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今回のテーマは
文学研究科の専攻別試験内容一覧と対策の考え方
です。


「文学研究科=同じ試験」という思い込みが失敗を招く

文学研究科を受験する人の多くが、最初に大きな勘違いをします。

  • 文学研究科だから対策は共通でいい
  • 専攻が違っても、やることは似ている
  • 研究計画書が主だから、筆記は二の次

これは非常に危険です。

文学研究科の入試は、専攻ごとに「別の試験」と言っていいほど性格が違います。
この違いを理解せずに準備すると、努力が評価に結びつきません。


文学研究科の専攻は「思想」で分かれている

まず押さえておくべきなのは、文学研究科の専攻は単なる分野分けではないという点です。

それぞれの専攻には、

  • 研究の前提
  • 学問の作法
  • 試験で見たい能力

という「思想」があります。

その思想に合った準備をしているかどうかが、筆記試験で露骨に表れます。


主な専攻と試験内容の考え方

ここでは代表的な専攻を軸に、
「何が問われ、どう対策すべきか」という視点で整理します。

※細かな科目名や形式は年度で変わるため、
あくまで「考え方の地図」として読んでください。


日本文学・国文学系専攻

試験内容の特徴

  • 古典・近現代文学に関する論述
  • 作品・作家・時代を踏まえた分析
  • 資料読解・本文解釈型の問題

見られているポイント

  • 作品を「説明」できるか
  • 文脈の中で位置づけられるか
  • 自分なりの視点で論じられるか

対策の考え方

暗記中心の対策は、ほぼ評価されません。

  • 定番作品・研究史を押さえる
  • 代表的な論点を自分の言葉で説明できるようにする
  • 論述練習を通じて、構造的に書く訓練をする

ここで差がつくのは、知識量ではなく論じ方の成熟度です。


英米文学・欧米文学系専攻

試験内容の特徴

  • 原文(英語等)の読解・分析
  • 文学理論を踏まえた論述
  • 語学力と批評力の両立

見られているポイント

  • 原文を正確に読めているか
  • 理論を振り回していないか
  • 文学研究としての筋が通っているか

対策の考え方

  • 原文精読の習慣を作る
  • 基本的な文学理論を整理する
  • 理論を使って何を明らかにするかを意識する

よくある失敗は、理論を並べて満足してしまうことです。


哲学・思想系専攻

試験内容の特徴

  • 哲学テキストの読解
  • 概念理解を問う論述
  • 論理構造を重視する設問

見られているポイント

  • 概念を正確に使えているか
  • 論理が飛躍していないか
  • 議論の前提を理解しているか

対策の考え方

  • 基本文献を丁寧に読む
  • 用語の定義を曖昧にしない
  • 短くても論理的に書く練習をする

派手さより、思考の正確さが評価されます。


史学系・歴史学系専攻

試験内容の特徴

  • 史料読解
  • 歴史的文脈を踏まえた論述
  • 研究史理解を前提とした設問

見られているポイント

  • 史料をどう扱うか
  • 通説と異説を整理できているか
  • 研究としての立場が明確か

対策の考え方

  • 史料の性質を理解する
  • 研究史の流れを押さえる
  • なぜその解釈なのかを説明できるようにする

心理学・社会学・関連領域

試験内容の特徴

  • 理論理解
  • 方法論(調査・分析)の知識
  • 論理的な文章構成

見られているポイント

  • 用語を正確に使えているか
  • 方法論を理解しているか
  • 思いつきで書いていないか

対策の考え方

  • 教科書レベルを確実に固める
  • 研究法の基本を整理する
  • 主張→根拠→結論の構成を意識する

専攻別対策で最も大切な共通点

どの専攻にも共通しているのは、

「何を知っているか」ではなく
「どう考えているか」を見ている

という点です。

出題形式に合わせた対策と、専攻の学問文化に合わせた書き方が不可欠になります。


「他専攻の成功体験」はほぼ役に立たない

よくある失敗が、

  • 別専攻の合格体験記をそのまま真似る
  • 他分野の対策法を流用する

ことです。

文学研究科では、専攻が違えば評価基準も違うという前提を必ず持ってください。


まとめ

文学研究科の専攻別試験対策で重要なのは、

  • 試験内容を暗記すること
  • その専攻が「何を研究だと考えているか」を理解すること

です。

この視点を持てば、

  • 何を勉強すべきか
  • 何を捨てるべきか

が自然と見えてきます。

次回は、文学研究科の筆記試験は何を見ているのかをさらに深掘りします。

志樹舎 では、大学院入試の各種対策に特化した専門性の高いサポートを行っています。
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※この記事は専門家による監修のもと執筆されています。

この記事を監修した人

小杉樹彦(志樹舎 創業者)

小杉 樹彦(こすぎ・たつひこ)
志樹舎 創業者/博士(学術)
慶應義塾大学院修了後、2015年1月に院試専門オンライン予備校「志樹舎」を設立。 代表講師として10〜60代まで延べ5,000人以上の受験生を指導。 早慶・国公立をはじめとする難関大学院で合格率9割超の実績を持つ。 現在は大学院入試対策の専門家として、テレビ・新聞・雑誌など幅広いメディアで活動中。 ロングセラー『減点されない!勝論文』(エール出版社)ほか著書・論文多数。