが深まる
これは、研究が順調に進んでいる証拠です。
重要なのは、
「関心の軸」がつながっているかどうかです。
3.研究計画書は「仮説の仮説」
研究計画書で書く内容は、
- 仮説
- 方法
- 構成案
すべてが仮置きです。
この段階で完璧な設計は不可能ですし、
求められてもいません。
修士論文では、
- 文献を読み直し
- データを追加し
- 指導を受けて修正する
ことで、研究が洗練されていきます。
研究計画書は、そのスタート地点です。
4.教員は「この人と2年間やれるか」を見ている
教員が研究計画書を見るとき、
修士論文そのものよりも、
- 話が通じそうか
- 修正に耐えられそうか
- 研究を続けられそうか
を見ています。
その意味で研究計画書は、
研究能力の完成度ではなく、
伸びしろの確認です。
5.ダメなつながり方、良いつながり方
よくある失敗は、
- 入試用にだけ通るテーマを書く
- 流行っている言葉を詰め込む
- 自分が続けるイメージを持っていない
こうした計画書は、
修士論文に接続できません。
一方、良いつながり方は、
- 自分の問題意識が明確
- 修正前提で設計されている
- 教員の専門と自然につながる
この状態です。
6.社会人受験生は「現実との接続」が鍵
社会人受験生の場合、
- 仕事との両立
- 調査可能性
- 時間制約
が常にあります。
研究計画書の段階で、
- 実際に実行できそうか
- 修士論文まで走り切れるか
を考えていないと、
入学後に詰まります。
研究計画書は、
理想と現実をつなぐ設計図でもあります。
7.今の研究計画書で確認してほしいこと
最後に、今書いている研究計画書について
次の問いを投げてみてください。
- これを2年間続けるとしたら、どこが変わるか
- 修士論文では、何が追加されそうか
- 教員からの指摘で、どこが一番動きそうか
これを想像できていれば、
修士論文との接続は問題ありません。
まとめ
研究計画書と修士論文の関係は、
- 別物ではない
- でも同一でもない
という、少し曖昧な関係です。
研究計画書は、
修士論文へ向かうための「助走」です。
入試のためだけに書くと、
入学後に必ず苦しくなります。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。
この記事を監修した人
小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。
代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。
早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。
現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。
ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。


