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今回のテーマは
修士論文で「独自性」と「新規性」を混同すると失敗する理由
です。


「独自性はあるけど、新規性が弱い」と言われる理由

修士論文の指導で、次のような評価を受けるケースがあります。

  • 発想は面白い
  • 視点は独自だと思う
  • でも、新規性が弱い

このとき多くの院生は混乱します。

独自性があるなら、新規性もあるのでは?
何が足りないのか分からない

しかし実は、
独自性と新規性は、似ているようでまったく別物です。


独自性と新規性は「評価される軸」が違う

両者の違いは次の通りです。

  • 独自性:自分ならではの視点・関心・切り口があるか
  • 新規性:先行研究と比べて、何が新しく付け加えられているか

独自性は「自分起点」、
新規性は「研究史起点」です。


独自性だけで書かれた論文の危うさ

  • 着眼点はユニーク
  • 個人的関心が強い
  • しかし先行研究との接続が弱い

このタイプの論文は、
「面白いが、研究としては弱い」と評価されがちです。


新規性だけを意識すると起きる別の失敗

  • 先行研究の穴探しに終始する
  • 自分の関心が見えなくなる
  • 無理に「新しさ」を作ろうとする

結果として、研究の動機が見えなくなります。


修士論文で評価されるのは「両立」

評価されるのは、

  • 独自性があり、新規性として説明できる

という状態です。


混同が起きる典型パターン

次のような表現は、新規性の説明になっていません。

  • 「あまり研究されていないテーマだと思う」
  • 「独自の視点から考察する」

新規性は、 どの研究と比べて何が違うかを示す必要があります。


指導教員が見ているポイント

  • この独自の関心は、研究史のどこに位置づくか
  • 先行研究ではどこまで分かっているか
  • 本研究はどこを一歩進めているか

独自性を新規性に変換する方法

本研究は、〇〇という独自の視点から、
△△に関する先行研究の□□という点を再検討する。

この形で説明できれば、独自性は新規性として機能します。


独自性は「入口」、新規性は「出口」

  • 独自性:なぜ自分がこの研究をするのか
  • 新規性:この研究で何が新しく示されるのか

まとめ

独自性と新規性を混同すると、

  • 独りよがりな論文になる
  • 新しさが伝わらない
  • 評価が伸びない

独自性を研究史の中で説明できたとき、
初めてそれは新規性として評価されます。

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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。